4クール時代から続くJ2にまつわるジンクス。それは次の3つだ。
『J2第1クール首位は昇格する』
『J2第1クール2位は昇格出来ない』
『J2第2クール上位2チームは必ず昇格する』

これをなんとか生かしたいと考え改めた。そもそも4クール、3クールに加え奇数クラブの時の消化試合数の差はかなりある。一概に比較すると数値的な不公平さが出てしまうが、これは今に始まった話ではない。

さて2010年から2クール制になり第1クールが4クール制時代の第2クールまでにあたる。そのためジンクスデータを改編し、前半戦終了時、全日程終了時のデータしか使用出来ず。だが2010シーズンは2クールながら4クール制時代の試合数と近い試合数であり3クール制も試合数は近い(とはいえ最大15試合、1クールに4試合ほど消化試合数は合わない)、3クールを無理矢理4クールに見立てると第2クール途中で前半戦が終わるため不公平窮まりない。最も3クール自体が不公平リーグなのだが。

つまり無理矢理4クール制でのデータを集計してみようと思う。
例えば45節、1チーム42試合あった08年J2と51試合あった09年J2は当然3クールであり2や4で割り切れる数値ではない。無理矢理4クールに合わせると数値的な信憑性には欠けるのは間違いない。昨年までは3クールまでのデータで見てきたが08年を4クールと見立てると1クール11.25節となる。
私の解釈は二通り。
(1)11節は終えているから12節のデータを使う。以下24節を2クール終了、36節を3クール終了とし36~45節までを第4クールとする。
とすると最終クールは消化試合数が極端に減るため
(2)08年は割り切れない端数を最終クールに含み11節までとする(第1クールを11節、第3クールを33節とし最終第4クールは34~45節の12節)
とする。
一方、09年の51節は(2)にするよりも(1)の13節、26節、39節、51節とやはり最終クール(12試合)のみ試合数は違うがバランスは良いのでこちらで仮定する。
10年は(2)の変則とし10節、19節、29節、38節とする。11年も同様となる。

過去の記録を参照にジンクスを見つけよう。

以下各年度の各クール終了時における首位と2位、3位である。
99年(以下左から首位、2位、3位)
第1クール新潟、大分、FC東京
第2クールFC東京、川崎、大分
第3クールFC東京、川崎、大分
最終順位川崎、FC東京、大分

00年
第1クール浦和※、札幌※、大分
第2クール札幌※、浦和※、大宮
第3クール札幌、浦和、大分
最終順位札幌、浦和、大分
※他クラブより1試合未消化。

01年
第1クール仙台、京都、大宮
第2クール大宮、京都、大分
第3クール京都、大宮、大分
最終順位京都、仙台、山形

02年
第1クール大分、川崎、福岡
第2クール大分、新潟、C大阪
第3クールC大阪、大分、新潟
最終順位大分、C大阪、新潟

03年
第1クール広島、水戸、新潟
第2クール広島、新潟、川崎
第3クール新潟、広島、川崎
最終順位新潟、広島、川崎

04年
第1クール川崎、山形、福岡
第2クール川崎、大宮、甲府
第3クール川崎、大宮、福岡
最終順位川崎、大宮、福岡

05年
第1クール京都、山形、福岡
第2クール京都、福岡、札幌
第3クール京都、福岡、山形
最終順位京都、福岡、甲府

06年
第1クール柏、仙台、横浜FC
第2クール柏、横浜FC、仙台
第3クール神戸、柏、横浜FC
最終順位横浜FC、柏、神戸
※第1クールは横浜FCが東京V戦未消化

