普通にしよう。

とにかく平静を装うんだ。

証拠写真は撮ったし、

あとから話そう。

そう思っていた。

 

それからごはんを食べよう、と言われたけど

わたしは全身の力が抜けて

頭は真っ白で

とても食べる気にはなれなかった。

 

 

とりあえずテーブルに家族そろってすわったけど

何を作ったのか

何をみんなが食べてて

わたしはどうしていたのか

記憶がない。

 

ひとり、おなかがすかない、というわたしを

夫が不思議そうに見ていたことは覚えている。

ラインを消去し忘れていることに

夫は気づいていなかった。

 

すごく苦しくて

家にいられず、

かと言って何から話していいのかもわからない。

 

 

買い物をしてくるね、と言って

ひとりで家を出た。

 

手足がずっと冷たくて、

動悸がすごかった。

 

スーパーの駐車場に車を停めて

しばらくぼーっとしていた。

周りでふつうに買い物している人

おしゃべりしている人、歩いている人、

みんなみんながいつも通りなのに、

わたしだけ

異次元空間にいた。

 

 

これからどうしたらいいのか

考えても考えても

結論は出ない。

 

 

その日、夜に夫は前々から予定していた

出掛ける用事があった。

それまでに家に戻らないと…

と思うわたし。

 

ん??

でもほんとに用事なのかな?

もしかしてあのラインの人に会いに行くんじゃないのかな…

 

 

信じられない。

行かせたくない。

そう思った。

そのためには用事に出掛ける前に

話さなくちゃ。

 

 

わたしは家に帰ることにした。

修羅場の覚悟をして。。。。。