過去にJ1からJ2に降格してきた、いわば落ちこぼれは27クラブ(※1 99札幌は除く)。このうち昨年までの24クラブにおいて1年でJ1に返り咲いたのはわずか9クラブ(※2 内訳は後述)。
降格してきた2クラブないし3クラブにおいて必ず1クラブは昇格している傾向だが04、09は1クラブも昇格していない。また3クラブ降格において1クラブも昇格できなかったことはない。

過去に降格した24クラブの各クール終了時点に2011年の3クラブ(FC東京、京都、湘南)のような傾向はあるのか?調べてみよう。


※1 厳密には99札幌もいるが当時のJリーグからJ2リーグに参入したこと、つうよりリーグ成績で自動ではなくまた当該クラブ間の入れ替え戦ではなく興行的な要素が強い複数クラブによる逆トーナメント戦(負け残り)で敗退し降格というカタチのため今回は対象外とする。
※2 10年までの24クラブのうち
00浦和、01京都、02C大阪、03広島、06柏、06神戸、07京都、08広島、10柏
以上9クラブが1年でJ1に昇格している。わずか37.5%と少ない事例。必ずしも主力を引き留めたからといって我が物顔で制すことができるわけがない、それがJ2というリーグである。


では各シーズンにおける降格組の各クール(以後Cと略す)終了時の成績(06以降は注記の通り、00~04は各C11節)
00年40試合(全44節)
浦和
第1クール・23・85.2%(1)9試合
第2クール・45・78.9%(2)19試合
第3クール・64・71.1%(2)30試合
最終クール・82・68.3%(2)

湘南
第1クール・14・46.7%(6)10試合
第2クール・29・48.3%(5)20試合
第3クール・40・44.4%(6)30試合
最終クール・43・35.8%(8)


01年44試合
京都
第1クール・23・69.7%(2)11試合
第2クール・45・68.2%(2)22試合
第3クール・65・65.7%(1)33試合
最終クール・84・63.6%(1)

川崎F
第1クール・15・45.4%(8)11試合
第2クール・26・39.4%(9)22試合
第3クール・44・44.4%(8)33試合
最終クール・60・45.5%(7)


02年44試合
福岡
第1クール・19・57.6%(3)11試合
第2クール・28・42.4%(6)22試合
第3クール・37・37.4%(8)33試合
最終クール・42・31.8%(8)

C大阪
第1クール・18・54.5%(4)11試合
第2クール・42・63.6%(3)22試合
第3クール・66・66.7%(1)33試合
最終クール・87・65.9%(2)


03年44試合
広島
第1クール・31・93.9%(1)11試合
第2クール・48・72.7%(1)22試合
第3クール・63・63.6%(2)33試合
最終クール・86・65.2%(2)

札幌
第1クール・14・42.4%(7)11試合
第2クール・32・48.5%(5)22試合
第3クール・44・44.4%(6)33試合
最終クール・52・39.4%(9)


04年44試合
仙台
第1クール・13・39.4%(9)11試合
第2クール・30・45.5%(7)22試合
第3クール・47・47.5%(7)33試合
最終クール・59・44.7%(6)

京都
第1クール・13・39.4%(8)11試合
第2クール・31・47.0%(6)22試合
第3クール・49・49.5%(6)33試合
最終クール・69・52.3%(5)


06年48試合(全52節、各C13節)

第1クール・25・69.4%(1)12試合
第2クール・49・68.1%(1)24試合
第3クール・68・63.0%(2)36試合
最終クール・88・61.1%(2)

東京V
第1クール・21・63.6%(4)11試合
第2クール・33・45.8%(8)24試合
第3クール・49・45.4%(5)36試合
最終クール・71・49.3%(7)

神戸
第1クール・16・44.4%(7)12試合
第2クール・41・56.9%(4)24試合
第3クール・68・63.0%(1)36試合
最終クール・86・59.7%(3)


07年48試合(全52節、各C13節)
福岡
第1クール・24・66.7%(1)12試合
第2クール・40・55.6%(4)24試合
第3クール・56・51.9%(7)36試合
最終クール・73・50.7%(7)

C大阪
第1クール・15・41.7%(8)12試合
第2クール・31・43.1%(9)24試合
第3クール・58・53.7%(5)36試合
最終クール・80・55.6%(5)

京都
第1クール・20・55.6%(5)12試合
第2クール・44・62.5%(2)24試合
第3クール・66・61.1%(2)36試合
最終クール・86・59.7%(3)


