ふと思う。ヴェルディで現役を引退した選手って極端に少ない。『ヴェルディで』つまりヴェルディを最後に、最終所属がヴェルディということ。
近年だと福西崇史。彼は1年しか在籍しなかったし、まだやれる可能性も残していた。クラブ事情とはいえ戦力外はもったいなかったと本気で思うが後の祭り。
まだやれるが似つかわしいオファーがないため引退という似たようなパターンだと柱谷哲二。
現役か引退か。人生の岐路に立つとき、「最終所属ヴェルディ」であってほしいと私は願う。

ではヴェルディに尽力し引退した選手はどれくらいいるのか?
と、調べると『尽力=貢献度、在籍年数』『引退=年齢』なども加味しないと在籍2年、で引退した宮坂ら若手もかなりおり全員を調べるだけの資料もない。
従い今回の対象は以下の条件を満たす選手とする。
・年齢:25歳以上。
・在籍年数:2シーズン以上。
・貢献度:ヴェルディでのリーグ戦出場30試合以上。


リーグ戦出場30試合は99~04年J1が年間30試合でありそれ以下の年間試合数は過去にないため最低でも30試合出場とする。年齢や在籍年数は考えず、30試合以上出場を満たす選手は2016年現在115名いる。
さらに当たり前だがすでに引退した選手が今回対象となるため引退した選手は以下のメンバー。
北澤豪265試合41得点
林健太郎250試合18得点
米山篤志198試合10得点
菊池新吉193試合
柱谷哲二183試合13得点
中村忠176試合4得点
菅原智166試合3得点
永井秀樹164試合16得点
小林慶行156試合10得点
武田修宏140試合62得点
ビスマルク137試合36得点
石川康134試合2得点
土肥洋一131試合
ラモス瑠偉127試合9得点
ペレイラ125試合9得点
桜井直人116試合23得点
服部年宏104試合
石塚啓次103試合15得点
戸川健太97試合2得点
廣長優志91試合3得点
本並健治85試合
平野孝80試合8得点
廣山望79試合11得点
三浦淳宏79試合10得点
常盤聡76試合14得点
西紀寛73試合11得点
柳沢将之72試合2得点
大野敏隆70試合6得点
菊池利三68試合2得点
佐伯直哉64試合1得点
前園真聖63試合9得点
杉山弘一63試合1得点
長谷部茂利61試合3得点
萩村滋則56試合2得点
三浦泰年56試合1得点
アルシンド54試合29得点
海本幸治郎52試合1得点
船越優蔵44試合9得点
ロペス42試合3得点
西田吉洋41試合2得点
戸倉健一郎41試合
高木琢也40試合11得点
栗原圭介38試合8得点
藤吉信次36試合8得点
ゼ ルイス36試合4得点
渡辺淳一36試合1得点
藤田泰成36試合
エムボマ35試合17得点
齋藤将基34試合7得点
ワシントン33試合22得点
アルジェウ32試合
エジムンド31試合18得点
阿部良則30試合2得点

タイやシンガポールなどで現役らしい日本人選手や引退が公表されてないブラジル人選手らは不明なので含んでない。
永井秀樹164試合16得点
戸川健太97試合2得点
常盤聡76試合14得点
西紀寛73試合11得点
2016年現在新たに引退した選手で対象者は以上4名、船山は規定に満たさないため残念ながら対象外。ただしヴェルディを最後に退団しない限り最終所属はヴェルディではないため下記には含まない。