07年
第1クール福岡、山形、札幌
第2クール札幌、京都、仙台
第3クール札幌、京都、仙台
最終順位札幌、東京V、京都

08年(全45節、第1クールは11節、第2クールは22節、第3クールは33節と仮定します)
参考
第1クール広島、C大阪、仙台
第2クール広島、山形、鳥栖

第11節広島、C大阪、湘南
第22節広島、山形、C大阪
第33節広島、山形、湘南
最終順位広島、山形、仙台

09年(全51節、第1クールは13節、第2クールは26節、第3クールは39節と仮定とします)
参考
第1クールC大阪、湘南、仙台
第2クールC大阪、仙台、湘南


第13節湘南、C大阪、仙台
第26節湘南、C大阪、仙台
第39節C大阪、仙台、湘南
最終順位仙台、C大阪、湘南


10年(全38節、第1クールは10節、第2クールは19節、第3クールは29節と仮定とします)
参考
第1クール柏、甲府、千葉
最終順位柏、甲府、福岡

第10節柏、千葉、甲府
第19節柏、甲府、千葉
第29節柏、甲府、福岡
最終順位柏、甲府、福岡


11年(全38節、第1クールは10節、第2クールは19節、第3クールは29節と仮定とします)
参考
第1クール、、
最終順位、、

第10節、、
第19節、、
第29節、、
最終順位、、



4クールに無理矢理、仮定したため強引に仮定したジンクスにはなる。

第1クール1位12クラブ中10クラブ・83.3%
第1クール2位12クラブ中4クラブ・33.3%
第1クール3位以内36クラブ中23クラブ・63.9%
第1クールにおいては首位は相変わらず無類の昇格率を見せる、10柏はこのジンクスを得て勝てない時期もあったが4試合を残して昇格を決めた。一方で2位は02年から08年までは7年連続昇格を逃すという嫌なジンクスぶり、千葉は09C大阪に続けられず8クラブ目の失態。その2位の影響か第1クール3位以内ならばやや優位程度、千葉は13クラブ目の失態となった。
いずれにせよ、やはり第1クール首位で勢いよくスタートダッシュしたい。

第2クール2位以内24クラブ中23クラブ・95.8%
第2クール3位12クラブ中4クラブ・33.3%
第2クール3位以内36クラブ中27クラブ・75.0%
第2クールにおいては2位以内に入ればほぼ昇格決定。唯一昇格を逃した01大宮は混戦の団子レースではこうなることもあるだろう。一方3位は第1クール2位と同率。鬼門となるが3位以内だとそれでも7割強、ただ2位以内を目指したいのは間違いない。ややデータ的に呪われていた10千葉が、まんまと具現するとは…。


第3クール2位以内24クラブ中23クラブ・95.8%
第3クール3位以内36クラブ中31クラブ・86.1%
第3クールになれば高い昇格率を誇る。第3クールで3位以内に入りラストスパートは、より負けられないことは当たり前だがジンクスの後押しで、より優位に戦いたい。10福岡は強力なジンクス(8割以上昇格)が援護してくれたのか。一方千葉は呪縛に打ち勝てず。


次に各年度の上位3クラブの内枠(各クール毎)を見てみると
99年36試合()内は順位
川崎
第1クール・勝ち点12・44.4%(6)
第2クール・36・66.7%(2)
第3クール・54・66.7%(2)
最終クール・73・67.6%(1)

FC東京
第1クール・17・63.0%(3)
第2クール・37・68.5%(1)
第3クール・55・67.9%(1)
最終クール・64・59.3%(2)

大分
第1クール・20・74.1%(2)
第2クール・35・64.8%(3)
第3クール・46・56.8%(3)
最終クール・63・58.3%(3)

00年40試合
札幌
※第1クール・21・77.8%(2)
※第2クール・50・87.7%(1)
第3クール・72・80.0%(1)
最終クール・94・78.3%(1)

浦和
※第1クール・23・85.2%(1)
※第2クール・45・78.9%(2)
第3クール・64・71.1%(2)
最終クール・82・68.3%(2)

大分
第1クール・19・63.3%(3)
第2クール・35・58.3%(4)
第3クール・59・65.6%(3)
最終クール・81・67.5%(3)
※札幌vs浦和戦未消化のため11節、22節までとさせて戴きます。

