チーフトレーナーの前波です。
1月にもご依頼をいただいた『走りを変える!』という指導。
ここ数か月、このような依頼内容が徐々に増えてきたように感じます。
ご紹介いただきましたメンバー様には大変感謝しております!
これは私の主観ですが、指導者には2パターンあり、
【○○ができる人(=○○を経験して知っている人)】
【○○を指導できる人】
が存在すると考えます。
表面的には同じことをやっているように見えても、細かな部分と最終のゴールが大きく異なります。
自分で言うのも烏滸がましいのですが、これを業としているので、あえて言わせていただけば、私は運動指導のスペシャリストです。
なので後者にあると自負します。
私は、身体動作を理解し、効率の良い身体操作(動作)を指導します。
単純に見える【走る】という動作は、ものすごく複雑な要素の集合体。
スポーツにおける【速く走る】も、それぞれの種目ごとに理解が異なります。
そして、対象年齢や性別、個の持つ特性によっても考え方が変わります。
私は、
『速く走れるようにする』
よりも、
『動作(走り)に余裕を作る』
のほうが、ゴールに近いのではないかと考えています。
特定のスポーツにおいての『速く走る』は、単に短距離を走るのとは異なります。
その子の動きを観察し、【動作の特徴】を把握し、【なぜ速く走りたいと悩むのか】を理解しながら変化させていきます。
『速く走る』にもいろいろありますからね。
先に挙げた『○○ができる人』が指導でよく行う、『膝を上げて、腕を振って!』はしません。
私は、運動の基本動作を徹底して指導し、カラダが自然と動きやすくなることを狙います。
今回お受けしたお子様は、カラダが左右に振られる特徴がありました。
速く走りたいんでしょう。
その気持ちが動きに現れています。
しかし、速く走ろうとがむしゃらに動く結果、
『走る速度にブレーキをかけている』
状況でした。
成長過程において、カラダも大きくなり筋力がつき始めたことで、力で走る癖が出てきたのも一因ではないかと感じました。
私は、
『まずは安定力を養おう!』
と計画し、バランス力強化に取り組みました。
遊びの要素を取り入れながら1時間弱のレッスン。
レッスン終盤では動きも変わり、保護者様には【そこを強化するんだ!】と驚きの言葉をいただきました。
そうなんです。
【速く走れるためにはこうする!】ではなく、
【○○がよくなれば速く走れるし、その競技でのパフォーマンスは上がるよね!】
と考えるので、一般的な指導者とはちょっと攻め方が異なります。
だから、特定の競技に限らず、お声がけいただけるのかなと感じています。
パーソナルゴールをどこに設定するか。
目の前のゴールではなく、長期で考えることは大人も子供も一緒です。
子供たちの可能性を引き出すためには、基礎をしっかり指導することは欠かせません。
基礎なくして能力の向上は見込めませんし、ケガのリスクが高まります。
障害予防の観点からも、基礎の徹底は欠かせません。
基礎の中には【姿勢】もあります。
姿勢ってとっても大切。
この子の場合も、安定力の強化の前提には【姿勢改善】があります。
運動能力向上に伸び悩むこの中に、姿勢を適当にしている子はいませんか?
座る姿勢、勉強の姿勢、鉛筆の持ち方、箸の持ち方。
こういうことも、運動能力と深いつながりがあります。
何かを変えたければ、目の前の癖から改善しましょう。
『走る』という動作の改善をきっかけに、様々な能力が向上するのを狙っています。
コンディショニングトレーナー
前波卓也