インドアとアウトドアなウーパー小説

インドアとアウトドアなウーパー小説

適当に小説っぽいの書いてるブログ
ネタ要素がやや多いです注意。

ただの小説更新サイト。

最近のモチベーションはウーパー>インドアです。

インドアは書くと疲れるけどウーパーは書くの楽しいです。

駄文だらけですがよろしくお願いします。

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ラファエルの堕天騒動より3ヶ月。未だに、天使と魔族間の交友はなく、互いに油断を許さない状況となっていた。

いつ襲ってくるか分からない天使に怯える魔族の民、暗黒街を照らす灯。

魔王も落ち着いた雰囲気を醸し出してはいるが、天使への即急な対策及び人民の避難ルートについての計画を1週間後までに完成し民や兵士に公開しなければならないため、かなり焦っていた。

「魔王様、今年の兵士入団希望者のまとめが出来上がりました。」

オフィスで仕事をしていた魔王に、側近の悪魔が長いペーパーを差し出す。

「ふむふむ、よし。受け取ろう。試験はいつ行おうか。」

「魔王様もご多忙でしょうから、今回は少し遅めに行ってもよろしいのでは?」

「ならん、隙をついて天使が来るやもしれんからな。私としてはできる限り早めに行っておきたいのだが。」

「では祝日明けの明後日はどうでしょうか。」

「よし、明後日だな。早速こちらで準備を始めよう。」

「そんな、全て我々が手配します。」

「まぁよい。仕事なんてすぐ終わるし。」

側近悪魔は、魔王の心の広さを改めて知った。

(なんていい人なんだ・・・)


2日後 人間界・サントラル地帯サントラル広場

「こうして魔軍の採用試験に望んでくれた諸君らに私は敬意を払いたい。全魔軍、若き戦士達に敬礼!」

見事な敬礼と魔王の挨拶の後、魔軍大臣から試験についての説明が行われた。

「試験は3項目。擬似戦闘、無人サバイバル、そして筆記試験の3つだ。これに合格すれば、魔軍の立派な兵士としてはじめて認められる。各々の健闘を祈る。4時間後、サントラルドームにて擬似戦闘試験を行う。それまでは休息なり訓練なりをして心を落ち着けて望んで欲しい。では解散!」

数万人の兵士が一斉に動き始めた。中にはぶつかり喧騒になったり、怪我をするものも居た。

「なぁ、飯行こうぜ」

とか突然背後から男が声をかけてきた事例も発生したとの事。


数万人の兵士希望者の中には、有名なヤクザも居て、それらの周りには手下らしき人物が徘徊していた。
いかにもな面々なので人々は避けたが、そんなヤクザに「道を譲ってくれないか」と話しかける人間が一人。
もちろん、ヤクザの手下は激怒した。

「アンレスさんに偉そうな口聞いてっと、擬似戦闘の時ほんとにいためつけられっぞ?」

4時間後に行われる擬似戦闘は、言わば兵団希望者同士が戦闘を行い勝利した方が次の試験に望めるというデスマッチである。
ここで落とされると、2年後に再び行われる採用試験を待つしかない。
そのためこの擬似戦闘で落とされた連中がゴロツキやヤクザに堕ちたりすることがしょっちゅうだった。

