産業界と教育界の溝を埋める仕事 | AKERU-STYLE

産業界と教育界の溝を埋める仕事

ぼくは起業して9年になります。
自分が本業を通して、一生懸命解決しようとしているテーマが何なのか、
最近になって初めて気付いています。それは、「産業界と教育界の溝を埋めること」
でした。「企業社会と学校社会のギャップ」と表現しても良いでしょう。

今回は、「企業社会の現実」と「人類の進化のプロセス」から、
「産業界と教育界の溝」について考察してみます。

以下は、11/23(火)付け日経新聞の「私の履歴書」
(武田薬品の現会長の武田國男氏)からの引用です。


《筑波研究所の責任者の藤野さんが19991年に武田薬品中央研究所の問題点に触れて、
「中央研究所は(中略)専門分野別に組織が分かれ、各分野間の壁も厚い。
これは大学の発想であり、相互の境界がなくなりつつあるサイエンスの流れにそぐわない」。》

上記からの重要なメッセージは、研究者であり研究所の責任者である藤野さんが、
1
)自分は研究者であると同時に企業人であるこという認識を持っていたこと、
2
)企業内研究所の最終目的は、「他社製品と差別化できている、もしくは、画期的で、
かつ、市場性がある新薬を開発すること」だと認識していたこと、だと思います。

研究所の職員の大半は、大学(学校社会)における自身の研究を
武田薬品の企業内研究所で続けているという意識だったので、
化学、生物学、発酵学等の専門分野別に組織も分かれていました。
大学内では当然のことだったからです。

しかし、藤野さんは「サイエンス」(科学)の流れにそぐわない、と述べています。
「サイエンス」とは、一定の原理にしたがって、一定の目的と方法をもって、
順序立てて、物事を研究することです。科学は理科系、文科系の学問も包括しますの
で、医学も経営学も「サイエンス」の一領域といえます。
広義に考えれば、ビジネスもサイエンスなのです。

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次は、「人類の進化のプロセス」から、「産業界と教育界の溝」について考察してみます。
先日、NHK特集「地球大進化」の最終回の「人類の進化」を偶然観ました。
現在の人類の祖先のホモ・サピエンスまで、20種もの人類の祖先が登場しては絶滅し
たと考えられているらしいです。そのうちのたった一つの種であるホモ・サピエンスが生き残って現
存しているというのです。これまでの20種もの人類のサバイバルの決定要因は2つでした。
最大の要因は「食料の確保」、第2の要因は「言語能力」でした。
まず「食料の確保」から、説明します。

場所はアフリカ大陸。人類は最初は樹木生活者であり、果実を主食にしていました。
しかし、気候の変化により、熱帯雨林が草原に変化し果実が無くなってしまいました。
この変化で人類の祖先のうち1種類は動物を主食に、もう1種類は植物の根っこを主食
にして生き残りました。要は、主食とする食料を環境に応じて変化させた種のみが生き残りました。
そして、この段階からサバイバルの決定要因が変化していきます。
「言語能力」の登場です。

人類が高カロリー肉食に変化したことも一因に、急速に脳が巨大化しました。
さて、時代は3万年前、人類には脳が発達した2種類のホモ・サピエンスとネアンデルタール人
が存在しました。しかし、ホモ・サピエンスは生き残り、ネアンデルタール人は絶滅してしまいました。
その主因は何だったのでしょうか?研究者は、その主因を、「言語能力の差」に求めています。ネアンデルタール人は、その声帯の位置と気道の短さから、ホモ・サピエンスほど流暢に「言葉」を発するこ
とができなかった可能性が高いというのです。

ということは、ヒトは「言葉」を通してコミュニケーションをとることでその経験知を次世代に伝えることにより、より能率的、効率的に食料を確保できるようになったといえます。
これは空想の世界ですが、ホモ・サピエンスの子孫である我々が現代のコミュニケーションの手段の言葉、(絵)文字、手話などを一瞬にして失ったら、どうなるでしょう。
最終的に食糧確保に困難を来たして、いずれは多数の人類が死滅してしまうかもしれないのです。

ここで、「産業界と教育界の溝」に話を戻しましょう。
「企業」の最終目的を「食糧確保」、「学校」の最終目的を食糧確保のための「ことばの発達」と
仮定します(いつもどおり、飛躍しまくっていますが…...)。
もちろん、上述のとおり、両方とも人類のサバイバルのために不可欠です。

しかし、現代の日本では、「産業界」(企業)は、極端に走ると、食料(お金、利益)確保さえすれば、「ことば」を無視して、手段を問わないケースは少なくないです。「教育界」(学校)も、極端に走ると、
「言葉」のための「言葉」を教えることにテクニカルにコミットしすぎます。人類のサバイバルに不可欠な食料(お金、利益)確保するマインドやテクニックを教えることを軽視したり、時には、蔑視して、教えないこともあったりします。この溝を埋めなければ、日本国民の「生きる力」が減退し、結果的に国力が減退してしまいます。

文章が長くなってきてしまいました。この先は一週間後の次号に記します。
「産業界と教育界の溝を埋める」ための現実策を探って行く予定です。
乞うご期待!