前半戦の成績からクリアラインを考察する。まず年間成績1位となるためのクリアラインから。

年間成績1位の前半戦成績ランキング
1鹿島・82.4%(09)
1浦和・70.6%(06)
1広島・70.6%(13)
2名古屋・68.6%(10)
2柏・66.7%(11)
3広島・66.7%(15)
2広島・64.7%(12)
3浦和・64.7%(16)
2G大阪・62.7%(05)
2鹿島・60.8%(08)
3鹿島・58.8%(07)
8G大阪・47.1%(14)
あくまで年間成績1位となるための前半戦の最低勝ち点率は58.8%(07鹿島)である。この58.8%は勝ち点30となる。14G大阪の珍記録はガン無視しますw。
前半戦を首位で折り返すよりも2位以下のほうが逆転しやすい傾向もある。
なお最低順位だと3位以上でないと難しいのは確かである。4位以下のクラブなら異例となるがなかなか難しい。
14浦和、15浦和の失脚は何とも情けない。1st無敗優勝で今期こそ!と口々に。口だけになったし。16浦和も1stを落としまたか、と。しかし3度目の正直となった。
これで、05 07 08 10 11 12 14 15 16年が逆転のシーズン。3シーズン連続の逆転は2度目。
前半戦首位の失脚は今後もあるでしょう。初の4年連続逆転があるのでしょうか?
1stチャンピオンが年間1位になれない悪癖は1シーズンに戻っても変わらないだろう。


そして各年度の下位3クラブの前半戦成績ランキング(08年以前の16位クラブの自動降格はなく入れ替え戦であった)

12神戸・47.1%(12・最終順位16位)
12広島・45.8%(07・16※暫定)
12磐田・45.1%(08・16)
14東京V・39.2%(08・17)
15千葉・37.3%(09・18)
12FC東京・37.3%(10・16)
15柏・35.3%(05・16)
15C大阪・35.3%(14・17)
14甲府・33.3%(07・17)
16甲府・33.3%(11・16)
14名古屋・33.3%(16・16)
17東京V・31.4%(05・17)
16湘南・31.4%(16・17)
17札幌・29.4%(08・18)
17柏・29.4%(09・16)
17大宮・29.4%(14・16)
15松本・29.4%(15・16)
16山形・27.5%(15・18)
17G大阪・25.5%(12・17)
16磐田・25.5%(13・17)
17湘南・25.5%(13・16)
18清水・25.5%(15・17)
17湘南・23.5%(10・18)
18神戸・21.6%(05・18)
16福岡・21.6%(06・16)
17京都・21.6%(06・18)
18福岡・21.6%(16・18)
18横浜FC・19.6%(07・18)
18京都・19.6%(10・17)
17山形・17.6%(11・18)
18福岡・15.7%(11・17)
18大分・15.7%(13・18)
18徳島・15.7%(14・18)
18C大阪・11.8%(06・17)
18大分・7.8%(09・17)
18札幌・7.8%(12・18)

前半戦で3割未満ならもう手遅れと言える。06年の下位3クラブが低いのに対し08年の3クラブの高騰ぶりはよくわかる。
これまでの最高勝ち点は、07広島が暫定のため除外し08磐田の45.1%としてきた。近年のJ1前半戦ノルマは少なくとも45%ほど稼がなくてはならないことを示していたが12神戸がそれを更新し47.1%という高いノルマを設けた。いずれにせよ前半戦で5割近い勝ち点を挙げても年間下位3クラブに入るのだからいかに年間を通した安定が必要かも分かる。残留のノルマは12神戸の47.1%、前半戦は勝ち点24、つまり最低ラインは勝ち点25以上である。
残留争いのノルマを満たせずに降格した14C大阪、実は優勝した14G大阪も満たしてないからわからんものだ。
1st順位表はあくまで区切りになるだけ。リセットしても2ndは下位に甘んじたら降格してしまう。16名古屋がまさにそんな余裕噛ましちゃった系か。
切り替えてしっかり勝ち点を稼がないとならない。監督人事含め先手先手で対策しないと帳尻が合わなくなってからでは間に合わない。16名古屋に学ぶことは多々あるだろう。

