実家について、

子どもたちを車から降ろして家に入っていく夫。

 

わたしは助手席に座って待っていた。

 

 

夫が戻ってきた。

再び自宅に向かう。

無言。

 

 

わたしは

自宅に戻る前に寄りたいところがあった。

 

人生最大のショックといってもいいほどのことが

起きている。

そしてこのあと何を告げられて、どうなるのか。

恐怖、怒り、絶望、憎しみ

もうありとあらゆる負の感情であふれていたと思う。

 

 

それなのに、どこか冷静で

心の中では、死にたいと思っているけど

頭の中では、ものすごく先のことも考えていた。

 

 

この先どんな人生になるかわからないけど

ここまできて、ヤラレ損で終わるわけにはいかない

今すぐにでも死にたいけど

もし生きていくとしたら、何が必要か。

 

 

 

まっすぐ自宅に戻ろうとする夫に

道を変えさせて

家電ショップに向かった。

 

 

 

一人で店内へ。

迷わずボイスレコーダーコーナーへ行って品定め。

パッケージも捨ててもらい、

いますぐ使えるように店員さんにセットをお願いした。

そして、大急ぎで説明書を読んで、

ザワザワした店内で試して、

ポケットに入れて

車に戻った。

 

 

夫は何も言わなかった。

そして自宅に着いた。

 

 

地獄の始まりだ。