オーストラリアには無料で通える移民向けの英語プログラムがあります。
その名はAMEP(Adult Migrant English Program)。


移民向け、という名前のとおり無料で受講するにはビザの種類は決められてはいるんですが、該当するビザを持っててなおかつIntermediate以下で英語を勉強したいと考えているならマストゴーなところです。

 

Adult Migrant English Program (AMEP)

 

そろそろAMEPに通い始めてもうすぐ2年(長い←)になるので、ざっくり振り返ってみたいと思います。


まず受講開始前に面談があります。

私はそこで「あなたの英語は悪くないんだけど、Level2から始めたほうがいいと思う」と提案されたので、最初のタームはLevel2からスタート。
日本にいたときにスパルタ式英語塾とかTOEIC試験特化塾とか行ったことはあったけど、そもそもスピーキングも含んだ英語の授業って参加したことがなかったのでソワソワしながらどんなもんかなと席に座った記憶がありますわ。


授業は4技能それぞれ使いつつ、ターム毎に強化テーマがある感じです。このタームはWritingとか、Oral Communicationとか。各タームにAssessmentもあるけど相当ゆるい。全員Passしてると思う。


ちなみに文法の基本を学び直したり、オーストラリアの文化について初歩からいろいろ勉強できたのはなかなか有意義だったので、個人的にはLevel2からスタートして大正解だったなぁと思ってます。(夫にはやや呆れ驚かれたけども)

あとすごく仲良くなった友達もこの最初のクラスで一緒だったのもあって、本当にLevel2にしてくれた面談スタッフには感謝しかないです昇天

 

個人的に思うLevel2とLevel3の1番の違いは何かというとクラスメイト。
Level2は国籍はもちろん英語レベルもかなり個人差があってかつ1クラスの人数が多め。ほんと辿々しくしか話せないとか簡単な単語のスペルも怪しいっていう人もいれば、流暢に話せるけどReading/Writingができない、とか。


思い返せばLevel2ではかなりカオスな感じの授業風景だなぁとちょっと遠い目をすることもしばしばだったけど、Level3に上がるともっと落ち着いた雰囲気になりましたなあ。

どのレベルでも学生のバックグラウンドは本当に様々で私のようにパートナービザで来てる人もいれば、難民で来てる人、家族のビザで来てる人、ビジネスビザで来てる人などいろんな事情があって移民してることが垣間見えました。

特にビジネスビザで来てる人は専門スキルを持っていて、いろんなその国独自の仕事の話が聞けるのも面白いです。

 

雰囲気の違いをもう少し詳しく書くと、Level2のときは「ハイハイ!」って手を上げて先生とのインタラクティブなトークに積極性があったのが、Level3だと我先にっていう感じは減ってまあ質問があれば訊くみたいな、ある意味で大人な雰囲気に。
この違いはLevelによるものなのか、クラスメイトがたまたまそういう人が集まったのか、先生のインストラクションによって引き出されたのかはわからないけども、なんとなくLevel2の無邪気かつ活発な授業だったので、こういうの久しぶりだなぁ(小学校低学年以来くらい?)としみじみしました。


これまでのクラスメイトを見ていると流暢に話すのにLevel3に上がれないっていう人は大体共通してReading/Writingが苦手だったかな。
日本での英語教育を受けると文法や語彙はできてもちろんReading/Writingはそこそこだけど話せないっていうタイプが多くなるので、逆のタイプに会うのはなんだか新鮮。

 

あとAMEPって制度変更があって受講に関する制限が撤廃されたから、それこそ10年以上住んでても英語が4技能バランスよく身に付いてないから来てるっていう人もちょこちょこ参加してる。
そしてわりとみんな1年通うか通わないか(場合によっては最初のタームの途中)でとっとと仕事を見つけたり、仕事を見つけることに集中するために学校は辞めてしまうっていう人が多かったです。もしくは次のステップとしてCertificateを取るために専門の勉強するという人も。
なもんで、クラスメイトも流動的でどんどん変わっていきます。同じクラスにいても半年で8割くらいメンツが変わるっていう。


とはいえ、知り合いや友達を作りやすい環境なのでいろんなネットワークは広がるし、移民にとっては英語学習面だけではなくそういう意味でも有難いプログラム。やっぱり立場が同じっていうのは仲良くなりやすいのですよ。とはいえ、これはクラスの雰囲気やクラスメイトとの相性によるかも。
私が参加したクラスは全部誰かしら仲良くなったり、クラスもフレンドリーな感じだったけど、別のクラスから来た人からは全然友達できなかったーとか、居心地悪かったーとか言ってた人もいたもんなあ。

 

ちなみに制度改正の詳細は以下です。

移民向け英語クラス拡大へ、時間数の上限撤廃など | SBS Japanese

 

2020年4月から以下改正

  • 学習時間510時間までの制限を撤廃
  • 申込期限、受講期間を撤廃

 

移民に向けて無料の英語クラスを提供してるっていうだけでも手厚いのにチャイルドケアまでも無料で提供するっていうのが真剣に移民を社会に組み込もうとしててオーストラリアの本気を感じますわ。
逆にチャイルドケアの補助金目的で英語力は十分なのにAMEPに参加してるって人もたまーにいる。ただ、語学って果てはないので参加してるとそれなりに勉強にはなるようです。もちろんすでに英語圏で大学進学してるくらいのレベルだと物足りなさすぎると思うけど。

 

ちなみに日本人にもちょくちょく会います。これは本当にキャンパスによるみたいです。日本人が多いエリアのAMEPだとクラスの4割が日本人だったと聞いたこともあってびっくりですわ。
私が今通ってるキャンパスだとLevel2のときは日本人には誰にも会わなかったかな。Level3に上がってからはクラスに1〜2人いるかなって感じです。

 

最後に、また別の記事で書けたらなと思ってますがWork Readyという2週間の就業体験を含んだ特別クラスも開講されています。
語学だけでなく、ちゃんとその先に繋げられる就業支援のクラスも用意されているのは素晴らしい。あとAMEPと似たようなSEEというプログラムもあるんだけど、なんかそっちよりWork Readyのほうが実用的なんじゃないかと思ったりもします。
SEEプログラムはちょっと調べてもよくわからなかったので結局受講してないけど先生に話を聞く限りほぼAMEPなのでは?という謎が深まるばかり。。

 

あ、そういえば英語の伸びのほうは(AMEPだけの効果かどうかはわからないけど)こちらに来てからTOEICでは600点→850点にはなりました。なんだか中途半端なスコアだけどとりあえず伸びてよかった。IELTS受けろよって話だけどお高いからそちらは受けておりません。子育てしながら、日本語英語混じりで生活してるからそんなもんですわ(常にその言い訳魂が抜ける


ま、あとどのくらい通うかわからないけどAMEPけっこう面白いし役に立つよ、っていう話でした。以上。

 

授業で紹介されたSCRABBLEというボードゲーム。けっこうアツくなるw もうちょい子供が大きくなったら一緒にやりたいなにっこり

 

全然関係ないけど日本のものを送ってくれた友達に↓のオージービーフを御礼で送ったら好評じゃった。肉って大体誰からも喜ばれますよね。ベジタリアン以外。