「おいやめろジン」

体格は小さいが威風はそれなりにあるヤクザが、怒る手下を咎めた。

「すまねぇな。どくよ。」

「かたじけない」

そう言って、ヤクザに声をかけた男は立ち去ろうとする。

「待ってくれ」

ヤクザが男に声をかける。

「アンタの名前を聞かせてほしい。」

「・・僕はエル。大義を果たすためにここに来た。あんたは?」

「俺はアンレス。魔界で有名なヤクザだとか言われてたが、天使が来てそれどころじゃなくなったんでなぁ。今回は手下と共に試験に望ませてもらったのよ。」

「ありがとう。お互い合格目指してがんばろう」

「ああ。・・ところで、エルの大義ってなんだ?」

「・・・大天使ガブリエルを殺す事だ。やつは罪深すぎると思った。」

「大天使ガブリエルって、あの人間も魔族も見境なく殺す『天魔』とか呼ばれてるアイツか!アイツに手を出す事はやめといた方がいいと思うんだがな・・・」

「俺もそう思いますぜ、俺の兄貴も果敢に挑むも一撃で串刺しになりやしたからね・・・」

手下の一人・・ジン。彼の兄は先の大戦でガブリエルの餌食となっていた。

「いや」

エルは細めの目を少し見開いて言った。

「アイツだけは絶対に殺さなければならない」

アンレスはエルから壮絶な殺意と強い意志を感じ取った。

(こいつ・・・ガブリエルとなんかあったのか・・?奴は恐れられてるから誰も殺すだなんて明確に発言してないのに・・・高望みか?まぁなんにせよ)

「エル、俺はお前に賭けるぜ。じゃあ4時間後にまた会おう」

「ああ。」


次回第4話→魔軍試験・擬似戦闘
「撤退しろ!人間を殺してはならん!」
ラファエルは剣を鞘に収め、退却の準備を既に始めていた。
しかし、そんな命令など意にも介さないと言う部隊が多く、魔族との交戦は依然続いていた。

殺せ!殺せ!魔族を皆殺しにしろ!!!!!!
ガブリエル隊は特に殺意の念が強く、最早それを止められるものなど、その場にはいなかった。
「ガブリエル何してる!撤退だ!人間には手を出すな!」

「あぁ?腰抜けがウダウダ抜かしてんじゃねーよ。いいかラファエル、魔族ってもんは生きてちゃいけない生命体なんだよ。そんな奴らに加担し俺らに攻撃を加えてきた人間も今は殺しの対象だだ。俺がなんか間違ってるか?」

「間違いだらけだ!そもそも我々が何故魔族を襲撃したのか分かってるのか!?僕はそれを踏まえた上で撤退命令を出しているんだ!」

「お前の命令なんざ聞けやしないね、・・おっとっと、あぶねぇ。話の途中に大砲撃ってくるとか対した奴らじゃねえか、人間。だからとっとと死ねやゴラァァァァ!!!!!!!」

ガブリエルは大柄な体格を生かした圧倒的な威圧感で人間を恐怖に陥れ、そのまま首を次々に切断していく。
「やめろガブリエル!!要らん殺しは控えろ!」

「黙れ!大体お前はいつも中途半端なんだよ。この戦いだって魔族との争いにケリつけるためにやってんだろうが!私情で撤退命令なんぞ出すな!」

「ガブリエルゥゥゥゥウゥゥ!!!いい加減にしろよ!黙って剣を収めて僕についてこいよ!」

「信用もしてねぇ奴のところにはい着いて行きますって言うのかお前?」

「は・・・?」

怒りの感情を抑えきれずにいるラファエルとは対照的に、ガブリエルは笑いながら人斬りを続けている。

「だいいち、なんで人間なんか守らなきゃなんねーんだよ。俺ら天使の本当の目的はそこじゃねーんだよ!」

「本当の目的は、正義のためなんかじゃねー。俺らがいかに政治的利益を得られるか。外交で有利に立てるか。それが本当の目的だ。結局は戦いは自分達のために行われているってのにまーだ気づかないのか?」

「ガブリエル、お前おかしくなっちまったんじゃないのか?昔のお前は確かに気性の荒い野郎だったけど、平気で殺しを行うような奴じゃなかった・・・僕が知る限りは。」

「じゃあ、その知る限り、って奴に俺の本性のデータが加わってなかったんじゃねーのか?まぁいいや、お前と話しても時間の無駄だ。ガブリエル隊1軍2軍3軍、全て集結せよ!人間・魔族ともに見境なく切り捨てろ!」

