秋公開の吉沢亮主演映画が9月20日に公開です。海外の映画祭招待がいくつもある注目の作品です。この作品を知り、「エンタメ産業は、血の通う仕事だと自負している」と力強く主演舞台の千秋楽舞台挨拶をした三浦春馬の言葉を思い返しました。


厚生労働省からのお知らせ

2年前にアメリカでアカデミー賞を受賞した『コーダ 愛の歌』の影響は、今までマイノリティを取り上げてこなかった日本にまで波及しています。エンタメが世界的に取り上げだしたテーマ『マイノリティー』。日本でも障害に対して冷たかった社会がやっと動き始めるようになってきました。

私は子供の頃から、いろんな社会問題に取り組む親の背中を見て育ちました。差別をなくすことってなんて難しいんだろうと感じてきました。でも、そういう私もその頃は他人事でした。当事者になり、先人たちの努力がようやく受け入れ出したと感慨深く感じます。

現在NHKでは、障害のある俳優を積極的に起用しリアルな作品作りをしています。以前に取り上げた『デフ・ヴォイス』『%』に続き、ドラマ『向こう岸』では、ヤングケアラーと生活保護という社会問題をテーマにしていて、見る側にあまり社会が向き合わなかった問題を真剣に考える機会を与えています。

そして今回注目するのは9月20日公開の吉沢亮主演映画。今までは、障害者にスポットが当たる作品はありましたが、聞こえない人を介助する人の立場、どんな苦労があるのかを知るきっかけになるのだと思います。

いや、ただ知るだけではなくその先の問題を考えるきっかけになってほしい。今の社会で本当に必要な人に社会保障がないことが問題になっています。必要な人が少数で選挙の得票にならないから伐る?違うのではないか。声なき声を拾い上げる血の通う社会であってほしい。



私には吉沢亮くんのイメージは、クールなイケメンで人気のアクション俳優だと思っていました。

あまり作品を見たことがなくて、思い込んでいて申し訳ないと思いました。

が、『NICU』での演技がとても良くて、こんなに繊細な演技ができる人だったのだと驚いてしまいました。

『銀魂Ⅱ』で共演した春馬くんが「やっぱりこの人の演技好きだな」と言っていたことを思い出しました。私は、PICUで初めて彼の作品を観ました。春馬くんの言葉の意味に触れられた気がしました。

とても楽しみな作品になりそうです。



 「僕の生きている、ふたつの世界」


映画紹介より抜粋

コーダ(Children of Deaf Adults/きこえない、またはきこえにくい親を持つ聴者の子供という意味)という生い立ちを踏まえて、社会的マイノリティに焦点を当てた執筆活動をする作家・エッセイストの五十嵐大氏による自伝的エッセイ『ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと』(幻冬舎)が原作。脚本は、『ゴールド・ボーイ』(2024年)、『正欲』 (23年)等を手がける港岳彦氏。吉沢が、耳のきこえない両親の元で育った息子・五十嵐大の心の軌跡を体現する。



吉沢演じる主人公のろう者の両親、母・明子役に忍足亜希子、父・陽介役に今井彰人のろう者俳優として活躍する2人が起用され、あふれんばかりの息子への思いを表現した。


 忍足は「私は五十嵐大さんの家庭とは逆の境遇で、私は生まれつき きこえないこどもで、きこえる親から生まれ、きこえる世界で育ちました。 自分は何者なのか孤独感や苦悩と葛藤しながらも、きこえる世界ときこえない世界を行き来するという、同じ立場だからこそ、とても共感しました。コーダの世界をひとりでも多く知ってもらえる良い機会になれば見方も変わると思います」



橋梁(きょうりょう)を走る列車の車窓、駅のプラットフォームには、故郷・宮城から上京するための列車を待つ五十嵐大(吉沢)が。きこえる世界の彼が見つめているのは、きこえない世界の母の後ろ姿。そして大を乗せた列車が新緑のトンネルをぬけ、これから経験していくであろう“ふたつの世界”をつなぐかのように進んでいく…母のことを思いながら、未来への思いを馳せる大の表情から本作の物語を伝える映像となっている。


作家五十嵐大のコメント

ふたつの世界に挟まれ、まるで揺蕩(たゆた)うように生きるコーダについて説明するのは、いつだって難しい。だからこそ、理解してもらうことを諦めていた時期もありました。でも、社会は少しずつ前進していて、ようやく、コーダが抱える葛藤にも目が向けられるようになりました。子どもの頃の自分がいまの状況を目にしたら、「世の中は捨てたもんじゃないな」と思うかもしれません。完成した映画は、想像を遥かに超えるものでした。コーダの苦しみが描かれつつも、そこにあるのは普遍的な親子の愛情です。きこえない母ときこえる息子がどんな愛情を紡いでいくのか、ひとりでも多くの方に観ていただけることを願っています。


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