一般消費財と芸術的著作物 | ノリーヌ・ディオン (作曲家 アコーディオン奏者 長坂憲道)

一般消費財と芸術的著作物




このブログを見た人から、驚くような指摘がありました。

「著作権料を払ってもらえない」という状況を、スーパーと農家に例えて話していたところ、その根本部分の問題には全く触れず、「レストランのシェフがスーパーで買っってきた野菜を使って、レストランで客に料理を出した際、農家が出てきてレストランにも野菜の代金を請求するようなもの、それがJASRACだ」と。

JASRACの話題をしてると、いつもこうなんですよね。

指摘した問題はすっ飛ばして、論点をすり替え、じゃあこれは?と関係の無い質問(しかもデマを根拠とした)更にでも、だって・・・と続く。

論点のすり替えに対し、放置していると「無視をした」と逆ギレが始まる。

分かりやすく説明をしようと思い、身近な事象に例えて話そうとしたら、思わぬところで裏目に出てしまいました。

一般消費財と芸術的著作物を一緒にされてしまうなんて、そこまでは想定していませんでした。

まさか、そんなところから説明をしなければならなんて。

農家が作った作物は芸術的著作物とは言えません。

その野菜は絶対に自分でなきゃ作ることが出来ない唯一無二の芸術作品であり、一つ一つに固有の作品名をつけてあり、それら一つ一つが間違いなく自分が作った作品であると識別できるのでしょうか?

理解しやすくしようと思い、野菜・農家で例えたことを後悔しています。

著作権や特許等の知的財産権とは・・・長くなるので簡単にしか書きませんが、出来上がってしまった一般消費財には適用されません。

特許や著作物としての著作権が認められるのは、それを作るための製法であったり、設計図、あるいは芸術的作品のみです。

長くなるので、ここまでで止めます。

今日はボンゴ、ウクレレ、そしてアコーディオンで1人バンドにチャレンジ。

米米CLUBの「浪漫飛行」でお楽しみください。



夏の旅って感じを味わっていただけましたか?

さて、話を戻しましょう。

この曲を作った米米CLUBもJASRACの信託者です。

この動画を再生していただいた回数がYouTubeによってカウントされ、その回数から計算をした音楽著作物利用料が米米CLUBに漏れなく支払われます。

僕がこういっているのを「信じられない」という人も後を絶ちませんが、信じられないなら米米CLUBに分配明細でも見せろと言いたいのでしょうか?

それって、ものすごく気持ちの悪いことをおっしゃてますよ。

非常な悪趣味というか、ストーカーレベルですよね。

身近に作詞・作曲家が居ないのなら正しく理解できてなくても仕方ないと思いますが、JASRACへの批判=作詞・作曲家への批判なんですよね。

僕らが作った作品が独り歩きを始め、第三者が二次、三次的にお金儲けを始めた時、それで僕らはようやく儲かるのに、そこから印税を得ることは気に入らないって言ってるんですよ。

自分たちで畑を耕し、種を蒔き、水や肥料を与え、時には害虫駆除や雑草除去をし、ようやく収穫の時を迎えようとしているのに、「これはみんなのものだ」と訳の分からないことを言い、僕らが収穫することを許さないと言っていることに、どんな合理性が有るのですか?

JASRACには、僕ら著作者自身の意思で、収穫を手伝ってもらっているだけなのです。

僕ら著作者は、音楽を作るのが専門ですので、あまり得意としない細かい利用許諾事務やお金のやり取りなどを代わりにやってもらうことで、僕ら著作者は安心して音楽づくりに集中できているのです。

ここでJASRACを批判したり業務を正常にさせないようなことを言うことは、僕ら著作者にも仕事をさせないように妨害をしているのと同じことです。

それでもってJASRAC(=僕ら著作者)が音楽を衰退させているだなんて、とんでもない言い分、ものすごく矛盾しているって気づきませんか?

僕ら著作者は音楽を作ること、それを職業としています。

何故に、それが音楽を衰退させていると思い込むのでしょう?

JASRACはお金を集めるだけ集めて、ちゃんと分配されていないなんて言うデマ、そしてそれを事実だと思い込んでいる人がいつまでも減りませんが、ちゃんと分配されていないなんて言う事実は一切ありません。

信じ込んでいたデマを、一旦すべて忘れて頂かないと、僕らはどれだけ丁寧に説明をしても時間の無駄になります。

先日もツイッターで、その状況を周囲にお見せするために、数件のツイートに対してデマの指摘をしました。

すると半数以上が逆ギレして噛みついてきます。

数件は、指摘したデマのツイートを黙って消してくれた人も居ますけどね。



JASRACへの批判、それは誰のための正義ですか?

少なくとも僕ら著作者は、JASRACを批判されると、非常に迷惑です。

JASRACが謂れも無く目の敵にされてしまい、仕事がやりにくくなって困っています。



さて、明日6月25日(月)はJASRACからの音楽著作物利用料(いわゆる印税)の分配日です。

薄緑色の封筒で郵便物が届きます。

今期は利用実績が少なめだったようで(実は分配の10日前ほどに今期はいくらか?を先にコッソリ教えてくれる)分配明細は薄めかな。

いつものように、きじばとの家の廊下に広げて写真を撮ることにしましょうか。

そして、朝一で僕の銀行口座に送金があります。

今までに送金が遅れたこととか、入ってるはずのものが入らないとか、計算がおかしいとか、変なトラブルは一度もありません。

ネットだけの付き合いの人も、実際に有ったことある人も、JASRAC信託者の著作者を何十人、いや何百人も知ってますが、そんなトラブルを経験している著作者は身の回りでは一人も居ません。

なんせJASRAC批判はデマを基にした話題ばっかりですから、実際には身の回りで起こっていない話しばっかりなんですよ。


 

[mixi]JASRACは僕らの町役場

http://mixi.jp/view_community.pl?id=6287023
音楽著作権、JASRACについて、正しく知りたいという人、既に正しくご存知の皆様は、常識人であることの証、コンプライアンスの証として、是非ご参加ください。

 

そもそも僕がこのような話題を取り上げ始めたのは、僕が勤める高校で"DTM表現"という授業を担当していて、その授業の中で「わが教え子たちを犯罪者にしてしまわないために!」というテーマを単元とした授業で、音楽著作権にまつわる常識・非常識を教えるために、こういったネット上での事実誤認情報拡散を訂正するためのネタ集めからです。

知らないままでは本当に恥ずかしいこともありますし、知らないまま犯罪者になってしまっても困りますよね。

これってホント?っていう音楽著作権にまつわる都市伝説、逸話の真偽を確認したい人は、遠慮なくコメントをくださいね。

もちろん、僕自身も真偽を知らないことがありますので、そういう場合はその都度JASRACに問い合わせをしますので。


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