あの日…
朝から私はそわそわしていた。
夜の決戦へ~
連日のスポーツニュースは持ち切りだった。
学校では担任さえ休み時間に生徒とサッカー話をするほど。
国中が夢中になっていた。
報道では前日練習で怪我をした相手FWの松葉杖&車椅子姿を流し欠場濃厚とも…。
騙し騙された情報戦は今思えば良い思い出だ。(のちにインタビューで指揮官はあの情報を鼻で笑っていたが)
日本中が注目していたあの日、私は小さなTVに向かって声援を送っていた。
前半。
それは日本にとってフランスに行くための最後の激戦だった。
写真撮影…円陣が解かれ、カズがゴンやヒデの頭をポンと触る。
日本のキックオフで始まる。
報道されたアジジは元気にピッチに現れた。
開始1分にも満たない先制シーン。
こんなシーンがあったことなど、すっかり忘れてしまうほど、このあとの鮮明な記憶ばかりが頭にそして目に焼き付いている。
相馬のクロスに相手DFが自陣ゴールにクリア。
それがネットに突き刺さる。
中山だろうかオフサイドを取られた。
この1点が日本に入ればあの有名なシーンあるいはこの試合の流れ自体大きく変わっただろう。
日本はミスからボールを失うのが気になる。
そして日本の1stシュートが山口だった。
この試合最初のCKはイラン、難なくクリアした。
激しいボールの奪い合いにエキサイトする。
この試合にかける両者の想い…
日本は流れるようなパスワークを展開する。
が、フィニッシュに持ち込めない。
相手GKアベドザデが試合中、しかもまだ前半なのに新品のグローブに交換するような焦らし…
イランが右サイドからチャンスを迎える。
一度、中に戻してから左へ。
頭で落としたところにフリーのアジジ。
飛び出した川口をかわしたが名良橋がカバー。
ヒヤッとした日本。
相手GKは遅延行為で注意を受けた。
ちぐはぐする日本はボールをなかなかキープできない。
逆にイランが有意義にボールを捌く。
それを懸命に守る日本。
雨でスリッピィなピッチでのミスが目立つ。
開始15分~立ち上がりの危険な時間帯ではチャンスではイランが上回っている。
またキープ率もイランが上。
不慣れなピッチコンディション
高温多湿…
すべて相手と条件は同じ。
ヒデのパスもなかなか裏を取れない2トップ、ミスパスになる。
また中田自身も厳しいマークに苦しめられている。
ようやくチャンスを作り始めた日本。
フィニッシュの精度が低く枠になかなか放てない。
サイドを徐々に制圧している日本だが高さのあるGKアベドザデにハイボールは通用しない。
ボールを繋ごうとする日本に起点を作らせないようにイランの激しいチャージが目立つ。
しかし最初のイエローカードは井原に。
ミスから奪われ強烈なミドルを打たれたが川口がセーブ。
前を向いた中盤から出される速い縦パスはなかなかFWに通らずクロスも精度を欠く。
30分が経過。
相変わらず肝心のフィニッシュが少ない日本。
一方速いカウンターからフィニッシュを放ちながらもフィニッシュの精度を欠くイラン。
イランの運動量が落ち着いた前半終了間際
ようやくパスが回り始めた日本はゴールの匂いがしてきた。
カズとゴンが交錯しチャンスを逃したが先制へ日本はチャンスを増やし始めた。
カズがチェイシングを仕掛けGKと交錯。
プレッシャーを高い位置からかける日本。
一方イランもマハダビキアが決定的なシュートを放ちポストに嫌われる。
完全に足が止まる日本がコースを消せずほぼフリーで打たれたが運が味方した。
一難去って日本に歓喜の瞬間が訪れる。
名波からボールを受けたヒデの一瞬の縦パス…
抜け出した中山が相手GKの脇をすり抜ける左足の先制弾。
ヒデはすぐに線審の旗を確認。
クールな男は中山には抱き付かず自陣に引き上げた。
チャンスの数では圧倒的にイランだった。
それでもサッカーは分からない。
ダエイのFKを川口がキャッチできないほどボールが濡れている。
前半を見ていてひとつ気になるのが自由に制空権を使うダエイだった。
それが後半苦しめられた大きな要因だったが…
もし前半だけの試合だったらあの有名なシーンは中山の先制シーンとして語られたのだろう。
前半はたった1度の決定的なチャンスを活かした日本がスコアを動かした。
前半の速く高いプレッシャーは指揮官の狙いだった。
「相手も疲れてくる。交代はトップを2人代える可能性がある」
それがのちに指揮官が明かした試合のプランだったとは思いもしなかったが…
後半へ続く~