ラファエルは頭がおかしくなりそうだった。「正義」だのを抜かしていたのは自分だけだった。

皆はそういう馬鹿な自分を笑っていたのだ、と。

そして、そんな重要な事を知らせてくれなかった、周りの自分に対する信頼感の低さに絶望した。

「うっっ・・・」

「うああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

ラファエルは再び剣を抜き、ガブリエル目掛けて突進していく。

「なっ、何だラファエル!」

ガブリエルは仲間に襲われるのは想定外だったようで、驚きの表情を表す。

「死ね死ね死ね死ね死ねしいいいいいいいいねぇえええええええええええ!!!!」

ラファエルはガブリエル隊の天使を次々に斬り殺し、ついにはガブリエルにも斬りかかる。

「てめぇ!裏切りは死罪だぞ!わかってんのか!?」

「知るかそんな事、僕はただお前を殺したいだけだ。それが済んだら死罪にでも何でもなってやるよ」

ガブリエルはラファエルの目を見て驚いた。

(こいつ、俺以上の殺意を持った目をしてやがる・・・)

ガブリエルはラファエルの重い一撃をなんとか受け止めたが、馬が暴れ落馬してしまう。

「しまった!」

戦場にとって馬は剣と同じ重要なものであり、高速で進軍するための必需品である。

一度落馬すればその戦場での「死」が待っているとも言われている。

「ちっ・・・」

だがガブリエルは斬りかかってくる魔族や砲撃してくる人間を走りながら斬り殺し、暴れる馬を押さえつけふたたび乗馬する。

そこでラファエルがガブリエルの喉元を目掛けて剣を突き出す。すんでの所で身を翻してガブリエルは一命を取り留めた。

「しっかし、この状況は予想以上に厳しいもんだな・・・仕方ねぇ、退却だ。」

人間と魔族を相手にすれば互角だったものの、ラファエルという天使最大級の戦力にまで敵に回られると、流石のガブリエルも応戦できなくなっていた。

「一旦天界に引き返せ!それからラファエルの身柄を拘束することも忘れんなよ!」

ガブリエルは道中に居た魔族の兵士を殺害しつつ、天界への門まで馬を走らせた。


ガブリエル直属の部下のタルエルは、ラファエルの拘束に一役買った人物である。

ガブリエルの退却命令の後、ラファエルはすぐに馬を返し撤退しているガブリエルの命を狙った。

その時に後ろからカウボーイのようにラファエルの体に縄をかけたのがタルエルである。

ラファエルは縛られると流石に暴れる事ができなくなり、素直に天界への道を進んでいった。


天界に引き返した後、ガブリエルはミカエルに過度な戦闘を咎められつつも、その戦績を称えられ戦争の英雄とされた。

ラファエルは浮かれたガブリエルに変わらず明らかな殺意を向けており、「いつでも殺してやる」といった面構えだ。

ある日、ラファエルの処分が決まる裁判「絶対神の審判」が執り行われる日。

その日にラファエルの運命が決まる事となった。

ラファエルはきつく拘束具で縛られたまま、天界を統制する神「絶対神」の前に連れて行かれた。

「絶対神様、彼の処遇についてはどういったお考えで」

「絶対神の側近」とした立場のミカエルがまず口を開いた。

その場に走る沈黙。衝撃。ラファエルの友人達は固唾を飲んでその光景を見守った。

絶対神は数十秒間考え込んだが、やがて顔を上げた。

「天使への攻撃、並びに将ガブリエルに対する明確な殺意。生かしておいては危険だろう。処刑しろ」

絶対神の決める事は「絶対」に執行される。

ラファエルの命はここで終わる。誰もがそう思った。

無表情のミカエルと、もう一人の天使が剣をラファエルの首元に押し付ける。

「ラファエル、覚悟!!」


血しぶきが飛び散り、ミカエルや周囲の天使の衣服にこびり着く。

「・・・おい、」

「あの拘束具を・・・一瞬で」

そう、「血しぶき」の正体はラファエルではなく、処刑人の天使だったのだ。

ラファエルは首が飛ぶ寸前に拘束具からの脱出に成功し、処刑人の天使の剣を奪い取りそのまま斬り殺した。

「捕えろ!」

絶対神の命により、天使達が一斉にラファエルに襲いかかってきた。

だがラファエルはなおも余裕の笑みを浮かべていた。

「天使は正義なんかじゃねえって事が、よく分かったよ。じゃあな」

それだけ言って、ラファエルは自らの両翼を断ち切った。

「!!!!!!!!!」

「あいつ、自分から『堕天』した!?」

天使が両翼を失った時、『堕天』してしまう。
天使としての使命もそれまでの記憶も全て失い、惨めな人間の一人として生きて行くこととなる。
本来なら天使最大の屈辱であり、自ら堕天する者など今までは存在しなかった。

