前半戦を折り返すにあたりどの程度の成績が最終順位に向けたクリアラインか、を調べる。
つまりはクリアラインを満たしたクラブこそ優勝を果たし、残留を成し遂げる。勝ち点の高騰した08年も例外ではない。優勝争いに関しては…

勝ち点率とは
試合数×勝ち点3=最多勝ち点
各クラブ勝ち点÷最多勝ち点=勝ち点率

05年~10年までの6年間の年間成績1位で前半戦での優勝、降格の最低ラインを調べよう。
17節終了の記号は☆:年間優勝、▽:降格を表す(▼は入替戦による降格、▲は入替戦による残留)。

05年・年間試合34
17節終了最高勝ち点51・クラブ勝ち点・勝ち点率
1鹿島・36・70.6%
2G大阪・32・62.7%☆
3磐田・28・54.9%
4浦和・26・51.0%
5横浜FM・26・51.0%
6広島・25・49.0%
7千葉・24・47.1%
8名古屋・24・47.1%
9大宮・24・47.1%
10C大阪・23・45.1%
11清水・21・41.2%
12川崎・21・41.2%
13FC東京・20・39.2%
14新潟・20・39.2%
15柏・18・35.3%▼
16大分・18・35.3%
17東京V・16・31.4%▽
18神戸・11・21.6%▽

年間成績最高勝ち点102・クラブ勝ち点・勝ち点率
1G大阪・60・58.8%
2浦和・59・57.8%
3鹿島・59・57.8%
4千葉・59・57.8%
5C大阪・59・57.8%
6磐田・51・50.0%
7広島・50・49.0%
8川崎・50・49.0%
9横浜FM・48・47.1%
10FC東京・47・46.1%
11大分・43・42.2%
12新潟・42・41.2%
13大宮・41・40.2%
14名古屋・39・38.2%
15清水・39・38.2%
16柏・35・34.3%
17東京V・30・29.4%
18神戸・21・20.6%


06年・年間試合34
17節終了最高勝ち点51・クラブ勝ち点・勝ち点率
1浦和・36・70.6%☆
2G大阪・36・70.6%
3川崎・35・68.6%
4鹿島・32・62.7%
5清水・31・60.0%
6千葉・29・56.9%
7大分・27・52.9%
8大宮・26・51.0%
9磐田・24・47.1%
10横浜FM・23・45.1%
11新潟・23・45.1%
12FC東京・21・41.2%
13名古屋・20・39.2%
14甲府・18・35.3%
15広島・16・31.4%
16福岡・11・21.6%▼
17京都・11・21.6%▽
18C大阪・6・11.8%▽

年間成績最高勝ち点102・クラブ勝ち点・勝ち点率
1浦和・72・70.6%
2川崎・67・65.7%
3G大阪・66・64.7%
4清水・60・58.8%
5磐田・58・56.9%
6鹿島・58・56.9%
7名古屋・48・47.1%
8大分・47・46.1%
9横浜FM・45・44.1%
10広島・45・44.1%
11千葉・44・43.1%
12大宮・44・43.1%
13FC東京・43・42.2%
14新潟・42・41.2%
15甲府・42・41.2%
16福岡・27・26.5%
17C大阪・27・26.5%
18京都・22・21.6%


07年・年間試合34
17節終了最高勝ち点51・クラブ勝ち点・勝ち点率(※浦和、広島は1試合未消化)
1G大阪・38・74.5%
2浦和・33・68.8%
3鹿島・30・58.8%☆
4新潟・29・56.9%
5磐田・28・54.9%
6柏・26・51.0%
7川崎・25・49.0%
8清水・25・49.0%
9横浜FM・23・45.1%
10神戸・23・45.1%
11名古屋・22・43.1%
12広島・22・45.8%※▼
13FC東京・20・39.2%
14甲府・17・33.3%▽
15大宮・16・31.4%
16千葉・16・31.4%
17大分・16・31.4%
18横浜FC・10・19.6%▽
※広島の算出においてこれまで22÷(17×3)で計算した43.1%と誤記してました。1試合未消化のため22÷(16×3)により45.8%と訂正します。

年間成績最高勝ち点102・クラブ勝ち点・勝ち点率
1鹿島・72・70.6%
2浦和・70・68.6%
3G大阪・67・65.7%
4清水・61・59.8%
5川崎・54・52.9%
6新潟・51・50.0%
7横浜FM・50・49.0%
8柏・50・49.0%
9磐田・49・48.0%
10神戸・47・46.1%
11名古屋・45・44.1%
12FC東京・45・44.1%
13千葉・42・41.2%
14大分・41・40.2%
15大宮・35・34.3%
16広島・32・31.4%
17甲府・27・26.5%
18横浜FC・16・15.7%