08年42試合(全45節、各C11節と仮定し最終C12節)
広島
第11節・23・76.7%(1)10試合
第22節・48・80.0%(1)20試合
第33節・71・76.3%(1)31試合
最終クール・100・79.4%(1)

甲府
第11節・14・42.4%(9)11試合
第22節・22・55.0%(11)20試合
第33節・43・46.2%(8)31試合
最終クール・59・46.8%(7)

横浜FC
第11節・17・56.7%(5)10試合
第22節・28・44.4%(8)21試合
第33節・35・38.9%(10)30試合
最終クール・50・39.7%(10)


09年51試合(全51節、各C13節と仮定し最終C12節)
東京V
第13節・17・43.6%(9)13試合
第26節・43・55.1%(5)26試合
第39節・59・50.4%(7)39試合
最終クール・74・48.4%(7)

札幌
第13節・21・53.8%(7)13試合
第26節・37・47.4%(9)26試合
第39節・58・49.6%(8)39試合
最終クール・79・51.6%(6)

10年36試合(全38節、第1C &第3Cを10節と仮定し第2C &最終C9節)

第10節・23・85.2%(1)9試合
第19節・44・81.5%(1)18試合
第29節・65・77.4%(1)28試合
最終クール・80・74.1%(1)

大分
第10節・16・53.3%(4)10試合
第19節・19・35.2%(15)18試合
第29節・28・34.5%(16)27試合
最終クール・41・38.0%(15)

千葉
第10節・20・66.7%(2)10試合
第19節・32・59.3%(3)18試合
第29節・48・59.3%(4)27試合
最終クール・61・56.5%(4)


11年(全38節、第1C &第3Cを10節と仮定し第2C &最終C9節)
FC東京
第16節・16・53.3%(8)10試合
第3節・・.%()試合
第31節・・.%()試合
最終クール・・.%()

京都
第16節・8・26.7%(19)10試合
第3節・・.%()試合
第31節・・.%()試合
最終クール・・.%()

湘南
第16節・18・60.0%(4)10試合
第3節・・.%()試合
第31節・・.%()試合
最終クール・・.%()


以上27クラブ。
まず第1クールの各成績をまとめる。
第1クール(一部仮定)勝ち点率ランキング
☆昇格クラブ
1広島・93.9%(03)☆
1浦和・85.2%(00)☆
1柏・85.2%(10)☆
1広島・76.7%(08)☆
2京都・69.7%(01)☆
1柏・69.4%(06)☆
1福岡・66.7%(07)
2千葉・66.7%(10)
4東京V・63.6%(06)
4湘南・60.0%(11)
3福岡・57.6%(02)
5横浜FC・56.7%(08)
5京都・55.6%(07)☆
4C大阪・54.5%(02)☆
7札幌・53.8%(09)
4大分・53.3%(10)
8FC東京・53.3%(11)
6湘南・46.7%(00)
8川崎・45.4%(01)
7神戸・44.4%(06)☆
9東京V・43.6%(09)
7札幌・42.4%(03)
9甲府・42.4%(08)
8C大阪・41.7%(07)
8京都・39.4%(04)
9仙台・39.4%(04)
19京都・26.7%(11)

こうまとめると7割がキー。それ以下だとかなり昇格は厳しく6割切ると3位以内が危ういのは当たり前、5割を切れば奇跡的だと言える。
過去の事例では06神戸が第1クール7位の44.4%から昇格(当時は入れ替え戦進出の3位だが)しており11FC東京も多少は可能性を有するがここからの巻き返しは一つの負け、引き分けが命取り。京都に至っては絶望的としか言えまい、ここから逆転昇格するならばJ2もかなりレベルが低いと言える。
第1クールの2位は昇格できないジンクスもあり湘南はよく言えば回避したというべきか。第1クールで6割前後だと全滅しているだけに昇格を果たせば6割前後で初の事例になる。


第2クール(一部仮定)勝ち点率ランキング
☆昇格クラブ
1柏・81.5%(10)☆
1広島・80.0%(08)☆
2浦和・78.9%(00)☆
1広島・72.7%(03)☆
2京都・68.2%(01)☆
1柏・68.1%(06)☆
3C大阪・63.6%(02)☆
2京都・62.5%(07)☆
3千葉・59.3%(10)
4神戸・56.9%(06)☆
4福岡・55.6%(07)
5東京V・55.1%(09)
11甲府・55.0%(08)
5札幌・48.5%(03)
5湘南・48.3%(00)
9札幌・47.4%(09)
6京都・47.0%(04)
8東京V・45.8%(06)
7仙台・45.5%(04)
8横浜FC・44.4%(08)
9C大阪・43.1%(07)
6福岡・42.4%(02)
9川崎F・39.4%(01)
15大分・35.2%(10)