それをラファエルは、何の躊躇もせずに堕天してしまったのだ。

「な・・・・」

「奴を探せ!まだ間に合うはずだ!」

ミカエルは予測できない状況を飲み込む事ができず、慌てふためいた。

無理もない、目の前でかつての仲間が自ら堕天してしまったのだから。


「ラファエルを探せ!!!!!!」


次回第3話→魔軍試験
-魔族と天使との激戦より3ヶ月。
天使達は再び魔族討伐に動き出す。

「あの腰抜け魔王の事だ、追っかけりゃ部下を盾に逃げるのがオチだろ」
「ああ。きっとそうだろうな」
魔王を蔑み嘲笑する声が魔界の拠点内に響く。
「あまり舐めてかかるな、相手は仮にも魔王だ。それよりも、早く侵攻の準備を整えろ。」
それまで堅く口を閉ざしていた慎重派のミカエルが苦言を述べた。
「・・・・っ、はっ!了解であります!」

ラファエルは今回はガブリエル隊と共に人間と手を結んだ魔族を討伐する任務を課せられていた。
魔界の覇者である魔王が、臆病な人間と手を結ぶのは天使の誰しもが予見していた事だったが、ラファエルは魔王が何故できる限り多くの兵士や民と共に人間界に逃げたのかが気がかりであった。
作戦決行まであと40分。ラファエルは、この戦いで魔王を問い詰めるつもりだった。

ラファエルが拠点を抜けると、既にガブリエル隊が人間界へ向けて馬を走らせていた。
「伝えてくれればよかったのに・・・」
ラファエルは自分が舐められている事に薄々呆れながらも、自分の隊の天使に号令をかけ、ガブリエルに続いて侵攻を開始した。

怪しげな森を駆け抜けること20分。そこから一点の光が見え始めていた。
人間界に繋がる「ヴィシャス・ゲート」だ。
「ヴィシャス・ゲートだ!皆急げ!一刻も早く天の正義を見せつけてやろう!」
ラファエル隊は士気を高めると、ヴィシャス・ゲートへと突入した。


その頃、魔王は天使の侵攻に備え、街の各地に防人を配置する指令を出していた所であった。
「ヒュドラ!お前はこのサントラル地帯を守れ。次、・・・」
ドン!という音とともに、
「報告!!!!!!」
突然、魔族の兵士が慌てた素振りで部屋に駆け込んできた。
「何事だ!?」
「天使がヴィシャス・ゲートを突破!!人間界へ侵入しました!」
「何ッ!?遅すぎたかッ!すぐ行く、あとに続け!」
魔王は身につけていたネックレスを掴むと、ただちにヴィシャス・ゲート付近に集えという大号令をかけた。
「急げ!とにかく急ぐのだ!!!天使は恐らく民をも襲うだろう!それだけは避けたい!」

「なぁ、ラファエル」
ガブリエルがニヤニヤしながら声をかけてくる。
「な、何?」
「俺の足手まといになるのだけは勘弁してくれよ。お前じゃグレムリンにも食われそうだからな」
余りにも露骨な態度に、流石のラファエルも苛立ちと激情の狭間の良く分からない感情が芽生える。
「うるさい、足手まといになんかならないよ」
「ヘッ、まぁ、せいぜい俺の顔を立てるのに役立ってくれ」
そういい残すとガブリエルは近くにあった建物に単騎で突撃していった。
「何なんだ、あいつ・・・」
ガブリエルはつくづく嫌味な奴だ。
それでも、実力が確かなのだ。それがラファエルの立腹の原因であった。

