またしてもしゃがみ込むバイク乗りふたり。
この販売機の存在に、もう少しはやく気がついていれば・・・
「あの寒い夜明かしは何だったんだよ。」
「俺たちの青春を返せ!」
青春はともかく、こんな従業員しか通らないようなところに自販機を置いて、
いったい何がしたかったのだろう。
何でも空いたスペースに置けば良いってものでもないだろうに。
そんなひと悶着があった後、充分に太陽も昇ったのを受けて、
彼は出発することになった。残りのガソリンで、最悪国道のスタンドまでは行けるし、
まわりが明るくなれば手近なところも探せる。
ブライダルエステはなにより安全に移動が可能になったので、遅れを取り戻したいというのもある。
早朝の伊東駅に爆音が鳴り響く。
アクセルを開けた状態のままスロットルを固定するネジが付いているらしく、
暖気運転が終わるまで安定した吸気音が続いていた。