ご覧のように第2クール6割以上キープは必須、6割ない10千葉以下では06神戸しか昇格例はない。
11年はあと2節で第2クール終了(代替第3節まで)、ヴェルディは17試合、勝ち点25の現時点で49.0%、仮に2連勝で54.3%と6割には満たせない。当たり前だが降格組では湘南、京都も第2クール6割は満たせない。FC東京は次節の代替第3節に負けても6割はキープとなり昇格ジンクスをクリアする。

第3クール(一部仮定)勝ち点率ランキング
☆昇格クラブ
1柏・77.4%(10)☆
1広島・76.3%(08)☆
2浦和・71.1%(00)☆
1C大阪・66.7%(02)☆
1京都・65.7%(01)☆
2広島・63.6%(03)☆
2柏・63.0%(06)☆
1神戸・63.0%(06)☆
2京都・61.1%(07)☆
4千葉・59.3%(10)
5C大阪・53.7%(07)
7福岡・51.9%(07)
7東京V・50.4%(09)
8札幌・49.6%(09)
6京都・49.5%(04)
7仙台・47.5%(04)
8甲府・46.2%(08)
5東京V・45.4%(06)
6湘南・44.4%(00)
8川崎F・44.4%(01)
6札幌・44.4%(03)
10横浜FC・38.9%(08)
8福岡・37.4%(02)
16大分・34.5%(10)

補足することは第2クールでほとんど書いてありラインは明白になっている。


第4クール(一部仮定)勝ち点率ランキング
☆昇格クラブ
1広島・79.4%(08)☆
1柏・74.1%(10)☆
2浦和・68.3%(00)☆
2C大阪・65.9%(02)☆
2広島・65.2%(03)☆
1京都・63.6%(01)☆
2柏・61.1%(06)☆
3神戸・59.7%(06)☆
3京都・59.7%(07)☆
4千葉・56.5%(10)
5C大阪・55.6%(07)
5京都・52.3%(04)
6札幌・51.6%(09)
7福岡・50.7%(07)
7東京V・49.3%(06)
7東京V・48.4%(09)
7甲府・46.8%(08)
7川崎F・45.5%(01)
6仙台・44.7%(04)
10横浜FC・39.7%(08)
9札幌・39.4%(03)
15大分・38.0%(10)
8湘南・35.8%(00)
8福岡・31.8%(02)

第3クールで勝ち点は高騰しやすくややダウンしてフィニッシュするのがJ2の特徴。



11年の降格組3クラブの傾向はどうなのか?
FC東京
第16節・16・53.3%(8)10試合
第3節・・.%()19試合
第31節・・.%()29試合
最終クール・・.%()
第3節までに6割以上はキープしたFC東京、そもそも6割なんて眼中になく開幕前の社長の発言では10割を目標にしていたクラブ、北九州のように金星を挙げるクラブも後半増えたら滑稽だ。第1クールが低迷し第2クールで昇格圏に浮上したクラブだと07京都くらい。最も07京都は第1クール5位からであり8位から浮上したFC東京は本来のポテンシャルをようやく発揮しただけ。ジンクス的には昇格は充分可能なわけだが再三触れたようにJ2はこれからが甘くない。

京都
第16節・8・26.7%(19)10試合
第3節・・.%()19試合
第31節・・.%()29試合
最終クール・・.%()
降格組のなかで第1クール史上最弱であり第2クールに入っても浮上の兆しは見えないという史上稀に見る低迷ぶりの京都。はっきり言ってしまえば今期は絶望。それでも開幕前昇格候補に挙がった意地を後半戦見せてくれないと盛り上がらない。

湘南
第16節・18・60.0%(4)10試合
第3節・・.%()19試合
第31節・・.%()29試合
最終クール・・.%()
第1クールで昇格を視野に入れながらズルズルと順位を下げていくパターンは散見できる(06東京V、08横浜FC、10大分)。このパターンで昇格した事例はなく巻き返しは苦しい。首位千葉を退治したような上位キラーぶりを空気読んでやってくれれば有り難い(ヴェルディ相手にはやらないでほしい苦笑)


昨日北九州がFC東京を黙らせた。まだ試合見てないがヤスサッカーはここまで強いのかと驚く。
東京vs九州、同じ構図だがヴェルディは大分に負けていられない。勝つしかない。