過去にJ1からJ2に降格してきた、いわば落ちこぼれは30クラブ(※1 99札幌は除く)。この30クラブにおいて1年でJ1に返り咲いたのはわずか11クラブ(※2 内訳は後述)。
降格してきた2クラブないし3クラブにおいて必ず1クラブは昇格している傾向だが04、09は1クラブも昇格していない。また3クラブ降格において1クラブも昇格できなかったことはない。

過去に降格した30クラブの各クール終了時点に傾向はあるのか?調べてみよう。


※1 厳密には99札幌もいるが当時のJリーグからJ2リーグに参入したこと、つうよりリーグ成績で自動ではなくまた当該クラブ間の入れ替え戦ではなく興行的な要素が強い複数クラブによる逆トーナメント戦(負け残り)で敗退し降格という異質な降格のため今回は対象外とする。
※2 12年までの30クラブのうち
00浦和、01京都、02C大阪、03広島、06柏、06神戸、07京都、08広島、10柏、11FC東京、12甲府
以上11クラブが1年でJ1に昇格している。わずか36.7%と少ない事例。必ずしも主力を引き留めたからといって我が物顔で制すことができるわけがない、それがJ2というリーグである。


では各シーズンにおける降格組の各クール(以後Cと略す)終了時の成績(06以降は注記の通り、00~04は各C11節)
00年40試合(全44節)
浦和
第1クール・23・85.2%(1)9試合
第2クール・45・78.9%(2)19試合
第3クール・64・71.1%(2)30試合
最終クール・82・68.3%(2)

湘南
第1クール・14・46.7%(6)10試合
第2クール・29・48.3%(5)20試合
第3クール・40・44.4%(6)30試合
最終クール・43・35.8%(8)


01年44試合
京都
第1クール・23・69.7%(2)11試合
第2クール・45・68.2%(2)22試合
第3クール・65・65.7%(1)33試合
最終クール・84・63.6%(1)

川崎F
第1クール・15・45.4%(8)11試合
第2クール・26・39.4%(9)22試合
第3クール・44・44.4%(8)33試合
最終クール・60・45.5%(7)


02年44試合
福岡
第1クール・19・57.6%(3)11試合
第2クール・28・42.4%(6)22試合
第3クール・37・37.4%(8)33試合
最終クール・42・31.8%(8)

C大阪
第1クール・18・54.5%(4)11試合
第2クール・42・63.6%(3)22試合
第3クール・66・66.7%(1)33試合
最終クール・87・65.9%(2)


03年44試合
広島
第1クール・31・93.9%(1)11試合
第2クール・48・72.7%(1)22試合
第3クール・63・63.6%(2)33試合
最終クール・86・65.2%(2)

札幌
第1クール・14・42.4%(7)11試合
第2クール・32・48.5%(5)22試合
第3クール・44・44.4%(6)33試合
最終クール・52・39.4%(9)


04年44試合
仙台
第1クール・13・39.4%(9)11試合
第2クール・30・45.5%(7)22試合
第3クール・47・47.5%(7)33試合
最終クール・59・44.7%(6)

京都
第1クール・13・39.4%(8)11試合
第2クール・31・47.0%(6)22試合
第3クール・49・49.5%(6)33試合
最終クール・69・52.3%(5)


06年48試合(全52節、各C13節)

第1クール・25・69.4%(1)12試合
第2クール・49・68.1%(1)24試合
第3クール・68・63.0%(2)36試合
最終クール・88・61.1%(2)

東京V
第1クール・21・63.6%(4)11試合
第2クール・33・45.8%(8)24試合
第3クール・49・45.4%(5)36試合
最終クール・71・49.3%(7)

神戸
第1クール・16・44.4%(7)12試合
第2クール・41・56.9%(4)24試合
第3クール・68・63.0%(1)36試合
最終クール・86・59.7%(3)


07年48試合(全52節、各C13節)
福岡
第1クール・24・66.7%(1)12試合
第2クール・40・55.6%(4)24試合
第3クール・56・51.9%(7)36試合
最終クール・73・50.7%(7)

C大阪
第1クール・15・41.7%(8)12試合
第2クール・31・43.1%(9)24試合
第3クール・58・53.7%(5)36試合
最終クール・80・55.6%(5)

京都
第1クール・20・55.6%(5)12試合
第2クール・44・62.5%(2)24試合
第3クール・66・61.1%(2)36試合
最終クール・86・59.7%(3)


08年42試合(全45節、各C11節と仮定し最終C12節)
広島
第11節・23・76.7%(1)10試合
第22節・48・80.0%(1)20試合
第33節・71・76.3%(1)31試合
最終クール・100・79.4%(1)

甲府
第11節・14・42.4%(9)11試合
第22節・22・55.0%(11)20試合
第33節・43・46.2%(8)31試合
最終クール・59・46.8%(7)