最前線では、すでに天使と魔族の戦いが始まっていた。
剣撃が火花を散らし、怒声とも取れる張り上げられた声が響き渡り耳に障る。
血しぶき、肉塊が宙を舞う、それはもうまさしく「戦場」と呼ぶに相応しい光景である。
「魔族を粉々に!」
そう叫ぶ天の使いの顔は残虐さを滲み出していた。
しかし、この戦いをよく見ると、天使が攻勢に出ており、どちらかと言うと魔族はあまり積極的ではなかった。
熟練した兵士であれば一発で分かるこの不信感。しかし、頭に血が上っている天使たちは気づかない。
魔族の目的は「天使を倒すこと」でもあるが、最大は「人民の命を守ること」である。魔族の兵士たちは、それを忘れずに戦っていた。
その戦場に、一つの声が響き渡る。
「遅れてすまん!」
最前線の戦いに、魔王御自ら乱入する。
「天使ども、我々魔族と君たちとは話し合えば分かり合える関係だ!何故、何故魔界を攻めた!」
魔王の泣き叫びそうな、聞いていて胸が張り裂けそうになる声が戦場を駆け巡る。
「答えろ!」
魔王はそのまま剣を引き抜き、魔族を襲う天使を次々に切り捨てていく。
その姿は魔族を統べる王としての威厳を感じさせられた。
魔王の登場により分が悪くなった天使は、戦場から逃走し始めた。
「逃がすな!奴らは我らではなく関係ない人間や魔族の民を襲うだろう!阻止せねば!」
魔王の一喝のもと、魔族軍は天使への追撃を開始した。


ラファエルは天使たちとともに魔族の掃討を行っていたが、必要以上な殺生はしなかった。
これが彼なりの正義なのだ。
しかし、付近でバサバサと誰でも構わず切り捨てているガブリエルに、ラファエルは疑問を抱いた。
(何故あそこまでやらなければならないのだろう・・・)
殺戮を快楽としているガブリエルの顔はいつも以上に残酷だった。

その時だ、戦況が一瞬にして傾いた。
本来は関係ないはずの「人間」が、魔族軍側として戦闘に参加したのだ。
巨大な大砲や弓矢などを使って天使に次々襲いかかる。
ラファエルはその光景を、ただ眺めるしかなかった。

―本来天使は、人間界と天界の秩序を守るためにという大義の元、魔界へと侵攻したはず・・・
 それを、守ろうとした人間にすら敵意の念を向けられるとは・・・!!!
荒廃したビル。逃げ惑う子供たち。血走った目の天使達、汗を流し必死に戦う魔族。
呆然としているラファエルには、それらをただ眺めるしかなかった。なかったのだ。

次回第2話→堕天

--オォォォオオオ!魔族を殺して殺しまくれェェェ!!!!!
魔界に送り込まれた天界からの使者「天使」。
彼らは魔族が生活する領域である「魔界」を落とし、邪悪なエネルギーで天界を脅かせる魔族を完全に滅ぼそうとしていた。
その中でも大天使ガブリエル率いる部隊は特に大きな成果を挙げていた。魔族の諸将を次々に殺害し、多くの拠点を獲得した。

-魔界の拠点にて-
「ガブリエルの奴、流石だな。腕が立つ。」
ガブリエルと同じく大天使の一人であるミカエルまでもがそう言う。
この男も相当腕が立つが、本人は参謀役気取りらしい。
「しっかし、気性が荒いのがダメな所だよね。」
大天使ラファエルは謙虚さを残しつつ毒を吐いた。
「俺らもあいつに続くぞ。」
ミカエルは剣を握り、置物の林檎からの匂い漂う魔界の拠点のテントから出た。
「僕も行こうかな」


数日間に渡る激戦の後、魔族を統べる魔王は全魔族に人間界への撤退命令を出した。
つまりは天使達の勝利という事だ。
「うおりゃ!!!酒だ酒ェ!酒をもってこいよ!」
一番戦績を残したガブリエルの様にお祭り騒ぎ気分の天使もいれば、ミカエルのように逃げた魔族を追う作戦を練っているような真面目な堅物天使も居たが、どれも一応は「勝利の気分」であるようだ。
ラファエルも天使の正義を通せたという事に満足していた。
しかし、彼は知らない。
魔族にも家庭がある事を。
魔王は仁義の人物である事を。
本来ならば共存できていたはずの魔族をその手で殺める事の罪深さを。
若き大天使は、何も知らない。

