398条の2第2項が、根抵当権によってカバーされる「一定の範囲に属する不特定の債権」について規定しているのはわかった。

 

 

そして、その債権というのは、①債務者との特定の継続的取引契約により生ずる債権(2項前段)②債務者との一定の種類の取引によって生ずる債権(2項後段)の二つであることもわかった。

 

 

では、第3項でも根抵当権によってカバーされる債権について規定されているのは、なぜか。

 

 

つまり、なぜ、2項に全部まとめなかったのかということです。

 

 

これは要するに、3項というのは、2項における上記①②の原則に対する例外なんですよね。

 

 

そうだとすると、3項前段の特定の原因に基づいて債務者との間に継続して生ずる債権というのは、具体的には公害等の不法行為に基づく損害賠償権をイメージできますが、上記①②の両要素である「取引」に起因するものではない。

 

 

これはわかります。

 

 

では、後段にある「手形小切手上の請求権」というのは、どう意味なのか、そしてどういうところが2項の例外なのか、よくわからなかったものです。

 

 

そもそも手形小切手上の請求権って、銀行取引でも売買取引ででも普通にある話ですよね。

 

 

しかし、ここでわかったのは、銀行取引を例にして、そこにおける手形小切手上の請求権というのは、銀行を甲、商人を乙、乙の取引相手を丙とします。

 

 

丙が振り出した手形を乙が銀行甲に持っていき、割り引いてもらうんですよね。

 

 

そして、その手形が不渡りになった場合、甲の債権は根抵当権で担保されるというのが2項の規定なわけです。

 

 

それに対して、3項における手形小切手上の請求権というのは、丙ではなく乙が丙に振り出し、丙が銀行甲に割り引いてもらった場合を意味するのです。

 

 

この場合、振出人乙が支払わなかった場合、銀行甲は乙に請求できることはいうまでもないでしょう。

 

 

しかし、ここで注意を要するのは、銀行甲がこの手形を入手したのは、乙との取引ではなく丙との取引によるものです。

 

 

ここで、2項に戻ると、①債務者との特定の継続的取引契約により生ずる債権(2項前段)②債務者との一定の種類の取引によって生ずる債権(2項後段)、ともに債務者との直接的取引によることを要件として規定しています。

 

 

3項における手形小切手上の請求権というのは、直接債務者との取引によるものではないという意味で、2項の例外として規定されているということなんだそうです。

 

 

ではまた次回(^^)/

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