スクールカウンセラーの先生、担任の先生、親の私らもですが、
「このまま高等部に上がるのは厳しい」
と思ってました。

そりゃ、そうですよね。
中学の勉強を全くしてないんですから。
公立の子に例えたら、
全く勉強してない不登校の子が、
高校から、いきなり進学校に通うようなもの。

勉強全く追いつかず、
厳しい現実を目の当たりにして、また挫折してしまうのが目に見えてる。

「通信制に転校した方がいい」

誰もが、そう思ってました。

スクールカウンセラーの先生が、
「通信制の高校と、繋いだ方がいいと思います」
とおっしゃるので、2月のあたま、
その先生が紹介してくれた通信制の高校に、とりあえず私だけ行ってみました。

自宅から、車で1時間弱の市にある、通信制高校。
小さなビルのワンフロアーが「学校」でした。

校長先生と、通信制の高校の仕組みについて、
卒業後の進路について、
生徒について、
息子の状況、
いろいろ話をしました。

時期はもう2月、定員もあと4人ほどです。
ウチを押さえておきたいのであれば、
とりあえず、願書は出しておいてください。
願書出して、私(校長)と顔合わせしたら、合格出します。
…と言われ、もろもろの資料をいただき、その日は失礼させていただきました。

通信制の校長先生、
沢山の、いろんな子を見てきてますから言いますけど、このまま高等部に上がっても、いいことはないと思います。
まず、今まで昼夜逆転生活だった子が、毎日決まった時間に起きて、決まった時間に学校に行く。これだけでも、精神的負担が大きい。
そして、勉強面。公立の底辺校ならともかく、中高一貫校なんか、ただでさえ授業のスピードが早いのに、中学の勉強ゼロで、中高一貫の高校の勉強など追いつくはずがない。
結局、また辛い思いをし、挫折して、また更に心に傷を負ってしまう。そうなると、立て直しがますます難しくなる。
と、おっしゃいます。

営業トークもあるのでしょうが、
いろんな心の問題を抱えた、沢山の子供たちを見てきたからの言葉でしょうか。

ただ、
「ビルのワンフロアーが学校。プライド高い息子は“こんなところ学校じゃない”と、拒絶するだろか…」
そう思いながら、通信制の高校をあとにしました。