チャマルの飼育記録の前に本種の産卵セットに使用するマット作成についてまとめました。
チャマルは国産クワガタの中でもトップクラスに産卵・飼育が難しいです。
他のクワガタとは違い栄養価が低く粘土質でほぼ土に近いようなマットを好みます。よって市販されているマットだけでの産卵・飼育はほぼ不可能です。一番確実なのは現地の土を使用することですが、私のような遠方に住む飼育者の場合それを手に入れるには時間とコストがかかります。ネットで購入する手もありますが、そもそもあまり出回らないためおススメはできません。
そのため産卵・幼虫飼育用のマットを自らの手で作成しなければならないのです。
今回は3種類マットを作成しました。
1つずつ作り方を紹介していきます。
①山土マット
その名のとおり山から採取した土を篩掛けして微粒子にしたマットです。
・作成方法
1.山土を採取します。
落ち葉が堆積した地表より数cm下の土が最適です。
※採取する際は山の所有者に必ず許可を取り、必要最低限に留めるよう注意が必要です。
採取した山土
2.採取した山土を篩掛けし、不純物を取り除きます。
篩掛けの様子
3.袋に詰めて冷凍庫で1~2週間ほど冷凍して殺虫・殺菌すれば完成です。
完成した山土マット
乾燥時はサラサラした感じでやや明るい茶色。水分を含むと粘土質になります。
実際に使用してみたところこのマットが一番産卵数が多かったです。
山から採取するため手間はかかりますが、タダで作成することができます。
栄養価が低いためコバエなどの雑虫が湧きにくく、発酵もしないため管理が非常に楽です。
ただし、比重が重く乾燥しやすいことと、水分を加えすぎると粘土のように粘り気が強くなるため、水分量の調節が難しいことが欠点です。
②山土+赤枯れマット
①に赤枯れマットを混ぜ合わせたマットです。赤枯れが混ざっている分①のマットよりも栄養価は高めです。
・作成方法
1.①のマットに赤枯れマットを混ぜます。割合はお好みで調整してください。
山土+赤枯れマット
画像のものは1:1で混ぜ合わせました。
2.袋に詰めて冷凍庫で1~2週間ほど冷凍して殺虫・殺菌すれば完成です。
①のマットより若干赤味が強い
このマットもタダで作成可能ですが赤枯れ材の採取と加工の手間がかかります。
今回は幼虫飼育用に作成したため、産卵データはありません。次回以降試してみます。
③鹿沼土+赤玉土+赤枯れマット+食いカスマット
上記のものを混ぜ合わせたマットです。
・作成方法
1.上記のものを混ぜ合わせます。
上から時計回りに赤玉土・鹿沼土・食いカスマット・赤枯れマット
2.完成
最も赤黒い
このマットで卵は6個のみ採取できました。
このマットは卵管理&2齢までの飼育用に使用しました。
しかし熟成が足りないせいか粒子が大きすぎたせいか死亡する幼虫が多くいました。
なので今のところは一番おススメできません。
今回はチャマル用のマットの作成方法について語りました。
この他にも熟成した赤枯れマットのみを使用する方法など様々な方法があります。
なので今回の記事はあくまで参考程度に見ていただければ幸いです。