アリゾナからこんにちは、KEIKOです。

 

日本語でアメリカの資格を取得!

アロマセラピーとハワイアンヒーリングハーブのスクールKokopelli Healing Arizonaを主宰しています。

 

 

アリゾナ情報誌、オアシスに「薬と健康」というコラムを書いています。

 

3月号が完成したので、こちらにリンクを貼ります。

 

https://www.acejapan.net

注意!!上のリンクは、随時最新号へ飛ぶようになっています。

過去のオアシスの記事は、バックナンバーから読めますので、参考にされてください。

 

中にはうまくリンクを開けない、という声も聞くので、記事をそのままここにも載せます。

 

長いですので、ご興味のある方はお時間のある時に、お読み頂けたら幸いです。

 

 

 

感染経路から感染予防を考える 

 中国の武漢を発現地とする新型コロナウイルス肺炎。日本、世界各地での感染が徐々に広がりつつありますね。新型であること、そして治療薬やワクチンがまだ確立されていないこと、「目に見えない」「分からない」という恐怖がここまで人々を混乱させてしまっているのかもしれません。ただ、一般的に冬は新型コロナウイルスに限らず、通常の風邪やインフルエンザ、ノロなどのウイルス性の感染症が多い季節でもあります。

 

 ワクチンも治療薬もあるインフルエンザは見過ごされがちですが、アメリカでは例年1万2000~5万6000人もの方がインフルエンザで死亡することをご存知でしょうか?2017年〜2018年シーズンは、6万1000人もの死者が出ました。今シーズンは例年に比べインフルエンザの流行が早かったことに加え、今年に入って爆発的に増え続けています。2月20日時点で、アメリカ疾病対策センター(CDC: Centers for Disease Control and Prevention)は、昨年10月1日以降、アメリカ国内で合計2600万~3600万人がインフルエンザにかかり、来院は1200万~1700万件、入院件数は25万~44万人、死亡者は1万4000~3万6000人となったと推定しています。このインフルエンザの中には、新型コロナウイルスも含まれているのでは?と、今後米国内での新型コロナウイルスの検査を強化すると発表があったところです。今回は、公衆衛生の立場から細菌とウイルスの違いについて、感染経路の違いに対する感染予防について、お勉強したいと思います。

 

細菌とウイルスの決定的な違いは、生きものかそうでないか。

 細菌とは、①細胞を持ち、②栄養を摂って、そこからエネルギーを作り、③細胞分裂を繰り返すことによって生存・増殖を行う「生物」です。細菌性の感染症としては、溶連菌、マイコプラズマ肺炎、百日咳、梅毒、結核、コレラ、ジフテリア、赤痢、O157などの腸管出血性大腸菌感染症といったものがあげられます。

 

 ウイルスとは、細胞がなく、②栄養を摂ったり、エネルギーを作らず、③ウイルス単体では自力で増殖できない、④自力で動くことができない「物質」です。ウイルスは、細菌に比べて非常に小さく、DNA・RNAがタンパク質の殻、及びエンベロープという外殻(エンベロープがないウイルスもある)に包まれています。動物の体内に入ると細胞内に入り込み、そこで細胞に間借りする形で細胞の機能を利用し、増殖します。ウイルス性の感染症としては、ノロウイルス、インフルエンザウイルス、その他の風邪の原因ウイルス(アデノ・コロナ・ライノ)おたふくかぜ、麻疹、風疹、水ぼうそう、肝炎、デング熱、エボラ出血熱、HIVといったものがあげられます。

 

抗生物質は細菌にのみ効果がある

 抗生物質は細菌には効果がありますが、残念ながらウイルスには効果がありません。風邪の多くはウイルス性である可能性が高いため、通常抗生物質は効果がありません。しかし、風邪をこじらせて何かしらの細菌による2次感染を起こした場合には、抗生物質が必要な場合もあります。新型コロナウイルスに対しては、抗HIV薬や抗マラリア薬、抗インフルエンザ薬なども効果があったとの報告が出ています。

 

感染予防するには、感染経路を知ることが大切

 感染症の感染経路として主なものは、①空気感染、②飛沫感染、③接触感染、④経口感染の4つがあります。

 

①空気感染は、細菌やウイルスが空気中に飛び出し、1m以上超えて人に感染します。予防にはN95というより密度の高い医療用マスクが必要となります。麻しん(はしか)、水痘(水ぼうそう)、結核など

 

②飛沫感染は、細菌やウイルスがせき、くしゃみなどにより、細かい唾液や分泌物につつまれて空気中に飛び出し、約1mの範囲で人に感染します。百日咳、風しん、インフルエンザ、おたくふかぜなど

 

③接触感染は、皮膚や粘膜の直接的な接触、または医療従事者の手や医療器具、その他手すりやタオルなどのような物体の表面を介しての間接的な接触により、病原体が付着することで感染します。インフルエンザ、流行性結膜炎、風疹、肝炎、ヘルペスなど