▽最終勝ち点ノルマとして最終勝ち点38がキーになっていた。08ヴェルディが降格したこともあり勝ち点37は安全牌ではない。また12G大阪が38、12神戸が39で降格したため自ずと勝ち点40以上はノルマとして確立される。
スパサカでかつて水沼氏が(年間30試合時代の)データを口にしてましたが「試合数×勝ち点1、つまり勝ち点34以上稼がないと残留できない」。これは間違いではないが今のJ1は『34』で安全ではない。やはり40は必要不可欠だ。
2017シーズン以降にも当て嵌まるのは間違いない。2ステージ制でも結論は同じだろう。 としていたが2016年は31 30で残留というラッキーが生まれた。ただこんな低次元な残留争いはそうそう起きない。やはりあっさり勝ち点40以上は稼いでしまいたいもんだ。


以上を踏まえると前半戦のノルマもまんざらバカにはできないだろう。

優勝するには3位以上、なおかつ17試合で勝ち点30以上が優勝の最低ラインとなる。
2016年は1鹿島 2川崎 3浦和が達した。ノルマを満たした浦和が逆転で年間1位とノルマは生きた。

一方降格は11位以上、なおかつ、17試合で勝ち点25以上が自動降格回避の最低ラインとなる。
2016年は5大宮以上(4広島 他は上述)5クラブが勝ち点25もクリア。8磐田も残留争いに巻き込まれたようにノルマを満たせないとつうか2ndも勝ち点を稼がないとそりゃ巻き込まれる。


▽2005年以後、15位(残留)と16位(自動降格あるいは入れ替え戦)との勝ち点差
05年:勝ち点差4
06年:勝ち点差15
07年:勝ち点差3
08年:勝ち点差1
09年:勝ち点差5
10年:勝ち点差2
11年:勝ち点差3
12年:勝ち点差1
13年:勝ち点差12
14年:勝ち点差1
15年:勝ち点差6
16年:勝ち点差0
13年は06年以来8シーズンぶりとなる最終節が消化試合となった残留争い。これほど開くと当該クラブ間に興味はない。いわゆる奇跡の残留的なワクワクやよもやの降格が必ずしもあるわけでないがあっさり過ぎるとつまらない。
そう書いてたら15年は2年ぶりの最終節消化試合。
2015年からは年間成績だから2nd順位表は見なくて良い、そこが不満。データ野郎としてはそれなら2nd順位いらないから年間順位で全部決めれよと思ってる。
15位vs16位、やはり差が少ない方がハラハラして見る方は楽しい。得失点差勝負ならどこに何が起きても不思議はない。
と私見を述べた翌年、2016シーズンはハラハラドキドキの最終節に。
15位新潟と16位名古屋が得失点差決着。勝ち点30というかなり低次元な勝ち点で並びしかも14位甲府、13位磐田も1ゲーム以内に犇めくという異様な残留争いは最後までハラハラ。結論自力で残留出来たのに完敗し降格した名古屋が何とも滑稽ではあった。

未だに降格したことがないJ1クラブ
鹿島 横浜FM 新潟 鳥栖

名古屋降格に伴いオリジナル10も残るは2クラブ、J1は群雄割拠、何が起きても不思議はない。それこそ浦和や川崎、鹿島だって来期は降格するかも。やってみないとわからない。

▽24年目のオリジナル10
J1鹿島 浦和 横浜FM G大阪 広島
J2千葉 東京V 清水 名古屋

千葉は8年目、ヴェルディは9年目のJ2、いい加減脱したいな、互いに。清水はPOの可能性はあるが仲良く4クラブでJ2戦おうよ(笑)



▽過去の前半戦3強 ☆は年間1位
1鹿島・82.4%(09・1)☆
1浦和・80.4%(15・2)
1鹿島・76.5%(16・3)
1G大阪・74.5%(07・3)
2川崎・74.5%(16・2)
1鹿島・70.6%(05・3)
1浦和・70.6%(06・1)☆
2G大阪・70.6%(06・3)
1清水・70.6%(10・6)
1広島・70.6%(13・1)☆
2大宮・70.6%(13・14)
1浦和・70.6%(14・2)
2浦和・68.8%(07・2)
3川崎・68.6%(06・2)
2名古屋・68.6%(10・1)☆
1仙台・68.6%(12・2)
2FC東京・68.6%(15・4)
2浦和・66.7%(09・6)
3鹿島・66.7%(10・4)
1横浜FM・66.7%(11・5)
2柏・66.7%(11・1)☆
3横浜FM・66.7%(13・2)
2鳥栖・66.7%(14・4※暫定)
3広島・66.7%(15・1)☆
2広島・64.7%(12・1)☆
3川崎・64.7%(14・6)
3浦和・64.7%(16・1)☆
2G大阪・62.7%(05・1)☆
1浦和・62.7%(08・7)
3新潟・62.7%(09・8)
3名古屋・62.5%(11・2)
2鹿島・60.8%(08・1)☆
3鹿島・58.8%(07・1)☆
3浦和・58.8%(12・3)
3柏・56.9%(08・11)
3磐田・54.9%(05・6)
09年鹿島は第17節時点で13勝1敗3分の勝ち点42。15年浦和は1st 12勝0敗5分。無敗で1stを終えたが初の無敗というだけで歴代No.2。
16年の3強は鹿島が歴代3位からの首位陥落、2ステージだからか、失速の鹿島だからか。川崎は両ステージとも2位と「2位じゃダメですか?」で年間2位。自力1位も可能だっただけに風間体制有終の美を飾りたかったところ。浦和は3位から浮上で年間1位。
とにかくまだCSがある。川崎vs鹿島の勝者は浦和に一泡吹かせたいところだ。

