なにやら
リックに話しかけています。
あそぼーよ
って言ってるのかな？
ゆいちゃんがリックとおしゃべりしている間、
僕とチチとママは
リックにお手紙を書きました。
みんなそれぞれ、１枚ずつ、
思い思いに好きなことを書いて、
リックに持たせようって。
そして、
午前中は
僕のお友達の家族が
急遽
みんなでお別れに来てくれました。
3人兄弟でみんな犬が大好きで、
いつも会うと、
リックをカワイイカワイイと撫でてくれて、
かわいがってくれました。
死んじゃってても、
躊躇することなく
みんなで本当に優しくナデナデしてくれて
ありがとう。
突然のことだったから、
慌てて買ってくれた百合の花が、
ツボミだったからって
ドライヤーで一生懸命あたためてくれたんだってさ。
それを聞いて、
笑っちゃったよ。
なんだかとっても暗かったから、
1日の始まりが、
ワイワイみんなの楽しいお話で、
リックも嬉しそうにみえたよ。
素敵なお花とリックの大好きなリンゴを、
ありがとう。
そして、
お昼には、
リックがずっと待っていた
リックの盲導犬時代の
お父さんとお母さんと、お兄ちゃんお姉ちゃん、
パピーウォーカーさんが
来てくれました。
お部屋に入って、
リックのお母さんは
「リッちゃん」
って小さく呟いて、
リックを優しく優しく撫でました。
リックのお父さんは、
お母さんに誘導してもらってリックの側に座ると、
リックを沢山沢山触って、
「リッちゃんお父さんだよ、リッちゃん、お父さんきたよ、リッちゃん、頑張ったね」って
たくさん話しかけていました。
優しいお兄ちゃんと、
リックが一番大好きだったお姉ちゃんと、
パピーウォーカーさんも
本当に久しぶりに会うリックに、
「本当に小さい頃のままだね」って
みんな涙がボロボロ溢れて
リックが大好きな人達が、
リックを大好きな人達が、
みんなで沢山泣きました。
みんな思い思いにリックに話しかけたり、
思い出話をしたり、
そんなことをしていたら
あっという間に出発の時間になってしまいました。
ねぇリック、
僕のチチは
悲しすぎるから
お葬式は行きたくないって言ってたよ。
僕にとっても
チチにとっても
リックは
初めての犬だったから
初めての犬が
君で本当に幸せだったって
思っているよ。
慈恵院 多摩犬猫霊園で
お葬式です。
リックの事を大好きなジィジも一緒にきて
みんなでリックを運びます。
到着すると、
車からリックを降ろして、
お坊さんが来るまで
最後のお別れをして待っててくださいと
言われました。
みんなで
お花を沢山入れて
リックのお母さんが、
イチゴも持ってきてくれて、
リック、イチゴも好きだったんだね。
僕、また１つリックの事を知ったよ。
リックが大好きだったオヤツもね、
本当は「ひと握りの」って言われたけど、
リックの口元に
コッソリ
たくさんたくさん
入れちゃったよ。
コレが
なくちゃ、
元気にお空は飛べないもんね。
大好きなリンゴもね。
お坊さんが呼びに来てくれて、
みんなでリックと火葬場まで行きます。
僕がリックのカートを押して、
最後のお散歩は
僕とだね。
そして
リックは
お空に飛んで行きました。
僕は
最後、リックの姿が見えなくなって
とんでもなくすごくすごく悲しくなって
涙が止まらなかったよ。
ジィジが何にも言わないで
僕の肩を抱いてくれて、
外に出て
空を見上げたら
リックみたいな
静かな、優しい、曇り空。
もう身体も軽いし、沢山走れるね。
あ、リックは
走るのそんなに好きじゃないか。
色んな犬の匂いを嗅いで
のんびり飛んでね。
拾い食いなんかしちゃ
ダメだよ。
そう、
君って本当に
凄い犬だったよ。
僕は
君みたいに
賢くて
ハンサムで
かわいくて
チャーミングで
時々頑固で
頑張り屋さんで
優しい優しい優しい
そんな犬には
もう2度と出会わないと
思うよ。
僕のところにきてくれて
ありがとう。
ただただ
それだけ。
沢山沢山
言いたいことはあるけど、
全部ひっくるめて
ありがとう。
大好きだよ。
ありがとう。
しばらくは、
この格好で、
うちにいてね。
四十九日ってやつまで、
いてくれるんでしょ？
大好きだよ。
大好きだよ。