08年・年間試合34
17節終了最高勝ち点51・クラブ勝ち点・勝ち点率
1浦和・32・62.7%
2鹿島・31・60.8%☆
3柏・29・56.9%
4G大阪・29・56.9%
5名古屋・29・56.9%
6川崎・26・51.0%
7新潟・26・51.0%
8大分・25・49.0%
9神戸・25・49.0%
10FC東京・25・49.0%
11京都・24・47.1%
12磐田・23・45.1%▲
13大宮・22・43.1%
14東京V・20・39.2%▽
15清水・19・37.3%
16横浜FM・18・35.3%
17札幌・15・29.4%▽
18千葉・10・19.6%

年間成績最高勝ち点102・クラブ勝ち点・勝ち点率
1鹿島・63・61.8%
2川崎・60・58.8%
3名古屋・59・57.8%
4大分・56・54.9%
5清水・55・53.9%
6FC東京・55・53.9%
7浦和・53・52.0%
8G大阪・50・49.0%
9横浜FM・48・47.1%
10神戸・47・46.1%
11柏・46・45.1%
12大宮・43・42.2%
13新潟・42・41.2%
14京都・41・40.2%
15千葉・38・37.3%
16磐田・37・36.3%
17東京V・37・36.3%
18札幌・18・17.6%


09年・年間試合34
17節終了最高勝ち点51・クラブ勝ち点・勝ち点率
1鹿島・42・82.4%☆
2浦和・34・66.7%
3新潟・32・62.7%
4川崎・32・62.7%
5FC東京・28・54.9%
6清水・25・49.0%
7磐田・24・47.1%
8G大阪・23・45.1%
9広島・23・45.1%
10名古屋・22・43.1%
11京都・21・41.2%
12大宮・21・41.2%
13横浜FM・20・39.2%
14山形・19・37.3%
15千葉・19・37.3%▽
16神戸・18・35.3%
17柏・15・29.4%▽
18大分・4・7.8%▽

年間成績最高勝ち点102・クラブ勝ち点・勝ち点率
1鹿島・66・64.7%
2川崎・64・62.7%
3G大阪・60・58.8%
4広島・56・54.9%
5FC東京・53・52.0%
6浦和・52・51.0%
7清水・51・50.0%
8新潟・50・49.0%
9名古屋・50・49.0%
10横浜FM・46・45.1%
11磐田・41・40.2%
12京都・41・40.2%
13大宮・39・38.2%
14神戸・39・38.2%
15山形・39・38.2%
16柏・34・33.3%
17大分・30・29.4%
18千葉・27・26.5%


10年・年間試合34
17節終了最高勝ち点51・クラブ勝ち点・勝ち点率
1清水・36・70.6%
2名古屋・35・68.6%☆
3鹿島・34・66.7%
4川崎・29・56.9%
5新潟・28・54.9%
6C大阪・27・52.9%
7G大阪・27・52.9%
8広島・26・51.0%
9横浜FM・25・49.0%
10浦和・23・45.1%
11山形・21・41.2%
12FC東京・19・37.3%▽
13神戸・18・35.3%
14大宮・17・33.3%
15磐田・17・33.3%
16仙台・14・27.5%
17湘南・12・23.5%▽
18京都・10・19.6%▽

年間成績最高勝ち点102・クラブ勝ち点・勝ち点率
1名古屋・72・70.6%
2G大阪・62・60.8%
3C大阪・61・59.8%
4鹿島・60・58.8%
5川崎・54・52.9%
6清水・54・52.9%
7広島・51・50.0%
8横浜FM・51・50.0%
9新潟・49・48.0%
10浦和・48・47.1%
11磐田・44・43.1%
12大宮・42・41.2%
13山形・42・41.2%
14仙台・39・38.2%
15神戸・38・37.3%
16FC東京・36・35.3%
17京都・19・18.6%
18湘南・16・15.7%




では前半戦の成績からクリアラインを断定しよう。まず年間成績1位となるためのクリアラインから。

年間成績1位の前半戦成績ランキング
1鹿島・82.4%(09)
1浦和・70.6%(06)
2名古屋・68.6%(10)
2G大阪・62.7%(05)
2鹿島・60.8%(08)
3鹿島・58.8%(07)


あくまで年間成績1位となるための前半戦の最低勝ち点率は58.8%(07鹿島)である。この58.8%は勝ち点30となる。
前半戦を首位で折り返すよりも2位以下のほうが逆転しやすい傾向もある。2010年も名古屋が清水を逆転しており、このような団子レースは今後も継続しそうである。
なお最低順位だと3位以上でないと難しいのは確かである。4位以下のクラブなら初めてのことになったがなかなか難しい。