前半戦で7割以上だと09鹿島、06浦和、13広島だけ優勝。いかに前半戦首位の失脚が多いかわかる。
7例中2例しか優勝してない『70.6%の悲劇』というか自滅つうか14浦和が失脚。
前半戦1位ではないクラブ(05年以降12シーズン中9シーズンが2位以下)が優勝、実に75.0%。
『前半戦首位(1stチャンピオン)は優勝できない(年間成績1位にはならない)』というジンクスは2017年以後も根強いはずだがどうなりますか?


▽1stチャンピオンの失速について。
16年1st首位鹿島はこれまで同様、年間1位を逃した。
99年以降で見てみる。

99年
1磐田・34・75.6%
6磐田・49・54.4%
00年
1横浜・30・66.7%
4横浜・54・60.0%
01年
1磐田・36・80.0%
1磐田・71・78.9%
02年
1磐田・36・80.0%
1磐田・71・78.9%
03年
1横浜FM・32・71.1%
1横浜FM・58・64.4%
04年
1横浜FM・36・80.0%
2横浜FM・59・65.6%
05年
1鹿島・36・70.6%
3鹿島・59・57.8%
06年
1浦和・36・70.6%
1浦和・72・70.6%
07年
1G大阪・38・74.5%
3G大阪・67・65.7%
08年
1浦和・32・62.7%
7浦和・53・52.0%
09年
1鹿島・42・82.4%
1鹿島・66・64.7%
10年
1清水・36・70.6%
6清水・54・52.9%
11年
1横浜FM・34・66.7%
5横浜FM・56・54.9%
12年
1仙台・35・68.6%
2仙台・57・55.9%
13年
1広島・36・70.6%
1広島・63・61.8%
14年
1浦和・36・70.6%
2浦和・62・60.8%
15年
1浦和・41・80.4%
2浦和・72・70.6%
16年
1鹿島・39・76.5%
3鹿島・59・57.8%

前半戦で7割近い勝ち点率をキープし折り返しても後半戦で失速、そのまま首位で終えた事例は18チーム中6チーム、33.3%となる。
16鹿島は、歴代ワースト2となるおよそ20ポイントほど落とし年間1位の可能性を早々と失う失態ぶり。

前半戦首位のシーズン終了時における勝ち点率の差異ランキング
浦和・±0.0%(06)
磐田・-1.1%(01)
磐田・-1.1%(02)
横浜・-6.7%(00)
横浜FM・-6.7%(03)
G大阪・-8.8%(07)
広島・-8.8%(13)
浦和・-9.8%(14)
浦和・-9.8%(15)
浦和・-10.7%(08)
横浜FM・-11.8%(11)
仙台・-12.7%(12)
鹿島・-12.8%(05)
横浜FM・-14.4%(04)
鹿島・-17.7%(09)
清水・-17.7%(10)
鹿島・-18.7%(16)
磐田・-21.2%(99)

当然だが勝ち点率はキープするに限る。下げ幅が10ポイント以上あるとさすがに追い撃ちを受けてしまう。前半戦首位の呪縛は16年も猛威をふるう。
それにしても09鹿島、2割近く勝ち点率落として3連覇とはJリーグも随分生温いリーグだ。現に10清水は6位まで、11横浜FMは5位まで順位を落とした(2位だが13大宮は14位まで落ちた)。前半戦成績が違うとはいえ普通に追い上げがあるなかでそれでも3連覇してしまったのが鹿島黄金期のピークなのかもしれない。