次回第一話→人間界への侵攻

翌朝

潤「・・・・ん・・・」

ウーパーさんと話し込んでるうちに眠ってしまったらしい。

辺りを見回しても、十人ほどしか人がいなかった。

潤「あれ?」

おかしいと思い、覇華世に電話をかける。

潤「もしもし覇華世?雨、止んだのか?」

覇華世「うん。そうみたいだね なんだったんだよマジで」

潤「酷い雨だったしなー」

覇華世「で、いつ戻るの?」

潤「そうだねー、明日には帰る」

覇華世「りょーかい。」


電話を切り、外を見てみる。

普通の田舎といった風景で、都会に住んでいる潤にとっては新鮮な空気を味わえる。

「あり、潤ようやく起きたか!」

遠くから声をかけてきたのは、ウーパーの友達の仁だった。

潤「ああ。今起きたんだ」

仁「昨日の雨、なんだったんだろうな」

潤「さあ。俺もわからんよ」

仁「そんな事よりさ!滝、来てくれよ!」

潤「ああ、基地に集まるとか言ってたな。」

仁「皆もう集まってるぜ!お前も来いよ!」

潤「よし。じゃあ話は早いな」

仁は潤に連れられ滝へ向かった。


みえ「あ、潤きた!」

恵子「待ってたよー」

ウーパー「お前いつまで寝てんだよ禿げるぞ」

潤「ハゲはしないと思うな!」

田中っぺ「ふっ、そのうち俺の親父みたいに・・・」

潤「お前の親父何かあったのかよ!」

田中っぺ「まぁ・・・な。」

潤は深く聞かないことにした。

りか「しかし、久しぶりの基地だね」

仁「しばらく近づいてなかったからなー」

マイケル「最初キタトキスゴクキタナカッタデ御座るよ、まあデモオレの究極掃除術を使えば一瞬デシタガナ」

ウーパー「お前はカタコトなのか日本語なのかはっきりしろよ」

マイケル「チッチッチ カタコトもニホンゴデース」

そこへ、買い物袋をさげたひろしがやってきた。

ひろし「お、お待たせ!」

みえ「メインディッシュ来ましたね来ましたねー!」

そこには、キャベツが3玉丸ごとあった。

潤「きゃ、キャベツ?」

ウーパー「俺いっつも食ってんじゃん」

潤「人間の時から好きだったのかよ!」

ウーパー「まあな。実家で育ててるんだ」

仁「で、このキャベツどうやって調理する?」

恵子「そこはお好み焼きでしょー♪」

潤「豚玉か海老玉ならスタンダードだし作れるけど、どっちにする?」

みえ「へ?どっちもしないよ?私たちはね豚肉も海老も使わないの」

そういうと、みえは懐から怪しげな山菜を取り出した。

潤「も、もしやそれは・・」

みえ「ワサビよ。」

潤「はーワサ玉ですかってねーよありえないありえない!なんだそのワサワサしてそうなお好み焼きは!」

みえ「やるならカモカモっとね!!」

田中っぺ「まぁそのネタはその辺にしとけや・・・」

みえ「ごめんごめん」

潤「ここでもアニメやってるんだ」

みえ「テレビ局、この近くにあるんだよ?」

潤「えっ知らなかった」

みえ「こっからは見えないけど、帰りのバスからは見えると思うよ ともかく、作るわよワサ玉!みんな、準備はいい?」

マイケル「Go!」

恵子「楽しみー」

仁「久々だなワサ玉。」

ウーパー「興奮とまんねぇヤベェ 普通のお好み焼きしか食ってなかったし」

潤「悪かったな」

ウーパー「いや、あれもうまいけど地元の味ってのはいいもんなんだよ」

潤「どっちみちじゃねえか」


普通のお好み焼きと違いたまごをひたすら使用する点、そしてわさびが入っている点以外は普通のお好み焼きと同じだった。

