マルバネマット

 

マルバネクワガタの仲間は市販の発酵マットだけで産卵させるのはやや難しいため、赤枯れマットを混ぜて使用する必要があります。このマットをマルバネマットといいます。今回はそのマルバネマットの作成方法を紹介します。

※赤枯れマットの作成方法についてはこちらの記事をご覧ください。

 

  作成方法

 

赤枯れマットと発酵マットを水分を加えて混ぜ合わせます(画像1,2)。産卵に適した割合は種によって異なり、ヤエヤママルバネで7:3(赤枯れマット:発酵マット)です。累代が進んだ個体を使用する際は赤枯れマットの割合を少なくしても構いません。私がヤエヤママルバネの産卵に使用しているマルバネマットの割合はほぼ5:5で、これで1♀から小プラケで20~30個程度の卵を得られています。

赤枯れと混ぜ合わせるマットは添加剤が少ない二次発酵マットであればほぼ使用可能です。私はRTNのUマットを使用しています。また、Nマットや幼虫飼育時に使用したマット、他の種が食した菌糸カスを発酵させたマットなども使用可能です。

 

画像1. 赤枯れマット(左)と発酵マット(右)混ぜ合わせる前.

画像2. 画像1を混ぜ合わせた後.

 

混ぜ終わったらコバエの侵入に気を付けて保管し2~4ヶ月程熟成させます。この熟成させる工程が非常に重要で、ここでの出来が産卵数の増減に直結します。色合いが赤黒く粒子が柔らかくなって粘り気が出てくれば産卵に使用できます。

 

 

 

  幼虫飼育用マット

 

以上がマルバネマットの作成方法です。幼虫飼育用のマットも同様の方法で作成できます。幼虫飼育用の場合は幼虫の成長度合いによって赤枯れマット:発酵マットの割合を調整します。産卵用マットと同様に熟成期間は必要ですが、1ヶ月程度で使用できるようになります。なお累代が進んだマルバネクワガタの幼虫は加齢するにつれ丈夫になっていくため、3齢幼虫になれば赤枯れマットなしでも飼育することができます。

 

 

  備考

 

以上がマルバネマット作成方法です。

これらはあくまで私の経験に基づいた作成方法ですので参考にする際は自己責任でお願いします。

 

 

  参考文献

 

・織部利信 (2021) 「日本産マルバネクワガタの飼育」『BE・KUWA』78. pp. 52-58. むし社

・里由一 (2023) 「国産マルバネクワガタの飼育」『月刊むし・昆虫図説シリーズ 4 増補改訂版 日本のマルバネクワガタ』 pp. 118-129. むし社