アメリカのアイオワに住む73歳の「アルヴィンおじさん」は、
突然倒れて病院へ運ばれました。
「今までと同じ生活を続けていると、これ以上生きられませんよ」
と病院の先生から忠告されます。
そんなある日、「76歳の兄:ライルが心臓発作で倒れた」という連絡が入ります。
兄とは10年前に喧嘩別れしてから一度も会っていません。
誰よりも自分のことを理解してくれていた兄と、些細なことで喧嘩となり、
それ以来10年間も音信不通の状態です。
アルヴィンは兄と仲直りするため、会いに行くことを決意します。
とは言っても、兄の住むウィスコンシン州までは550キロの距離。
車で行けば1日で到着しますが、アルヴィンは免許を持っていません。
車で送ってもらえばいいものを、
あくまで自力で会いに行くことにこだわったアルヴィンは、
芝刈り用の小型トラクターに荷台を取り付けて、
わずか時速8キロしか出ない乗り物で単身出発
6週間かけて会いに行きます。
淡々と続く農園地帯を通りすぎていく時間。
星空を眺めながら一人で眠りにつくアルヴィンおじさん。
このとき、アルヴィンは何を想うのでしょうか。
一人旅ということもあり、それほどこの物語にはセリフがありません。
それゆえにアルヴィンおじさんの言葉には非常に重みがあります。
途中で出会った若者、家出をした女性、牧師、トラクターの修理と寝る場所を提供してくれた家族・・・。
そしてラストシーンである兄との再会。
自分の前に現れた足腰の悪い弟とくたびれ果てたトラクター。
「これでここまできたのか?」
それ以上、兄と弟に言葉は必要ありませんでした。
これは、ニューヨークタイムズの小さな記事だった実話を基に作られた映画
「ストレイト・ストーリー(1999)」のお話です。
今年の正月、実家に帰ったら昨年父が大腸がんの手術を2回もしていたことを初めて聞かされました。
「なぜ連絡しないのか」と兄に聞くと、
「命に別状がない以上、心配をかけたくないという本人の希望だった。」
というのです。
私は独りで生きているわけではないのだと強く感じました。
本当は言葉なんて必要ないのかもしれませんね(*^o^*)




