5年前の夏、夜の9時頃家に帰ると、
ドアの前で仰向けになったクワガタがいました。
子供の頃は、毎年家でカブトムシの幼虫を成虫になるまでお世話したり、捕まえて来たクワガタを飼っていたので平気だったのに、大人になった今、怖くて触れない。
安否確認をと思い、ポストに入っていた広告の端で脚先を触ってみると、かすかにゆっくり動いて、あ、まだ生きている‥‥!
でもかなり衰弱しているようだったので、このまま自然に放しても、食料にありつけないまま命を落とすだろうなと思い、とりあえず家で保護することにしました。
体の下に広告を滑り込ませて表に返しても、じっと動かない。
そのままそっと家に入って、確か昭和の緑のプラスチックの虫かごがコレクション引き出しにあったはず、と思って取りに行こうとした矢先、ひらめきました☆
その当時、玄関に飾ってあった、昭和のミニチュアハウス!
知り合いの業者さんが子供の頃遊んでいたものだそうで、
すでに年季が入っているから、多少、クワガタに荒らされたとしても大丈夫。
木製というのも虫と相性が良さそう。
ジュークボックスやフロアスタンド、デッキチェアまであるし♬
割り箸でそっと持ち上げて、ハウスの中に入れて、
冷蔵庫にあった頂きものの桃をおすそわけ。
すると、自ら桃に抱きつきに行って、桃を吸い出したので
ひと安心!
そして、さずがにこのまま一晩放置するのも怖いので、
このハウスをすっぽりと洗濯ネットに入れて、
ファスナーをきっちり閉めて寝ました。
翌朝、すぐにクワガタの様子を見に行くと、
同じ場所でじっとしたまま。
また割り箸でそっとウエストのあたりをつまんでみると、
ヤメロヨ〜という感じに抵抗したので、
昨日よりは元気になっていることを確信。
ずっと冷房の効いた部屋にいるのも良くないかなと思って
ハウスごと近所の草むらに持って行って様子をうかがっていましたが、まだほとんど動かず。
そこで、翌日奮発して小玉スイカを買ってきて‥‥
ハウスの中に入れると‥‥
桃の時より、もっと元気にスイカと格闘し始めました!
その後、こまめに様子を見て、スイカを新しいものに変えながら生活し、確か5泊6日くらいクワガタの滞在は続きました。
だんだんと、洗濯ネットのファスナーを開けるたびに、中の家具が倒れていたり、あちこち動き回ったあとがあったので、そろそろ自然に返す時が来たなと思いました。
そして、天気の良い日の朝に、またハウスごと外に持って行って、近所の大きめな木の幹に、割り箸でつまんだクワガタを近づけると、ハッ!と我に返ったように、勢いよくモリモリとその幹を登って行ったのでした。
その姿に感動してジンと来てしまい、そして、数日間でしたが、
言葉の通じない生き物と交流して情が芽生えてしまったようで、
ちょっと涙目で帰宅しました。
当時、自分用の記録として撮っておいた写真が出てきたので、
懐かしくなってUPしました。
今年は暑すぎたせいか、あまりセミや虫の姿を見ていないような気がします。
ハウスの裏に貼られたワンサくんのシールで
FIN