横浜FC
第11節・17・56.7%(5)10試合
第22節・28・44.4%(8)21試合
第33節・35・38.9%(10)30試合
最終クール・50・39.7%(10)


09年51試合(全51節、各C13節と仮定し最終C12節)
東京V
第13節・17・43.6%(9)13試合
第26節・43・55.1%(5)26試合
第39節・59・50.4%(7)39試合
最終クール・74・48.4%(7)

札幌
第13節・21・53.8%(7)13試合
第26節・37・47.4%(9)26試合
第39節・58・49.6%(8)39試合
最終クール・79・51.6%(6)

10年36試合(全38節、第1C &第3Cを10節と仮定し第2C &最終C9節)

第10節・23・85.2%(1)9試合
第19節・44・81.5%(1)18試合
第29節・65・77.4%(1)28試合
最終クール・80・74.1%(1)

大分
第10節・16・53.3%(4)10試合
第19節・19・35.2%(15)18試合
第29節・28・34.5%(16)27試合
最終クール・41・38.0%(15)

千葉
第10節・20・66.7%(2)10試合
第19節・32・59.3%(3)18試合
第29節・48・59.3%(4)27試合
最終クール・61・56.5%(4)


11年(全38節※、第1C &第3Cを10節と仮定し第2C &最終C9節)
震災による中止の影響により第1クールは16節(第10節相当)、第2クールは3節代替(第19節相当、札幌vs千葉のみ未消化)、第3クールは31節(第29節相当)とする。

FC東京
第16節・16・53.3%(8)10試合
第3節・38・66.7%(1)19試合
第31節・60・69.0%(1)29試合
最終クール・77・67.5%(1)

京都
第16節・8・26.7%(19)10試合
第3節・20・35.1%(16)19試合
第31節・34・39.1%(14)29試合
最終クール・58・50.9%(7)

湘南
第16節・18・60.0%(4)10試合
第3節・26・45.6%(10)19試合
第31節・41・47.1%(9)29試合
最終クール・46・40.4%(14)


12年(全42節※、第1C &第3Cを10節と仮定し第2C &最終C11節)

甲府
第10節・20・66.7%(3)
第21節・37・58.7%(6)
第31節・61・65.6%(1)
最終クール・86・68.3%(1)

山形
第10節・22・73.3%(2)
第21節・41・65.1%(1)
第31節・55・59.1%(4)
最終クール・61・48.4%(10)

福岡
第10節・14・46.7%(13)
第21節・27・42.9%(13)
第31節・37・39.8%(15)
最終クール・41・32.5%(18)

以上30クラブ。


まず第1クールの各成績をまとめる。
第1クール(一部仮定)勝ち点率ランキング
☆昇格クラブ
1広島・93.9%(03)☆
1浦和・85.2%(00)☆
1柏・85.2%(10)☆
1広島・76.7%(08)☆
2山形・73.3%(12)
2京都・69.7%(01)☆
1柏・69.4%(06)☆
1福岡・66.7%(07)
2千葉・66.7%(10)
3甲府・66.7%(12)☆
4東京V・63.6%(06)
4湘南・60.0%(11)
3福岡・57.6%(02)
5横浜FC・56.7%(08)
5京都・55.6%(07)☆
4C大阪・54.5%(02)☆
7札幌・53.8%(09)
4大分・53.3%(10)
8FC東京・53.3%(11)
6湘南・46.7%(00)
13福岡・46.7%(12)
8川崎・45.4%(01)
7神戸・44.4%(06)☆
9東京V・43.6%(09)
7札幌・42.4%(03)
9甲府・42.4%(08)
8C大阪・41.7%(07)
8京都・39.4%(04)
9仙台・39.4%(04)
19京都・26.7%(11)

こうまとめると7割がキー。それ以下だとかなり昇格は厳しく6割切ると3位以内が危ういのは当たり前、5割を切れば奇跡的だと言える。
過去の事例では06神戸が第1クール7位の44.4%から昇格(当時は入れ替え戦進出の3位だが)しているが現行では6位以内でプレーオフというかつての2位以内に比べればかなり甘めで厳しさはない。6位以内を目標とするあくまで第1Cとしては7割は稼ぎたいというだけでせめて5割以上は欲しいというだけだ。もちろん2位以内を目指すにはそんな甘い考えでは話しにならず7割は確保したいところ。
12甲府も7割未満ながら第3クールから安定。12山形は降格クラブでは初の7割以上からの失速。シーズンを通した安定はやはり欠かせない。第1Cでもうすでに覇気がない12福岡、こういうスタートでは巻き返しは難しい。
第1クールの2位は昇格できないジンクスもあり山形はまんまと脱落したわけだがよく言えば回避したというべきか。第1クールで6割前後だと全滅しているだけに6割では足りない、やはり7割は確保すべき。