いずれの選手も25歳未満で引退していない。
このうち問答無用、ヴェルディが最終所属となる選手は
北澤豪265試合41得点(在籍91~02・年数:12シーズン・引退時の満年齢:34歳)
菊池新吉193試合(在籍86~99,01・年数:15シーズン・引退時の満年齢:34歳)
柱谷哲二183試合13得点(在籍92~98・年数:7シーズン・引退時の満年齢:34歳)
菅原智166試合3得点(在籍95~98,06~11・年数:10シーズン・引退時の満年齢:35歳)
永井秀樹164試合16得点(在籍92~94,97,01~02,06~07,14~16・年数:11シーズン・引退時の満年齢:45歳)
武田修宏140試合62得点(在籍86~95,97,00~01・年数:13シーズン・引退時の満年齢:34歳)
土肥洋一131試合(在籍08~12・年数:5シーズン・引退時の満年齢:39歳)
ラモス瑠偉127試合9得点(在籍77~96,97~98・年数:22シーズン・引退時の満年齢:41歳)
本並健治85試合(在籍97~01・年数:5シーズン・引退時の満年齢:37歳)
大野敏隆70試合6得点(在籍06~08・年数:4シーズン・引退時の満年齢:30歳)
菊池利三68試合2得点(在籍92~96,97~98,00~02・年数:10シーズン・引退時の満年齢:29歳)
佐伯直哉64試合1得点(在籍10~12・年数:3シーズン・引退時の満年齢:35歳)
萩村滋則56試合2得点(在籍06~08・年数:3シーズン・引退時の満年齢:32歳)

だけである。25歳以上、在籍年数2年以上も全員クリア。たった13名というのも他のクラブと比較しないと多いんだか少ないんだかわからんが。まぁイメージ的に多いとは思えない。

最近のケースは萩村、引退後に直にクラブスタッフに転身した珍しいケース。ヴェルディにおいて今回対象外の選手(中村忠など)でもユース出身者が引退し下部組織の指導者に転身するのは多々ある。しかし在籍年数が長い古巣クラブがある選手はたいてい古巣クラブのスタッフに転身する場合が多く萩村も柏に7シーズン在籍していたためヴェルディの3シーズンよりも長い。何らかの仕事のオファーがあったのか柏との関係性がわからんが極めて経営が不安定なヴェルディにスタッフ入り。そんな英断をしてくれた萩村にはこれからも長くヴェルディに携わり第2、第3の萩村育成に期待したい。
上記のメンバーで引退→直にヴェルディ関係者(下部組織コーチなど)に転身したのは、あと新吉とスガそして新たに永井秀樹だけ。いずれも育成部門のコーチ、永井は監督でありトップチームのコーチ入りは過去にいない。
初のトップチーム入閣かと思われたスガに続き、悩みながらも引退を選択した土肥は育成部門のコーチ入り、これが当データでは4人目の事例に。永井もトップチームコーチの可能性はあったそうだがユース監督に。
引退から直接トップチームコーチになった人物はまだいない。
佐伯は被災地ボランティアなど外部の活動がメインみたいだがやはり古巣でセカンドキャリアをスタートできたほうが幸せである。Jリーグラボで野々村、名波両氏も触れていたがやはりセカンドキャリアがしっかり導かれるような、雇用対策は日本全体の課題だけどJリーグもしっかりと考察しないと。

引退から8年経過してラモスが監督として柱谷がコーチとして復帰。裏背景にうごめく日テレ幹部ら、あるいは唐井GMらとの確執が一因か。8年も要し降格して…クラブとOBの溝も深いのは間違いなかったが…。
現在もヴェルディに携わるのは萩村のほかに菊池利だけ。菊池利は岩手でヴェルディ公認のスクールだったが2017年J3盛岡監督に。
北澤、武田は表立った関わりはなく武田に至ってはラモスに便乗してかヴェルディ離れ。本並はなでしこリーグ・スペランツァFC大阪高槻の監督。大野はスクールを立ち上げたらしい、大野に関しては引退を正式に表明していないのが現状だが。

やはり功労者はそのクラブで引退したいもの。ただカズさんなどのように自分の限界をまだ知らない大ベテランはボールを追い掛けてやめない。ただ多くの選手は自分を見つめ直し引退という選択もする。
ヴェルディに関わるすべての選手が自分の納得のいくまで現役にこだわってほしい。ただ、「選手生活の最後はヴェルディで」ぜひやってほしい。最終所属ヴェルディの功労者が増えてくれることこそ今のヴェルディには必要なことだと思う。



2017年、退団した選手のうち所属が未定のままなのは健慈、圭史。上述の規定を満たすのはいない。
新天地が見つかることを願うばかり。