3億円事件の4ヵ月後
現金が入っていた空のジュラルミンケースが発見されました。

ケースを積んでいたのは、当時よく売れたカローラ。場所は団地の駐車場。
マイカーブームと、他人の事に無関心といわれた団地族の心理を読んだ犯人の作戦に、
まんまとひっかかったと当時のマスコミは騒ぎ立てました。

物語上では、番号の記された3億円紙幣を政府官邸に送りつけたことになっています。
それでも日本政府がその事実を世に公表しなかったのは、
事件の発案者が「内閣職員の息子」であった事。

この事実に対して取らされる責任「内閣総辞職」
はたまたそれらが全て「日本の恥」になることを恐れた結果としています。
犯人がわかっていても、それを公表できない理由が政府側にあったというのです。

発案者は内閣職員の息子ですが、実行犯は「みすず」という女子高生です。
彼女が3億円事件の実行犯だとするならば、
彼女が描きたかったのは事件そのものではありません。

彼女が本を出版した理由。
それは事件で公表されるはずもない、
初恋の相手に宛てた想いだったのです―

次回「初恋 連載最終回 ~みすずの想い~ 」