続いて各年度の下位3クラブの前半戦成績ランキング(08年以前の16位クラブの自動降格はなく入れ替え戦であった)

12広島・45.8%(07・最終順位16位※ただし07広島は暫定)
12磐田・45.1%(08・16)
14東京V・39.2%(08・17)
15千葉・37.3%(09・18)
12FC東京・37.3%(10・16)
15柏・35.3%(05・16)
14甲府・33.3%(07・17)
17東京V・31.4%(05・17)
17札幌・29.4%(08・18)
17柏・29.4%(09・16)
17湘南・23.5%(10・18)
18神戸・21.6%(05・18)
16福岡・21.6%(06・16)
17京都・21.6%(06・18)
18横浜FC・19.6%(07・18)
18京都・19.6%(10・17)
18C大阪・11.8%(06・17)
18大分・7.8%(09・17)

前半戦で3割未満ならもう手遅れと言える。06年の下位3クラブが低いのに対し08年の3クラブの高騰ぶりはよくわかる。
07広島が暫定のため除外し最高が08磐田の45.1%であり、近年のJ1前半戦ノルマは少なくとも45%ほど稼がなくてはならないことを示している。前半戦で5割近い勝ち点を挙げても年間下位3クラブに入るのだからいかに年間を通した安定が必要かも分かる。2010年のノルマは08磐田の45.1%も参照にすれば前半戦は勝ち点23、つまり最低ラインは勝ち点24以上である。10年もノルマを満たしたクラブ以外は残留争いに巻き込まれておりノルマは間違いないようだ。あからさまに前半戦ノルマの浦和以上と山形以下で現状が違った。


ノルマを確認すると、優勝するには3位以上、なおかつ17試合で勝ち点30以上が優勝の最低ラインとなる。10勝7敗と意外とノルマは低い。

一方降格は11位以上、なおかつ、17試合で勝ち点24以上が自動降格回避の最低ラインとなる。
これは09年も変わらず2010シーズン以降にも当て嵌まるのは間違いない。

J1順位表
第17節(08/08更新)
勝点(勝/引/負/得失)試合数
1 清水・70.6%・87(72.012)
36(10/6/1/16)17
2 名古屋・68.6%・86(69.972)
35(11/2/4/9)17
3 鹿島・66.7%・85(68.034)
34(10/4/3/14)17
4 川崎・56.9%・80(58.038)
29(8/5/4/3)17
5 新潟・54.9%・79(55.998)
28(7/7/3/5)17
6 C大阪・52.9%・78(53.958)
27(7/6/4/10)17
7 G大阪・52.9%・78(53.958)
27(7/6/4/8)17
8 広島・51.0%・77(52.020)
26(7/5/5/0)17
9 横浜FM・49.0%・76(49.980)
25(7/4/6/2)17
10 浦和・45.1%・74(46.002)
23(7/2/8/4)17
11 山形・41.2%・72(42.024)
21(6/3/8/-8)17
12 FC東京・37.3%・70(38.046)
19(4/7/6/1)17
13 神戸・35.3%・69(36.006)
18(5/3/9/-7)17
14 大宮・33.3%・68(33.966)
17(4/5/8/-4)17
15 磐田・33.3%・68(33.966)
17(4/5/8/-8)17
16 仙台・27.5%・65(28.050)
14(3/5/9/-9)17
17 湘南・23.5%・63(23.970)
12(3/3/11/-17)17
18 京都・19.6%・61(19.992)
10(2/4/11/-19)17


残留争いのノルマである11位以上、勝ち点24、FC東京以下のチームはクリアできずそのFC東京が降格している。
優勝争いのノルマである3位以上、勝ち点30、3位鹿島まで達成し2位名古屋が優勝。

妙に上位3クラブが群を抜いてるが過去の前半戦3強と成績を比較してみよう。
1鹿島・82.4%(09・1)
1G大阪・74.5%(07・3)
1鹿島・70.6%(05・3)
1浦和・70.6%(06・1)
2G大阪・70.6%(06・3)
1清水・70.6%(10・6)
2浦和・68.8%(07・2)
3川崎・68.6%(06・2)
2名古屋・68.6%(10・1)
2浦和・66.7%(09・6)
3鹿島・66.7%(10・4)
2G大阪・62.7%(05・1)
1浦和・62.7%(08・7)
3新潟・62.7%(09・8)
2鹿島・60.8%(08・1)
3鹿島・58.8%(07・1)
3柏・56.9%(08・11)
3磐田・54.9%(05・6)
10年の3強は高くも低くもない成績。お気づきかと思うが前半戦70.6%だと06浦和以外優勝していない。データとしても前半戦1位ではないクラブ(6シーズン中4シーズンが2位以下)が優勝しやすく今年も清水ではなく2位名古屋が制覇。