第2クール(一部仮定)勝ち点率ランキング
☆昇格クラブ
1柏・81.5%(10)☆
1広島・80.0%(08)☆
2浦和・78.9%(00)☆
1広島・72.7%(03)☆
2京都・68.2%(01)☆
1柏・68.1%(06)☆
1FC東京・66.7%(11)☆
1山形・65.1%(12)
3C大阪・63.6%(02)☆
2京都・62.5%(07)☆
3千葉・59.3%(10)
6甲府・58.7%(12)☆
4神戸・56.9%(06)☆
4福岡・55.6%(07)
5東京V・55.1%(09)
11甲府・55.0%(08)
5札幌・48.5%(03)
5湘南・48.3%(00)
9札幌・47.4%(09)
6京都・47.0%(04)
8東京V・45.8%(06)
10湘南・45.6%(11)
7仙台・45.5%(04)
8横浜FC・44.4%(08)
9C大阪・43.1%(07)
13福岡・42.9%(12)
6福岡・42.4%(02)
9川崎F・39.4%(01)
15大分・35.2%(10)
16京都・35.1%(11)

ご覧のように第2クール6割以上キープは必須、6割ない10千葉以下では06神戸しか昇格例はなかったが12甲府が果たし、逆に6割以上ではこれまた降格クラブ史上初の失速となった12山形。
第2クールはわかりやすく06神戸の56.9%がノルマ。2013シーズンに換算すると35.847≠勝ち点36となる。つまり21試合で勝ち点36稼げということ。これは2012シーズンだと7位京都までがクリア。山形のような失速は珍事だが第2クールで首位に立ちながら後半戦失速するような失態はあってはならない。あくまで前半戦も後半戦も気持ちは同じで、目標を共有し勝ち続けないと。

第3クール(一部仮定)勝ち点率ランキング
☆昇格クラブ
1柏・77.4%(10)☆
1広島・76.3%(08)☆
2浦和・71.1%(00)☆
1FC東京・69.0%(11)☆
1C大阪・66.7%(02)☆
1京都・65.7%(01)☆
1甲府・65.6%(12)☆
2広島・63.6%(03)☆
2柏・63.0%(06)☆
1神戸・63.0%(06)☆
2京都・61.1%(07)☆
4千葉・59.3%(10)
4山形・59.1%(12)
5C大阪・53.7%(07)
7福岡・51.9%(07)
7東京V・50.4%(09)
8札幌・49.6%(09)
6京都・49.5%(04)
7仙台・47.5%(04)
9湘南・47.1%(11)
8甲府・46.2%(08)
5東京V・45.4%(06)
6湘南・44.4%(00)
8川崎F・44.4%(01)
6札幌・44.4%(03)
15福岡・39.8%(12)
14京都・39.1%(11)
10横浜FC・38.9%(08)
8福岡・37.4%(02)
16大分・34.5%(10)

補足することは第2クールでほとんど書いてありラインは明白になっている。6割以上。これは第3クールは鉄則らしい。


第4クール(一部仮定)勝ち点率ランキング

☆昇格クラブ
1広島・79.4%(08)☆
1柏・74.1%(10)☆
2浦和・68.3%(00)☆
1甲府・68.3%(12)☆
1FC東京・67.5%(11)☆
2C大阪・65.9%(02)☆
2広島・65.2%(03)☆
1京都・63.6%(01)☆
2柏・61.1%(06)☆
3神戸・59.7%(06)☆
3京都・59.7%(07)☆
4千葉・56.5%(10)
5C大阪・55.6%(07)
5京都・52.3%(04)
6札幌・51.6%(09)
7京都・50.9%(11)
7福岡・50.7%(07)
7東京V・49.3%(06)
7東京V・48.4%(09)
10山形・48.4%(12)
7甲府・46.8%(08)
7川崎F・45.5%(01)
6仙台・44.7%(04)
14湘南・40.4%(11)
10横浜FC・39.7%(08)
9札幌・39.4%(03)
15大分・38.0%(10)
8湘南・35.8%(00)
18福岡・32.5%(12)
8福岡・31.8%(02)

第3クールで勝ち点は高騰しやすくややダウンしてフィニッシュするのがJ2の特徴。降格クラブの最終ノルマはやはり6割。2013シーズンだと75.6≠勝ち点76は確保しないとならない。なおこの勝ち点76は2012シーズンだと2位湘南ですら達してはいないのだが。

2013シーズン、このデータに挑戦するのは
神戸、G大阪、札幌
言わずもがなG大阪の破格の数値を期待するJリーグファンは多いでしょう。もちろん私もG大阪には破格のデータを期待しますが、その他21クラブは簡単に許してはつまらない。
いざバトルJ2。

G大阪に好きにさせてはつまらない、泣きべそかかせてやりましょう(大抵のクラブは泣かされそうだけど)。