僕の故郷はド田舎


映画館があった


東映 東宝 松竹と

普通の、まぁテアトルという映画館

それと主に18禁タイトル用が二館


東映まんが祭は東映

ドラえもんは東宝

ルパンやジブリは松竹に

それぞれ見に行っていた


オーナーはぶんしょうさん

文章と書きフミアキ、多分ね、こう読むのだろうけど

父がブンショーさんと呼んでいたので俺もそうなった



ド田舎の映画館

基本的に抱き合わせ

数本、少なくとも3本、多い時で5本の映画が抱き合わせ上映

1000円で、子供なら数百円でそれらを全て見れる

上映終了後、客を掃き出すなんて事も当然無く

僕らは銀幕に何時間もドップリ浸かった。


読んでわかる通り

まったく収益の見込めない映画館

全て、ブンショーさんの優しさ

ド田舎の俺達に面白い映画を見せたい

ブンショーさんが選んだ映画、フィルムを買い

ひたすら突っ込んでいた。

タイタニックとか1年弱も上映してたんだぜ


高校卒業後、海外でブンショーさんの死を聞き

その後すぐ、本当にすぐ、あっという間に

映画館は全て取り壊され駐車場になった事も


泣くさ、泣いたさ


父の友人の、イイ爺ちゃんで

よく遊んでくれた

親父がいなくなってから、一人でフラフラしてた俺の為に

よくスペシャル上映会を開いてくれた

ガキの俺にゃつっまんねぇ西部劇や時代劇


あぁ・・・

長くなっちまった、分けよう



やっぱ分けない


遊ぶ場所の少ないド田舎

山を走り海に潜る野生児達の

数少ない文明との接点


小学校時代はもっぱらアニメ

高学年あたりから東映東宝を卒業し

僕らはノートルダムの鐘を見にテアトル

同時上映がマディソン郡の橋

客は俺達だけ


ノートルダムまでツマンネ!ぎゃあぎゃあ騒ぎながら

ほしたらDが席を立つ

「どしたぁ」

「これ、なんか面白いから俺ちゃんと観る」

離れた席で一人真面目に映画を観るD


残された俺達は一人また一人と寝息を立て始め

全員寝た後

俺は、こーっそりと、ぐるり館内一周、Dの後ろへ


ぐすっ・・ぐすっ・・


こ、こいつ泣いてやがる!!!

その場で声かけるほど無粋じゃないさ


けどな

マディソン終えた後は違う

「おうおめーら起きろ!!D泣いてったぞ!さっき!!」

「な、泣いてねーよ!!!」

「顔赤ぇぇええええ!!」


そう、こんな事ばかりだった

数種タイトルごちゃ混ぜ上映

目的タイトルがつまらなくても違うタイトルとの出会い

全く興味が無かったけど見てみれば面白かった映画