チェリスト上森祥平オフィシャルブログ”Bachモノ!”
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ベッチャー先生を偲んで

最近はツイッターばかりで、ブログの方は大変ご無沙汰しております。もうすぐ新年、今年も様々なことがありましたが、個人的には恩師ヴォルフガング・ベッチャー先生が逝ってしまわれたことが心に残ります。そんな年にベートーヴェン・バッハ・ブリテンの全曲演奏を完遂出来たのは、先生に今まで育てて頂いたせめてもの恩返しだったのかもしれません。

ベッチャー先生が本国で教えられた生徒の数は、それは大変なものですが、日本でも先生は傑出した演奏家として、また教育者としても多くの人々に愛された方でした。

先生の盟友フィッシャー・ディースカウ氏指揮(!)のもと、演奏されたハイドンのチェロ協奏曲はYouTubeで聴くことが出来ます。この鮮やかさ、歌の深さ!まさにベルリンサウンド!

ベルリンではベッチャー先生を偲ぶ会が発足し、来年には歴代の生徒が一堂に会するセレモニーが予定されています。そんなベッチャー先生を偲ぶ追悼メッセージが世界各国から集められ、一冊の本になるそう。私も遠く日本からメッセージを送らせていただきました。
 
 

ベッチャー先生を偲んで

私は2005年まで、ベッチャー先生のクラスでチェロを教わっていました。

元々学生時代から幸運なことに、世界で活躍される多くのチェロ奏者の方から様々な教えを請うチャンスに大変恵まれていました。チェロを通して様々な人の音楽観に直接触れらる経験はとても刺激的で楽しいもので、私自身教育者の家系に生まれたこともあり、チェロを通して何を学べるのか、またそれをどのように人に伝えていけるのか、ということに興味が湧いていったのも自然なことだったのかもしれません。

 

そんな中ドイツを代表する演奏家で、大変優れた教育者でもあるベッチャー先生の下、ベルリン芸術大学でチェロを習うことが出来たことは、この上ない幸運でした。ベッチャー先生に私のことをご紹介くださった安永徹さんは、「現代における最も素晴らしい音楽家であり、教育者ですよ。」とベッチャー先生について、深い尊敬の念を持って語っておられたのを、今でもはっきりと覚えております。

 

ベッチャー先生はまさに安永徹さんの言葉通りの方でした。

誰もが一聴して、ため息が出るほど見事な演奏をされる一方で、学びの場ではいつも満面の笑顔で生徒一人一人に接して下さり、私達の日々の成長を我が事のように喜びながら教えておられる姿は、何より忘れがたいものです。

また大変な読書家で研究熱心な先生で、最新の学説から新たな発見をされた際には迷わず自分の演奏に反映され、新しい解釈の生まれた背景も含めて何故その考え方が重要なのかについて明快に説明してくださったり、その一方で往年の巨匠達、ディースカウやカラヤン等との懐かしく想い出深いエピソードについても、昨日のことのように楽しそうにお話しされる姿は、聞いているこちらまで嬉しくなるほどでした。

 

常に進歩的でありながら、伝統的な視点に根差している先生の音楽観は、爽やかな風が吹く中、極めて複雑な歴史の記憶に抱かれたベルリンの街の姿と、ぴったり二重写しのように感じられます。歴史上の大いなる絶望のまさに中心地であると同時に、現代ドイツの輝かしい再生を象徴する街ベルリン。破壊と再生を象徴するその街でたくましく生きてこられた先生。凛とした空気の中で、すっと背筋の一本通った精神のもと、自らの表現を迷わず磨き上げ続けられる先生の姿に、誰もが憧れていました。

いつも教室の外にまで漏れる先生の大きな歌声や話し声は、笑顔のたえない快活でオープンなベッチャー・クラスの雰囲気そのものでしたが、振り返ってみればそうした雰囲気こそが先生の目指すスピリットやビジョンそのものであったのだと、今になって感じております。

 

ある日の夕暮れ時、私が大切な本番を前にレッスンを受けに教室へ伺うと、先生は背を向けて私が演奏する曲をただ一人黙々と練習しておられました。私の姿が目に入るやいなや「ショウヘイ!新しいフィンガリングを見つけたぞ、試してごらん!」と駆け寄って来られた先生の、例えようもないくらい嬉しそうな表情が、今でも忘れられません。

たった一人の生徒に、これ程までに寄り添い、支えて下さった先生。これぞベッチャー先生だと思います。私は「教える」ということの本当の意味を、その時教えられました。

 

今年ベッチャー先生は惜しくも天国へ召されてしまいましたが、100名を超える愛弟子達は今お互いに連絡を取り合い、改めてベッチャー先生について語り合おうと呼びかけ合っています。これほど世界中の生徒達から愛され続ける音楽家は、そうはいないのではないでしょうか。

 

私は先生が遠くに眼差しを向けたポートレートがとても好きです。

先生の視線の先に思いを馳せる時、私も先生と共にいられるのだから。

国内にもベッチャー先生の教えを受けた演奏家は数多くおられます。その方々と共に、先生のご冥福をお祈り致します。

 

上森祥平

 

Twitterはじめました!

昨日みたいなマメな更新はTwitterでやればいいんですよね。

というわけで始めてみましたTwitter!まだ色々お試し中です。

 

渡辺省亭展、やっと辿り着けた、、本当にありがとうございました!!

ただただ、出るのはため息ばかりなり、、
その木の枝一本が美しい。モノクロの雁の羽一枚のふんわり感。ただ、それだけで幸せ。

めちゃめちゃ絵がうまかった為にパリからお声がかかり、渡仏して印象派の画家達に影響与えまくったのに、帰国してからも自分のスタイルを殆ど変えず、浅草から一歩も出る事なく黙々と絵を描き続けた男、渡辺省亭。

"若冲超え"と一部で評される渡辺省亭、若冲と同じく画壇に一切阿らず、ただ絵を描き続けた人物。その揺るぎない美学、カッコよすぎ。
今年上半期の心の支えは、まさにこの渡辺省亭展でありました。夏の終わりまで開催して下さった佐野美術館さん、ありがとうございました!
ただ筆生の大作、12ヶ月花鳥図は残念ながら見られず!こちらの展覧会、国内初大規模回顧展の口火を切る、東京会場では緊急事態宣言による臨時休館で僅か1ヶ月のみの幻の開催。つくづく東京会場の会期半ばでの中止が悔やまれます。

渡辺省亭展、今後また遠からず開催される事でしょう。12ヶ月花鳥図をいつの日かこの目で見られることを楽しみにしております!!さて、次は京セラ美術館さんの上村松園展かな?!

着いたよ!

佐野美術館さん到着〜。

御庭を抜けたら美術館。

知られざる日本画家、ここに蘇る。

全画業・初の大規模展。楽しみやわ!

それでは、行って参ります!!


よっしゃ、遊ぶぞ!

今年のバッハ×ブリテン全曲もめでたく終了、翌日からは現代音楽講習会なるものに参戦。大変楽しゅうございました。
そんなこんなで、あとは目一杯遊びましょう!
今から今年の個人的メインイベント、"渡辺省亭展"見に行くぞ!!目指せ静岡・佐野美術館さん!!

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