チーフトレーナー前波です。
この写真は、マラソンランナーさんのフィジカルトレーニングをはじめる前の写真です。
何だかマーキングコーンが四角形を形成するように4つ置かれていますね。
これからどんなプログラムがスタートするのでしょうか。
私が身体技術能力を指導する際に考えているポイント。
そして、もし指導者になる方がトレーニングプログラムを構成するときに抑えて欲しいポイントがあります。
それは、
『獲得を目指したい能力は何か』
です。
このマーキングコーンは無作為に4つ置いているわけではありません。
コーン間の距離、色の配列をはじめ、それらには理由があります。
そして(当たり前のことですが)すべてのプログラムには段階的なプロセスが存在し、それぞれの評価値をもとにプログラムを進めていきます。
ものすごく単純に言えば、『身体のキレをつくる』というプログラムですが、その下準備や能力獲得に向けての段階的な調整がたくさんあります。赤いコーンを起点に3方向のコーン目がけて走ります。
一見、マラソン競技とは技能が異なるようにもみえますが、運動技術を高めるためには直線的動作以外にも獲得しておかなければならない能力もあります。
先日、ジュニアアスリートを指導するコーチから、
『走るの速くしたいんだけどどうしたらいい?』
という質問を受けました。
私からは、
『競技種目は?性別や年齢は?身体技術の獲得はどのくらいできている?そもそも早く走らせたいと思う理由は?』
これ以外にもたくさんの疑問があったので、質問攻めをしてしまいました。
この会話の中で、テーブルの真ん中に置いておかなければならないポイントは、
『なんで早く走る必要があり、それを指導しなければと思っているか』
です。
トレーニングによっては、走る能力が低下することがあります。非常に残酷ですが、指導者はそれを押さえておきましょう。
ここでも先に述べた、『獲得を目指したい能力は何か』に解決のカギがあります。
なんで早く走りたいのか?なんで早く走ることを目指したいのか?と獲得したい能力の関係性が合致すると、早く走るトレーニングが必要か不要かの答えが見えてきます。
この相談の1つ目の解決は、指導者の思い描いていた『速く走る』は、今の育成段階ではさほど急ぐ必要はないという着地点に到達しました。
その競技って、走るだけではないしね・・・走るの速くたって・・・ねー。
この内容の詳しい話は、いつかYouTubeでお話ししようと思います。
コンディショニングトレーナー
前波卓也