2010J1 順位表 第34節(12/04更新)
順位 チーム名・勝ち点率
勝点(勝/引/負/得失)試合数
1 名古屋・70.6%
72(23/3/8/17)34
2 G大阪・60.8%
62(18/8/8/21)34
3 C大阪・59.8%
61(17/10/7/26)34
4 鹿島・58.8%
60(16/12/6/20)34
5 川崎・52.9%
54(15/9/10/14)34
6 清水・52.9%
54(15/9/10/11)34
7 広島・50.0%
51(14/9/11/7)34
8 横浜FM・50.0%
51(15/6/13/4)34
9 新潟・48.0%
49(12/13/9/3)34
10 浦和・47.1%
48(14/6/14/7)34
11 磐田・43.1%
44(11/11/12/-11)34
12 大宮・41.2%
42(11/9/14/-6)34
13 山形・41.2%
42(11/9/14/-13)34
14 仙台・38.2%
39(10/9/15/-6)34
15 神戸・37.3%
38(9/11/14/-8)34
16 FC東京・35.3%
36(8/12/14/-5)34
17 京都・18.6%
19(4/7/23/-30)34
18 湘南・15.7%
16(3/7/24/-51)34



名古屋が初優勝。おめでとうと素直に賛辞を述べたい。問題は継続でG大阪や浦和のように短命チャンピオンではつまらない。鹿島が3連覇したこと自体リーグのレベルが低いことを指し成熟した鹿島がいつまでも長持ちするのがいいわけがない。常にリーグは活性し新たな血が巡回すべきだと思う。

残留争いは最終節神戸が浦和に快勝、FC東京が京都に完敗で逆転降格。ノルマとしている勝ち点38がキーになっている。08ヴェルディが降格したこともあり勝ち点37は安全牌ではない。スパサカでかつて水沼氏がデータを口にしてましたが試合数×勝ち点1、つまり勝ち点34以上稼がないと苦しい。これは間違いなくむしろ34で安全ではない。やはり40は必要不可欠だ。


続いて1stチャンピオンの失速について調べよう。
10年前半戦首位清水は早々に脱落。09年も鹿島が大ブレーキで一時的に首位の座から転落したが歴史的に見てもジンクス通りで異例ではない。
99年以降で見てみる。

99年
1磐田・34・75.6%
6磐田・49・54.4%
00年
1横浜・30・66.7%
4横浜・54・60.0%
01年
1磐田・36・80.0%
1磐田・71・78.9%
02年
1磐田・36・80.0%
1磐田・71・78.9%
03年
1横浜FM・32・71.1%
1横浜FM・58・64.4%
04年
1横浜FM・36・80.0%
2横浜FM・59・65.6%
05年
1鹿島・36・70.6%
3鹿島・59・57.8%
06年
1浦和・36・70.6%
1浦和・72・70.6%
07年
1G大阪・38・74.5%
3G大阪・67・65.7%
08年
1浦和・32・62.7%
7浦和・53・52.0%
09年
1鹿島・42・82.4%
1鹿島・66・64.7%
10年
1清水・36・70.6%
6清水・54・52.9%


前半戦で7割近い勝ち点率をキープし折り返しても後半戦で失速、そのまま首位で終えた事例は12チーム中5チーム、41.7%となる。



前半戦首位のシーズン終了時における勝ち点率の差異ランキング
浦和・±0.0%(06)
磐田・-1.1%(01)
磐田・-1.1%(02)
横浜・-6.7%(00)
横浜FM・-6.7%(03)
G大阪・-8.8%(07)
浦和・-10.7%(08)
鹿島・-12.8%(05)
横浜FM・-14.4%(04)
鹿島・-17.7%(09)
清水・-17.7%(10)
磐田・-21.2%(99)

当然だが勝ち点率はキープするに限る。下げ幅が10ポイント以上あるとさすがに追い撃ちを受けてしまう。ここ2年の前半戦首位の出来の悪さにレベルの低下を印象付けさせられる。
それにしても09鹿島、2割近く勝ち点率落として3連覇とはJリーグも随分生温いリーグだ。現に10清水は6位まで順位を落とした。前半戦成績が違うとはいえ普通に追い上げがあるなかでそれでも3連覇してしまったのが鹿島黄金期のピークなのかもしれない。

下げ幅17.7%(18.054)。10清水は前半戦で勝ち点36、後半戦だけで同18、差は18。。歴代前半戦首位史上ワースト2の失速で名古屋に優勝を譲る。


以上踏まえると前半戦のノルマもまんざらバカにはできないだろう。