書き初めと母と名前の話 8 | ~ココロとカラダをリラックス~ 旅するように暮らす、PBMトレーナー日記

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リンク 書き初めと母と名前の話 7  の続きです。

 

入学式に満開だった桜は、

わたしの小学校の初登校の日には

もうすっかり散っていました。

 

ご近所のお姉さん3人衆に

靴も履き替えさせてくれそうな丁重なお世話で

昇降口まで送ってもらい、

1年生の教室はこの先だからねー

わたしたち3年生は上だから!

と階段を登って行ってしまいました。

 

あれ・・・? 

教室までついてきてくれるって

言ったのに。

 

ちょっと不安になりながら、

1-1と札のかかった教室をそっとのぞき込むと

幼稚園で仲良しだったクミちゃんが見つけてくれました。

 

「アンリちゃん、来たー!!」

 

背の順で一番後ろに並ぶ体と同じく、

クミちゃんの声は大きかった。

駆け寄ってきたくみちゃんの向こうに、

教室中の子たちが一斉にこっちを振り向くのが

見えました。

 

 

クミちゃん声大きいよぉ

こんなに目立ちたくなかったな・・・

あ、サヤカちゃんも、シンくんもいる。

よかった。知ってる子いた。

 

 

五十音順に指定された席は

窓際のいちばん後ろ。

すぐ前にはクミちゃんがいました。

幼稚園の机よりずっと高くて

木の艶やかさが大人っぽかった。

 

 

机には名前のシールが貼ってありました。

名札と同じように、クラスカラーの枠に

担任の先生の見慣れた字で名前が書いてありました。

 

 

そうだ、名札・・・

先生にピンの向き変えてもらわないと、

 

 

って

思い出した時。

 

 

「あーーっ! こいつ名札横むいてる!」

「ほんとだー!」

「あー!名前カタカナだ!変なのー!」

 

 

何人かの知らない男の子が

指をさしてわたしを見ていました。

 

 

 

え ・・・

 

 

ずっと気にしていたことでした。

いちばん触れられたくないことでした。

 

 

誰も気がつかないうちに、

そっと先生に直してもらって

何食わぬ顔でいつの間にか

みんなに混ざろうと思っていたのに。

 

 

 

入学式からたった7日。

でも、教室の空気感や連帯感は

確実に出来上がりつつあって

 

わたしはそこにいなかった。

 

 

 

自分が教室の中で

あさりに挟まった砂利みたいな

どうにも受け入れがたい異物に感じました。

 

 

 

入学式に出られなかったのも

今まで休んだのも

わたしのせいじゃないのに・・・

 

 

 

 

泣いたらきっと大騒ぎになるに決まってる。

それだけは避けたい。

 

目を見開いて、必死で涙をこらえました。

 

 

 

 

初めて会った先生はコワモテだけど優しくて

先生の手の中のピンはあっけなく回って

縦型の名札に変身、

こんなことでわたしどんだけ気苦労したんだ・・・

 

クラスメイトにとっては

初めての転校生!みたいなイベント感に

盛り上がっちゃって怒られてる子もいましたが

わたしはただ黙って先生の話を聞いていました。

 

ほんとは

聞いてるふりをしていました。

何も耳には入ってこなかった。

 

 

こんなはずじゃなかったのに。

こんなはずじゃなかったのに。

こんなはずじゃなかったのに。

こんなはずじゃなかったのに。

こんなはずじゃなかったのに。

 
 

そればかりが、頭の中で響いていました。

 

 

 

 

どこを見ても、サクラチルな春だった。

 

 

でも、この春の桜は、

これから本格的に散るのでございます。

 

 

 

 

リンク 書き初めと母と名前の話 9  に続きます。