 

④経口感染は、ウイルスや細菌に汚染された食べ物を、生または十分に加熱せずに食べた場合や、感染した人が調理中に手指等を介して食品や水を汚染し、その汚染食品を食べたり飲んだりした場合に感染します。ロタウイルス、ノロウイルスなど(感染性胃腸炎)

 

 インフルエンザや新型コロナウイルスの感染経路は、主に②飛沫感染と③接触感染と言われています。インフルエンザが空気感染しない理由は、空気中で長く生きることができないからです。乾燥した低温を好むインフルエンザウイルスは、逆に湿気と高温に弱い性質を持っています。

 

感染経路から感染予防を考える

手洗い・うがい  

 こまめな手洗い・うがいは第一の予防です。ただ、気をつけたいのが、うがい薬(イソジンなど)を予防の時点で利用すると、正常な常在菌まで殺してしまい、抵抗力を下げてしまい、かえって感染しやすくなると考えられています。感染予防目的のうがいであれば、水もしくは塩水でのうがいをお勧めします。うがい薬は、喉が痛くなってから使いましょう。私はのどがいがらっぽい時は、コップに抗菌・抗ウイルス作用のあるティートリーの精油を一滴落とし、水で薄めてうがいします。この時、絶対に飲まないように気をつけましょう。

 

マスク

 インフルエンザウイルスに感染している人がくしゃみをすると約200万個、咳をすると10万個のウイルスが周囲に飛散するといわれています。飛沫感染では、マスクでの予防が有効です。特に日本の満員電車や感染者と近距離で会話する機会がある場合にはマスクが有効と考えられます。また、ウイルスが不着した手を口周りに運ばないためにも、マスクは有効であることは間違いありません。エアロゾル感染(空気中の微粒子にウイルスが不着して感染する)という感染経路が新たに疑われている新型コロナウイルスですが、狭い密閉された換気の悪い室内に感染者と一緒にいる場合には、ほぼ空気感染に近い飛沫核感染が起きてしまうため、いくらマスクをしていても感染リスクがあります。密閉された空間にとどまらないこと、換気を十分にすることも重要になります。また、マスクも何度も着脱したり、あるいは手でマスクの外側を着脱時に触ってしまったりすると、そこから接触感染を起こす可能性もあるため注意が必要です。

 

こまめな水分補給、お茶も有効

 喉に付着した細菌やウイルスが、乾燥した咽頭部で増殖をふせぐために、水分をこまめに摂るのもおすすめです。カテキンには殺菌作用があるので、こまめにお茶を飲むのも良いですね。ハーブティでおススメなのは、免疫力アップ効果のあるエキナセアです。

 

インフルエンザ、コロナウイルスにはアルコール消毒は有効

 インフルエンザウイルスは、物に付着した場合、数時間から24時間程度、長いもので数日の感染力が保たれると言われています。たとえば、くしゃみや咳などをカバーした手などでドアノブや手すりなどに触れる→他の人がそこに触れる→手指にウイルスが移る→その手指で物を食べたり目や鼻の粘膜に触れる→感染する、というしくみです。

アルコール消毒が有効なウイルスヘルペス、HIV、インフルエンザ、コロナなど

アルコール消毒が無効なウイルスノロウイルス、ロタウイルス、A型肝炎、アデノウイルスなど

 アルコールがウイルスのエンベロープを破壊し、結果としてウイルスにダメージを与えると考えられています。一方、エンベロープを持たないウイルスには、アルコール消毒ではなく、次亜塩素酸Naなどが配合された消毒液が望ましいと考えられます。

 

口の中を清潔に保つ

 口は食べ物だけでなく、ウイルスなどの入り口にもなります。口の中をきれいに保つことは、がんや心臓病をはじめ、様々な感染症、誤嚥性肺炎などを予防することが多く報告されています。インフルエンザの予防にも効果があったという研究報告もされています。常在菌まで殺す強いマウスオッシュは必要ないにしろ、今一度歯磨きを習慣化して、清潔に保つことをお勧めします。最近では舌苔(ぜったい)を洗う器具もありますね。舌は歯ブラシなどで強くこすると逆に炎症を起こしてしまい、傷ついた粘膜からかえって感染する可能性があります。舌を洗う時は、専門の器具、もしくは、指でそっとなぞる程度に洗いましょう。

 

免疫力を高める

 猛威をふるうインフルエンザにしても、未知の新型コロナウイルスにしても、感染しても重症化しないことが重要になってきます。持病がある方はまずは持病のコントロールをすること。そして、栄養よく食べ、よく寝て、適度な運動でウイルスに負けない体づくりをしましょう。一日も早くこの事態が収束し、安心して東京オリンピックが楽しめますように!

 

2020年2月20日 尾中景子

 

 

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