潤「これは案外普通に普通の味がする普通のお好み焼きかもしれんな」

ウーパー「松本かよ」

潤「俺はあそこまで普通に普通じゃない人じゃない」

ウーパー「ああもういいゲシュタルト何たらしてきた」

みえ「ぐだぐだ言ってないで、火見ててよ」

お叱りを受けてしまった。


なんやらかんやらでワサ玉完成。

潤「しかし、こんな食い方するの全世界あわせてもこの地域だけだな」

いっただっきまーす!という声が基地内に響き、カチャカチャフォークと箸をつつく音がけたたましく鳴り出す。

みえ「やっぱうまいよこれ!最高!」

ウーパー「某宝石騎士並に刺激的だな!」

潤「別にそこは伏せなくてもいいだろ・・・い、いただきます。」

一口。


潤(・・・・うん。これはなかなかイケる・・・卵がいい感じに絡んでて、うん。これは・・・・ワサビ、いらなくね?)

※作る人はいないと思われますが絶対にまねしないでください てかわさびのハードルが高くてできないかも


仁「潤、どうだ?うまいか?」

潤「んー・・・・・わさび、わさび・・・わさびが邪魔してる気がするんだが」

仁「え?」

みえ「いやメインわさびだから」

潤「まあ、とやかくは言わないわ。」


まぁ、こんな味もあるのだなと勝手に納得した潤はお好み焼きを喰らい、旅立つ仕度を始めた。

みえ「あれ、もう帰る?」

潤「まあ、向こうに迷惑かかるしな」

仁「今冬休みだろ」

潤「今日の晩戦争に出かけなきゃいけないんだ。」

田中っぺ「戦争!?ホンマもんの?」

潤「ホンマもんではないけど、近い迫力はあるな。」

ウーパー(まさか・・・)

潤「よし。仕度終了。最後に、来たばっかりの俺と仲良くしてくれてありがとう。グッバイ」

みえ「じゃあね、またきてよ!」

仁「高校一緒になるかもな!」

マイケル「フライドチキンオクリマース」

ガントレット「俺今回一回も登場してなかったけど、ありがとな!」

りか「残念だけど仕方ないものね またね潤くん」

恵子「今度くる時は枕をよろしくね」

野田「総理大臣なれよ!」潤「ならねえよ!」

ひろし「今度街いくからさ、豚玉と海老玉一緒にくいにいこーぜ!」

潤「おう。待ってるぜ」

ウーパー「じゃあ俺も行くわ」

みんな「弥助、元気でな(ね)!死ぬなよ!」

ウーパー「死ぬかバカ、もうあんな恐怖はゴメンだよ」

みえ「弥助はここに残らないの?せめて実家に・・」

ウーパー「いや、あそこに戻ったところで、俺とは信じてくれないだろうしいい あと乳揉ませろ」

みえ「お前やっぱ死ねよ」

ウーパー「ごめんなさい嘘です」

みえ「じょーだんよ、じゃあね」

ウーパー「おう。ほんじゃ、また遊びに来るぜ!」

潤「さよーならー!」

みんな「ばーいばーい!」


バス停でバスを待っていたら、ウーパーさんがポケットから出てきた。

ウーパー「皆元気そうでよかったわ。」

潤「ホントによかったなおま・・ウーパーさん。」

ウーパー「うん。くる価値はあった。でさぁ潤、戦争云々言ってたけどまさか・・・」



潤「ん?焼肉食いに行くんだよ?去年と同じメンバーで」

ウーパー「えっ」

1年前、ウーパーは数々の人間にボコボコにされた。焼肉のせいだ。当然焼肉のせいだ。

ウーパー「えっ」


えっ

彼はその後8度も「えっ」という言葉を吐いた。

夜には戦争が行われる。極度の緊張感の中、ウーパーは失神しそうになった。



そして9度目の「えっ」とともに、ウーパーは気絶してしまった。