自分の気持ちと向き合うのが怖くて開封出来なかった日本製のパッケージを開けた。モノクロの写真集を手にとった。1年間彼を追い続けたメモリアルで、色んな人が話す彼の仕事仲間への思いやりだったり、レッスン中のストイックに自分を追い込む努力をしている姿だったりがあった。 

 その気持ちを高める時間であったであろう舞台裏や客席近くでストレッチをする姿、舞台前に役に入るスイッチを切り替える瞬間のメイク姿は、今までファンに見せることを許さなかったのではないのだろうか、見たことも聞いたこともない素の表情が覗える。役者として30歳を迎える或いは迎えた心境に変化があったようにも思える。

 映画の為、海外進出の為にと殺陣を習っていた彼が、真剣を扱っている写真が目に止まる。人の命を奪う道具を扱う重み、覚悟が感じられる。おそらく、その心境を知りたかったのだろう。全く三浦春馬って役者は、ストイックで努力家で私の想像の遥か高みを軽々と飛び越えていく。そして、真剣な表情は、神々しく、また美しい。

 ローラのメイクをする彼は女性の顔つきだが、その後、ローラの衣装を纏った彼はまた表情を変える。ドラッグクィーンローラのステージでの顔つきになる。私は、他の国のローラも見ました(動画で)が、春馬ローラはとりわけ美しく魅力的だった。特に再演された2019年のローラは自信に満ち溢れ、その熱量が画面から溢れてくる。迫力もあった。生で通して見たかった。叶わなかったのが心残りです。

 春にロードショーされる真剣佑と最初で最後の共演となる『ブレイブ群青戦記』での乗馬の稽古も凜としている。なんて美しいんだろう。


 本編は、まだ読み始めたばかりだが、かつて社会の授業で学んだ特産品はテストの為、覚えたがなかなか覚えられなかった。


 しかし、『日本製』の中には、彼が海外に行く度に聞かれる日本の良さが詰まっている。海外に行き、知り合った人達が、自国の素晴らしさを教えてくれるのに自分は、日本の良さを詳しく話せない。その事を恥じたのだ。普通は、ここで終らせる話だが、三浦春馬は、違った。雑誌の取材で懇意にしていた人達に話したことがきっかけで全国47都道府県を巡ると言う企画が立ち上がったと言う。

 下調べも欠かさず取材し、分かりやすい言葉で説明された名産品は、評判になった。 

 漆器の製造工程を『せかほし』で見たときには、彼が愛用している茶碗が紹介された。漆が剥げている下地が見える部分もあるが何層にも漆が塗り重ねられている事を生産者は、取材中『経年変化』と話した。しかし、三浦春馬は『経過美化』と言った。何としっくりくる言葉だろうと驚いた。皆、手に入れたいと、生産が追いつかないほどだと聞く。日本中には『経年美化』する物に溢れている筈だと思う。この『日本製』の中にも。取材しきれなかった物の中にも。

 日本独自のもの造りに携わる方々には、この『経年美化』と言う新しい言葉を是非使っていただき、日本中に世界にあなた方が誇る日本製の良さを広めたい。


 勿体ないは、『天外者』伍代友厚が生きた江戸時代からの日本人の知恵の文化である。物に感謝して大切に使う。この漆器のように。今一度見直したい。

 彼らが愛した日本を私達日本人の手で、日本の良さを取り戻したい。




、見た事もみ

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