朝から私はそわそわしていた。
夜の決戦へ~
連日のスポーツニュースは持ち切りだった。
学校では担任さえ休み時間に生徒とサッカー話をするほど。
国中が夢中になっていた。
報道では前日練習で怪我をした相手FWの松葉杖&車椅子姿を流し欠場濃厚とも…。
騙し騙された情報戦は今思えば良い思い出だ。(のちにインタビューで指揮官はあの情報を鼻で笑っていたが)
日本中が注目していたあの日、私は小さなTVに向かって声援を送っていた。
前半。
それは日本にとってフランスに行くための最後の激戦だった。
写真撮影…円陣が解かれ、カズがゴンやヒデの頭をポンと触る。
日本のキックオフで始まる。
報道されたアジジは元気にピッチに現れた。
開始1分にも満たない先制シーン。
こんなシーンがあったことなど、すっかり忘れてしまうほど、このあとの鮮明な記憶ばかりが頭にそして目に焼き付いている。
相馬のクロスに相手DFが自陣ゴールにクリア。
それがネットに突き刺さる。
中山だろうかオフサイドを取られた。
この1点が日本に入ればあの有名なシーンあるいはこの試合の流れ自体大きく変わっただろう。
日本はミスからボールを失うのが気になる。
そして日本の1stシュートが山口だった。
この試合最初のCKはイラン、難なくクリアした。
激しいボールの奪い合いにエキサイトする。
この試合にかける両者の想い…
日本は流れるようなパスワークを展開する。
が、フィニッシュに持ち込めない。
相手GKアベドザデが試合中、しかもまだ前半なのに新品のグローブに交換するような焦らし…
イランが右サイドからチャンスを迎える。
一度、中に戻してから左へ。
頭で落としたところにフリーのアジジ。
飛び出した川口をかわしたが名良橋がカバー。
ヒヤッとした日本。
相手GKは遅延行為で注意を受けた。
ちぐはぐする日本はボールをなかなかキープできない。
逆にイランが有意義にボールを捌く。
それを懸命に守る日本。
雨でスリッピィなピッチでのミスが目立つ。
開始15分~立ち上がりの危険な時間帯ではチャンスではイランが上回っている。
またキープ率もイランが上。
不慣れなピッチコンディション
高温多湿…
すべて相手と条件は同じ。
ヒデのパスもなかなか裏を取れない2トップ、ミスパスになる。
また中田自身も厳しいマークに苦しめられている。
ようやくチャンスを作り始めた日本。
フィニッシュの精度が低く枠になかなか放てない。
サイドを徐々に制圧している日本だが高さのあるGKアベドザデにハイボールは通用しない。
ボールを繋ごうとする日本に起点を作らせないようにイランの激しいチャージが目立つ。
しかし最初のイエローカードは井原に。
ミスから奪われ強烈なミドルを打たれたが川口がセーブ。
前を向いた中盤から出される速い縦パスはなかなかFWに通らずクロスも精度を欠く。
30分が経過。
相変わらず肝心のフィニッシュが少ない日本。
一方速いカウンターからフィニッシュを放ちながらもフィニッシュの精度を欠くイラン。
イランの運動量が落ち着いた前半終了間際
ようやくパスが回り始めた日本はゴールの匂いがしてきた。
カズとゴンが交錯しチャンスを逃したが先制へ日本はチャンスを増やし始めた。
カズがチェイシングを仕掛けGKと交錯。
プレッシャーを高い位置からかける日本。
一方イランもマハダビキアが決定的なシュートを放ちポストに嫌われる。
完全に足が止まる日本がコースを消せずほぼフリーで打たれたが運が味方した。
一難去って日本に歓喜の瞬間が訪れる。
名波からボールを受けたヒデの一瞬の縦パス…
抜け出した中山が相手GKの脇をすり抜ける左足の先制弾。
ヒデはすぐに線審の旗を確認。
クールな男は中山には抱き付かず自陣に引き上げた。
チャンスの数では圧倒的にイランだった。
それでもサッカーは分からない。
ダエイのFKを川口がキャッチできないほどボールが濡れている。
前半を見ていてひとつ気になるのが自由に制空権を使うダエイだった。
それが後半苦しめられた大きな要因だったが…
もし前半だけの試合だったらあの有名なシーンは中山の先制シーンとして語られたのだろう。
前半はたった1度の決定的なチャンスを活かした日本がスコアを動かした。
前半の速く高いプレッシャーは指揮官の狙いだった。
「相手も疲れてくる。交代はトップを2人代える可能性がある」
それがのちに指揮官が明かした試合のプランだったとは思いもしなかったが…
後半へ続く~