英語の平板読み | ノリーヌ・ディオン (作曲家 アコーディオン奏者 長坂憲道)

英語の平板読み

とても細かい話なんですけどね。

そもそもカタカナでどこまで外国語を合理的に表現できるか?って考えると難しいところでもありますが。

例えば"Entertainment"は何故か日本では昔からエンターテイメントって書かれてしまう、言われてしまうけど、それでは"n"が一つ抜けちゃってるんですよね。

"Enter"という言葉だけなら確かにカタカナでエンターと書いても通じそうですが、その後に-tainmentとつながる場合なら、もしカタカナで書くとする場合にはエンターと伸ばす必要は無いところでしょう。

ターは伸ばさず、抜け落ちちゃった"n"を復活させて「エンタテインメント」って書くのが近いかなあと、僕は思ってます。



おとなり韓国での外来語表記と実際の発音

韓国のハングル文字表記では、特に英語表記の場合は日本のカタカナよりも「実際に使える英語」の発音に近づけるように工夫されているなあと感じます。

例えば"Bus Terminal"

日本語ならバスターミナルと書き、そのまま日本語としてのカタカナ発音で読んでますよね。僕自身も日常的に何の迷いもなくカタカナ読みでバスターミナルと言っていますし、日本国内では問題もなくそれで通じています。

ちなみに韓国語(ハングル文字)表記では


これを日本語のカタカナにあてて読んでみるとボストミノル("ボ"は少し"エ"寄りの発音、トミノルの"ト"も"ノ"も少し"エ"寄り、そして"ル"は母音無しで語尾"L"発音となるので、日本のカタカナ表現と比べると、より英語圏の人に通じやすい発音じゃないかなと感じます。

実際に韓国で市内の路線バスに乗っていて、韓国語アナウンスのみの場合でも外来語(とりわけ英語)部分は聞き取りやすいのです。

実際にソウル市内の「高速バスターミナル」というバス停を利用する機会も何度かあって、地元韓国の人が言うバスターミナルという発音を何度も耳にしましたが、英語圏の人が言うそれの発音に非常に近いと感じました。

ちなみにちなみに、高速という言葉は

カタカナにあてると"コソク"なので発音的には「ほぼ同じだ!」と嬉しくなったことを思い出しています。



日本で有名な楽器メーカーの発音も

もう一つ、僕らにとっても縁が深く身近な存在でもある、日本を代表する電子楽器メーカーの「ローランド」。

これをアルファベット表記にすると"Roland"となりますが、これを英語圏の人が発音するとどうなるか、なんとなく想像がつくかと思います。

実は韓国の人たちが"Roland"と言うときにも、英語圏の人たちが言う"Roland"に近く、その発音で日常的に会話をしていました。

もちろん、これだけではなく、ほかの英語表記・発音表現でも同じ傾向にあり、日本人が日常的に使っているカタカナ英語と比べると、韓国内で表記・発音されている英語の方が「使える英語」の発音に近いなあと痛感したことを思い出します。

ちょっと遠回りな提案にもなってしまうところですが、韓国での外来語表記を知ってみると、日本人ももう少し英語の発音を意識してみても良いんじゃない?っていうヒントにもなると思いますよ。



日本での外来語は平板読みになってるものが多い

そこで、出来れば僕らミュージシャンたちから、英語の平板化読みは可能な範囲で止めることにできないものかな?と日ごろから思ってます。

音に敏感なミュージシャンが率先してリードするのが良いような気がするんですよね。

日本でも子どもの頃から正しい英語教育を始めようとしてるのに、日本の音楽業界では専門用語として定着したカタカナ英語の大半が平板読み状態で、今も現場では大人たちが日常的にそれらを使い続けてるので、これらは英語圏の人には通じにくものが多いなあとも感じています。

身の回りで、もはや日本語になってしまった英語を改めて探し出してみてください。

その単語、平板読みしてませんか?



音楽(業界)用語の中に多く存在する英語

そうなのです。特にミュージシャン、バンドをやってる人・・・

と例えようとしたら、いきなり、この「バンド」という発音、皆さんはどのように発音してますか?

おそらく平板読み状態でバンドと呼んでる人が大半だと思います。

そう、平板読みをしないと日本語の会話には溶け込みにくいから仕方がないと言えば仕方がないところでもあります。

「オレ、先月からバンドを始めたんだ」

この会話の中で"バンド"の部分だけを平板読みにせず実態発音を強く意識して"Band"と話したら、最初は「カタコト会話」みたいで不自然に感じるかもしれませんが、やがて「こんなものか」と普通に思えるようになってくる日が来るとも思いますよ。

引き続き、ミュージシャン用語路線を探してみましょうか。

僕らが日常的に話している言葉では、ライブ、ベース、ドラム、シンバル、ペダル、ミキサー、アンプ、スタジオ、ブース、ミックス、マイク、ケーブル、シールド、マスタリング(まだまだ果てしなくあるが)なんかはどうでしょう。

次に、楽譜を開いての打ち合わせの時、"メジャー"、"マイナー"、"セブンス"、"ナインス"・・・というようなコード・ネームの話をし始めるとどうでしょう。

無理のない範囲で構いませんから、身の回りのよく使う外来語から、平板読みを止めることにしませんか?

僕自身、高校の授業や音楽教室のレッスンでも、外来語の音楽用語をたくさん使っていますが、気づく範囲ではできる限り平板読みにならないように実践しています。

授業やレッスンでは"メジャー"、"マイナー"、"セブンス"、"ナインス"・・・これぐらいの範囲なら、実態発音を意識しながらの会話でも、そんなにおかしなことになりにくいので、まず僕はコード・ネームの話をするときに平板化廃止を目指し始めました。

僕自身、あまりにも正しい発音を意識し過ぎて、生徒たちに笑われてしまった経験が何度もあるので、やりすぎにはご注意。

 

 

 

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