01年44試合
京都
第1クール・23・69.7%(2)
第2クール・45・68.2%(2)
第3クール・65・65.7%(1)
最終クール・84・63.6%(1)

仙台
第1クール・23・69.7%(1)
第2クール・41・62.1%(4)
第3クール・61・61.6%(4)
最終クール・83・62.9%(2)

山形
第1クール・18・54.5%(5)
第2クール・32・48.5%(7)
第3クール・58・58.6%(5)
最終クール・80・60.6%(3)

02年44試合
大分
第1クール・28・84.8%(1)
第2クール・51・77.3%(1)
第3クール・66・66.7%(2)
最終クール・94・71.2%(1)

C大阪
第1クール・18・54.5%(4)
第2クール・42・63.6%(3)
第3クール・66・66.7%(1)
最終クール・87・65.9%(2)

新潟
第1クール・18・54.5%(5)
第2クール・44・66.7%(2)
第3クール・65・65.7%(3)
最終クール・82・62.1%(3)

03年44試合
新潟
第1クール・19・57.6%(3)
第2クール・43・65.2%(2)
第3クール・69・69.7%(1)
最終クール・88・66.7%(1)

広島
第1クール・31・93.9%(1)
第2クール・48・72.7%(1)
第3クール・63・63.6%(2)
最終クール・86・65.2%(2)

川崎
第1クール・16・48.5%(6)
第2クール・41・62.1%(3)
第3クール・59・59.6%(3)
最終クール・85・64.4%(3)

04年44試合
川崎
第1クール・27・81.8%(1)
第2クール・57・86.4%(1)
第3クール・81・81.8%(1)
最終クール・105・79.5%(1)

大宮
第1クール・15・45.5%(6)
第2クール・35・53.0%(2)
第3クール・54・54.5%(2)
最終クール・87・65.9%(2)

福岡
第1クール・18・54.5%(3)
第2クール・34・51.5%(4)
第3クール・52・52.5%(3)
最終クール・76・57.6%(3)

05年44試合
京都
第1クール・29・87.9%(1)
第2クール・54・81.8%(1)
第3クール・72・72.7%(1)
最終クール・97・73.5%(1)

福岡
第1クール・18・54.5%(3)
第2クール・36・54.5%(2)
第3クール・58・58.6%(2)
最終クール・78・59.1%(2)

甲府
第1クール・18・54.5%(4)
第2クール・30・45.5%(6)
第3クール・49・49.5%(4)
最終クール・69・52.3%(3)

06年48試合
横浜FC
※第1クール・22・66.7%(3)
第2クール・44・61.1%(2)
第3クール・67・62.0%(3)
最終クール・93・64.6%(1)


第1クール・25・69.4%(1)
第2クール・49・68.1%(1)
第3クール・68・63.0%(2)
最終クール・88・61.1%(2)

神戸
第1クール・16・44.4%(7)
第2クール・41・56.9%(4)
第3クール・68・63.0%(1)
最終クール・86・59.7%(3)
※ヴェルディvs横浜FC戦未消化の13節までとさせて戴きます。

07年48試合
札幌
第1クール・24・66.7%(3)
第2クール・51・70.8%(1)
第3クール・72・66.7%(1)
最終クール・91・63.2%(1)

東京V
第1クール・13・36.1%(7)
第2クール・39・54.2%(5)
第3クール・59・54.6%(4)
最終クール・89・61.8%(2)

京都
第1クール・20・55.6%(5)
第2クール・44・62.5%(2)
第3クール・66・61.1%(2)
最終クール・86・59.7%(3)

08年42試合(全45節、第1クールは11節、第2クールは22節、第3クールは33節と仮定します)
広島・参考
第1クール・32・76.2%(1)
第2クール・65・77.4%(1)

第11節・23・76.7%(1)10試合
第22節・48・80.0%(1)20試合
第33節・71・76.3%(1)31試合
最終クール・100・79.4%(1)

