小林製薬が製造・販売した紅麹使用サプリメントが大きな問題となっていますね。この記事を執筆している時点では、5人が死亡、157人以上が入院する事態となっています。

 

事件の全容はまだ明らかになっていませんが、現時点では紅麹自体が悪いと言うよりも、小林製薬の自社工場で製造した原料の製造過程において、本来意図しない青カビ由来の成分「プベルル酸」が混入し、それが腎疾患など健康被害と関連があるのでは無いかと考えられています。

 

サプリメントの安全性や危険性について以前から問題視されていましたが、ここまで大きな事件になったのは今までで初めてかなと思います。

 

僕自身、分子栄養学やサプリメントに関わっていますが、幸いにも僕のメンバーさんは今回事件となったサプリメントによる被害はないみたいですね。(まぁ、分子栄養学をしっかりと学んだ方なら飲まないと思いますが😅)

 

 

で、この事件の本質としては、

 

・紅麹だけが危険

・小林製薬のサプリメントだけが危険

 

という問題ではないという点です。

 

一部報道にもある様に、プベルル酸が腎疾患を直接引き起こす原因とは今現在まだ断定されていないものの、意図しない成分が混入していたことは事実です。そして、その原因には原料の製造・品質管理体制に問題があった可能性が指摘されています。

 

そして、この製造・品質管理の問題は小林製薬のサプリメントに限った話しではありません。サプリメントによる健康被害は、過去にも度々問題となっています。

 

例えば、厚生労働省が配布している「健康食品による健康被害の未然防止と拡大防止に向けて」というpdfでは、過去に問題となった健康食品関連製品の主な有害事例が記載されています。

 

 

https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/dl/pamph_healthfood.pdf

 

特にクロレラやL-トリプトファンの事例では、製品中に不純物や有害物質が含まれていたことが原因でした。これらは今回の小林製薬のサプリメント問題と似ていますね。

 

また、サプリメントには意図せず有害物質が混入してしまう以外にも、医薬品成分を意図的に混入させているとも思える事例があります。

 

例えば、愛知県衛生研究所では平成18年4月1日から平成19年3月31日までの1年間に、国内の「健康食品」から検出された医薬品成分の検出状況について調べた結果があります。それによると、合計66件から検出されるという結果になりました。

 

 

 

 

最近では、「痩せるゼリー」の中に国内未承認の「シブトラミン」が混入しており、このゼリーを食べた人が亡くなるなどの健康被害が出たことは記憶に新しいです。

 

 

 

 

このように、サプリメントには意図しない成分や医薬品成分が混入している事例が以前から報告されており、今回問題となった小林製薬のサプリメントだけに限った話しではありません。

 

「大手が製造販売しているから安全だろう」と思っているサプリメントであっても、決して安全だとは言い切れないわけです。

 

 

そもそも、サプリメントは「食品」という位置づけであり、医薬品ほど厳密な設計や製造、テストが行われていません。

 

医薬品は有効性を保証するために体内での崩壊性を考慮した設計や製造、汚染物質などが混入していないかなどの厳しいテストを行いますが、市販されているサプリメントの多くはこのような考慮や設計は殆ど行われていないのが普通です。

 

そのため、今回の小林製薬の紅麹サプリメントのように、有害物質や異物が混入している可能性はゼロではありません。

 

もし、有害物質が混入していた場合は、今回の小林製薬の紅麹サプリメント事件のように、死者が出るなどの大きな事件へと発展してしまいます。サプリメントは通常の食品と比べて成分を高濃度に濃縮しているため、余計に重篤な健康被害が発生しやすいのです。

 

 

ですので、今回小林製薬の紅麹サプリメントを使用していなかった方も、決して他人事とは言えません。

 

あなたが摂取している海外サプリメントや市販されているサプリメントにも、同様のリスクは常につきまとっています。今飲んでいるサプリメントの製造ロットが安全な物であったとしても、次回製造されたロットは安全では無い可能性があります。

 

今回の紅麹サプリ事件は、サプリメントを愛飲している人全員が「自分ごと」として問題に向き合うことが必要です。

 

 

特に分子栄養学を実践している方は細心の注意を払ってサプリメントを選ぶようにして下さい。

 

分子栄養学では通常必要とされる量よりも何倍の量の栄養素量を摂取します。そのため、今回の様な有害物質がサプリメントに混入していた場合の健康被害ははかり知れません。

 

分子栄養学を実践する際に使用するサプリメントは、安心・安全である事が第一です。決して、「安いから」という理由だけで選ぶべきではありません。

 

安いと言うことは、それだけ手間やコストをかけてない「理由」があります。この理由は、製造・管理体制や衛生対策にコストや手間をかけていなかったり、原材料が汚染されていないかなどのチェックを省いていたりなど、私達の目の届かない部分で行われています。

 

だからこそ、分子栄養学を実践する際は、サプリメントが安心・安全かどうかを見極める「眼」と「知識」が必要です。

 

100円で売られているサプリメントと、3000円で売られているサプリメントが同じ品質・安全性であるハズがありません。分子栄養学を実践する際は、このようなサプリメントに対してもしっかりと学んでから行うようにして下さい。

 

反響があれば、次回は安心・安全なサプリメントの見極め方と、分子栄養学の実戦で使用するサプリメントの条件、サプリメントの質について解説したいと思います。

 

それでは👍