ここぞというときにウケる話を持っていることは
強みになるが、簡単にできるものではない。
まずはウケない理由から考える。

■まずは話の組み立て。1分程度で起承転結で簡潔に収める。
登場人物の特徴や余計なディテールなど、枝葉の部分を語っていては
相手に飽きられる。

 ×「僕の友達の話なんですけど、すごいいいヤツで、
   昔は部活のキャプテンやっていて、映画に詳しくて……」

逆に、説明不足で話が短すぎても理解してもらえない。
相手に聞いてもらうためには、自分が伝えたいことを明確にして、
どの部分が重要か不要かを整理しておかなければいけない。


■2つめは、話の内容そのものが問題となる場合。
人のネガティブな話題で笑いを取ることは避ける。

もし失敗談で笑いを取りたいなら、自分の経験を語ったほうがいい。
ただし、それも天秤の片方の皿に笑いを、もう片方の皿にトークを
乗せたとき、笑いのほうに皿が傾くかどうかを常に気にしたい。

楽しい・面白いの感情より、悲しい・不快の感情が上回るような話は
避ける。自慢話や成功話がウケないのも同様の理由。
また明らかなウソも、聞き手に不信感を抱かせる。

■3つめは、話す際の自分の気持ちにある。
妙な自信の体で「すごく面白い話があるんだけど」と切り出すと、
相手の期待値が上がってウケなくなるし、笑いながら話すと聞き手の
テンションを下げてしまう。

だからといって話に自信がなければ、いい結果を招かない。
声がだんだん小さくなったり、オチの後に
「まあ、それだけの話なんですけど……」とつけたしたりしては、
面白くない感情が伝播してしまう。
いったん話を始めたら結果がどうなろうと、「この話は面白い! 」と
信じて最後まで喋りきるしかない。

■4つめは話の伝え方。
難しい表現や専門用語は避ける、もしくは用語の説明を入れる。
話に書き言葉を多用するのもやめる。
効果的なのは「擬態法」。「昨日徹夜で、フラッフラなんです」と言ったほうが、
相手も状況を思い浮かべやすい。

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では、笑いが起きるために必要な要素とは何か。

■1つは「緊張と緩和」である。

赤ちゃんに対する「いない、いない、ばあ~」等、緊張が緩和した瞬間、
笑いは発生する。芸人がよく使う「フリ」と「オチ」という言葉も、
「フリ」で状況や設定を紹介して、「オチ」によって状況や設定を裏切る、
緊張と緩和のメカニズムだ。トークでウケるのに「オチ」は重要であるが、
それを効果的に響かせるには「フリ」をしっかり構築しなければならない。


■2つめは「共感」である。

たとえば商談の際、引っかき傷の上に絆創膏を貼って、

 ○「彼女に浮気がバレて顔を引っかかれたんです」

という話をしたら、「そういうこともあるな」とちょっとした笑い話にも
なるだろう。しかし顔に包帯をぐるぐる巻いて、

 ×「彼女に浮気がバレて、バットで殴られたんですよ」

と語れば、相手はドン引きしてしまう。人はあまりに突拍子ない話を、
すぐに受け入れられないからだ。

芸人は奇抜なことを語ってウケているように見えるが、よく見ると7~8割が
「それはそうだな」「わかる、わかる」という共感を与える内容になっている。

共感を与えるのに有効な方法は、自分のキャラクターを押し出すこと。

ウケる話を大きく分けると、話者のキャラに関係なく面白い話と、
話者のキャラだからこそ面白い話がある。

前者はある程度のテクニックさえあれば、誰が言っても笑いになりやすい。
それに対して、後者は自分のキャラを武器にできる。

たとえば、太っている人が、

 ○「いやー、暑くて汗かいたから、ここにくるまで30キロ痩せちゃいましたよ」

 と言ったとする。こうしたキャラを活かした自虐ネタは、愛されやすい。

もしあなたが周りから「堅物で真面目だな」と思われているのであれば、
まずはそのキャラを徹底する。

 ○「提案資料をホチキスで留めてたんですが、何回やっても紙が揃わないんで
昼飯食いそびれちゃいました」

 と話せば、「真面目すぎんだよ、おまえは! 」と共感を呼び笑いが
起こりやすくなる。そしてその真面目さが周知されたら、今度は何かを
ふられても「それ、適当でいいです」と周囲の期待を裏切る。
そうすると「そこは真面目にやれよ! 」と新たにフリ・オチの笑いが生まれるのだ。

ただしキャラは、自己認識と他人の評価に差があることが多い。
キャラを把握するためには、自分史を書くことと“他己分析”が有効である。