山形・参考
第1クール・22・52.4%(7)
第2クール・50・59.5%(2)

第11節・15・50.0%(7)10試合
第22節・38・60.3%(2)21試合
第33節・57・61.3%(2)31試合
最終クール・78・61.9%(2)

仙台・参考
第1クール・26・61.9%(3)
第2クール・45・53.6%(5)

第11節・16・53.3%(6)10試合
第22節・34・56.7%(5)20試合
第33節・46・51.1%(6)30試合
最終クール・70・55.6%(3)

09年51試合(第1クールは13節、第2クールは26節、第3クールは39節と仮定とします)

仙台・参考
第1クール・35・68.5%(3)
第2クール・66・64.7%(2)

第13節・28・71.8%(3)
第26節・51・65.4%(3)
第39節・76・65.0%(2)
最終クール・106・69.3%(1)

C大阪・参考
第1クール・41・80.4%(1)
第2クール・68・66.7%(1)

第13節・29・74.4%(2)
第26節・56・71.8%(2)
第39節・78・66.7%(1)
最終クール・104・68.0%(2)

湘南・参考
第1クール・39・76.5%(2)
第2クール・66・64.7%(3)

第13節・31・79.5%(1)
第26節・57・73.1%(1)
第39節・75・64.1%(3)
最終クール・98・64.1%(3)

10年36試合(第1クールは10節、第2クールは19節、第3クールは29節と仮定とします)


第10節・23・85.2%(1)
第19節・44・81.5%(1)
第29節・65・77.4%(1)
最終クール・80・74.1%(1)

甲府
第10節・19・70.4%(3)
第19節・40・74.1%(2)
第29節・57・67.9%(1)
最終クール・70・64.8%(2)

福岡
第10節・10・37.0%(14)
第19節・30・55.6%(4)
第29節・49・60.5%(3)
最終クール・69・63.9%(3)


11年38試合(第1クールは10節、第2クールは19節、第3クールは29節と仮定とします)


第10節・・.%()
第19節・・.%()
第29節・・.%()
最終クール・・.%()


第10節・・.%()
第19節・・.%()
第29節・・.%()
最終クール・・.%()


第10節・・.%()
第19節・・.%()
第29節・・.%()
最終クール・・.%()


各クラブの第1クールを見てみると
03広島・93.9%(1)
05京都・87.9%(1)
00浦和・85.2%(1)
10柏・85.2%(1)
02大分・84.8%(1)
04川崎・81.8%(1)
09湘南・79.5%(1)
00札幌・77.8%(2)
08広島・76.7%(1)
09C大阪・74.4%(2)
99大分・74.1%(2)
09仙台・71.8%(3)
10甲府・70.4%(3)
01京都・69.7%(2)
01仙台・69.7%(1)
06柏・69.4%(1)
06横浜FC・66.7%(3)
07札幌・66.7%(3)
00大分・63.3%(3)
99FC東京・63.0%(3)
03新潟・57.6%(3)
07京都・55.6%(5)
01山形・54.5%(5)
02C大阪・54.5%(4)
02新潟・54.5%(5)
04福岡・54.5%(3)
05福岡・54.5%(3)
05甲府・54.5%(4)
08仙台・53.3%(6)
08山形・50.0%(7)
03川崎・48.5%(6)
04大宮・45.5%(6)
99川崎・44.4%(6)
06神戸・44.4%(7)
10福岡・37.0%(14)
07東京V・36.1%(7)

単純なボーダーラインは第1クール7割あれば3位以内には入れるということ。
また最低でも挽回するのに7位以上が必要である。14位だが10福岡は勝ち点率ではワーストでもないし参考にならない逆転だと思う。
第1クールとはいえ07ヴェルディ、よくこんな勝ち点率から昇格したなと感動。そしてそのヴェルディより勝ち点率こそ高いが14位から3位まで浮上した10福岡もすげーなと思う。
どちらにしても第1クール好スタートが重要であることを改めて思い知らされるデータです。