カウンセリングで自分のことを話せるようになった彼は、話すことで自分の考えがまとまり、自分がどこに向かっているのか分かるようになったそうです。

カウンセリングを受ける前までの彼が向かっていた方向は「居心地の良さ」でした。自分だけではなく、周囲の人が快く過ごせる環境を目指していました。しかし、カウンセリングで話す中、彼は自分が求めていた「居心地の良さ」が、周囲の人間にとっては「どうでも良いこと」だったと思うようになります。カウンセリングを通して、一歩引いた目で見渡すことができるようになり、周囲の人が求めていたのは、「仕事をしやすい環境」ではないことに気付きました。彼がカウンセリングを受ける中で気付いた結論は、周囲の人達が求めていたのは、「仕事がウマクいかない正当な言い訳」だったそうです。
周囲の人達が、仕事のウマクいかない「正々堂々と言い訳できる理由」を求めている中で、ウマクいく方法を模索していた彼は、やはり邪魔な存在だったのかもしれません。カウンセリングを受けているうちに、周囲の人たちのニーズと、自分が目指していた方向性にギャップを感じはじめ、この環境で生きていくことが、「自分らしい生き方」ではないという結論に至ったようです。

それまでの自身の価値観を、自身で否定することは、ツライ作業です。カウンセリングの最中に、自分の出した結論に、ヒドク落ち込んだそうです。
そしてこの環境にしがみついて生きている自分の小ささを思い知らされたとのこと。

彼はカウンセリングという支えを活用しながら、「自分らしく生きたい」と強く思うようになったそうです。

カウンセリングを受ける前までは、「◯◯でなければならない」という観念が強く、「職場は仕事しやすい環境に整えていかなければならない」と思い込んでいました。その結果、言動や思考が「◯◯であるべき」「◯◯しなければならない」という「should、must」の世界にドップリはいりこんでいました。カウンセリングの終盤には、「こんな人間と一緒に仕事してて誰が楽しいと思うだろうか」と自分を笑うようになっていましたが、ここから抜け出すのが一番大変だったそうです。

カウンセリングを受けて強く願うようになった、「自分らしく生きたい」という思いは、「◯◯したい」という「want to」の世界であり、カウンセリングを受ける前とは言動や思考が変わりました。思考が変われば行動も変わり、行動が変われば結果が変わります。
カウンセリングの後、得られる結果が変わっていくことで、彼はカウンセリングの効果を実感できたようでした。

カウンセリングを通して報復行為に対する対処法を考察していた彼は、いろんなことを調べるようになりました。


どんな報復行為をしてくるのか想定し、各々の対処を個別に考えるよりも、報復行為自体が許されない活動である根拠を調べ始めました。カウンセリングでは、調べた内容を雄弁に語りはじめるようになり、自分のことも良く話すようになりました。


うつ病で落ち込んだ気持ちが、少し高揚気味にリバウンドしたらしく、調べ物を終えた後や、カウンセリングで話が終わった後は、グッタリと疲れきっている様子でした。不眠症はだいぶ改善したらしく、良く眠れるようになったとのこと。食べ物の味も分かるようになったそうです。カウンセリングの効果なのか、薬の量を増やした結果なのかは分かりませんが、何か一つずつ前に進んでいるような気持ちになっていたようです。


彼がカウンセリングで雄弁に語った報復行為への対処方法は、パワーハラスメントに該当する行為があった場合は記録を残し、然るべき部署に訴えていく準備をすることだそうです。

社内でもセクシャルハラスメントやパワーハラスメントの相談窓口が設置されており、社外では公的機関を活用できるのだそうです。カウンセリングを始めた当初は、誰かに迷惑を掛けてしまうことに怯えていた彼ですが、数回のカウンセリングを受けた後、自身が不当に扱われた場合は、しっかりと戦う意志を持つようになっていました。


これもカウンセリングで彼が話し始めたことですが、今まで対決を恐れて弱腰になっている自分がいたため、相手は調子に乗ってドンドン無理難題を言うようになってきたのだそうです。そしてそれに耐え続けた結果が、自分を壊すことになったと気付いたそうです。


カウンセリングで彼が話した内容が真実なのか、その認識や対処方法が正しいのかは分かりません。

相手から見ると、別の真実や別の認識があるのかもしれません。

彼は今まで相手の認識を尊重して生きてきました。

しかしカウンセリングの中で、自分の認識も否定されるものではないと思うようになったそうです。


カウンセリングが始まった頃の彼は、うつ病が悪化していたため、何に対しても無気力でした。
やる気が出ないので、治療に専念する気持ちも持てなかったのかもしれません。カウンセリングでも自分のことをウマク話せない様子でした。カウンセリングで話した内容が、どこかに漏れることはないと知っていても、とにかく会社や取引先に迷惑が掛かるのではないかと怯えていました。自分がこんな状態になり、カウンセリングまで受けていることが誰かにバレたら、またみんなに迷惑を掛けてしまうと思っていたようです。自分を責め続けるだけでは、カウンセリングが進まないことを理解していても、上司や同僚など他人を責めることができず、カウンセリングを受けること自体がつらい様子でした。


心療内科では抗うつ剤の量を増やすことになりましたが、カウンセリングを受けていることは言わなかったそうです。診断書等の記録に残され、会社にバレることを恐れたためだそうです。いろんなことに気を使って生きている彼ですが、カウンセリングを受けているうちに、何でこんなツライ思いをしなければならないのだろうか?と疑問に思い始めたようです。何を食べても砂を噛んでいるようで、まったく味を感じていない自分を自覚し、本当の自分を取り戻したいと思うようになりました。


うつ病の一番怖い時期は、気分が落ち込んだ後にみせる、少しずつやる気を取り戻す時期です。カウンセリングで少しずつ自分のことを話せるようになってきた彼は、怒りや悲しみといった感情が少しずつ強くなってきたらしく、何かをしなければ現状は変わらないと認識しはじめます。カウンセリングでも「何かをしなければ」という言葉が増えてきました。この何かをしようという気持ちが、正しい方向に向かえば良いのですが、何をして良いかわからず、自殺という道を歩むケースもあります。カウンセリングを始めた当初は、自殺する気力もなかったのですが、今では気力だけはあります。この気力をカウンセリングを通して、何か他の方向に向けたいのですが、本人は何をして良いか分からない状況です。


彼がカウンセリングで気付き出したことは、上司や同僚からの報復行為に「自分がビビって何もできずにいる」という状況でした。そして報復行為を恐れる一番の理由は、どう対処して良いか分からないという不安でした。

そこで彼はカウンセリングの中で、報復行為に対し、どう対処したら良いか考えるようになりました。

カウンセリングを受けることなく、抗うつ剤と睡眠薬のみで治療していたのですが、症状はどんどん悪化していきました。


薬でなかなか治療効果が得られなかったことから、カウンセリングを検討していたようですが、治療当初よりも環境が悪化していることも、カウンセリングを検討する材料となったようです。


元々、上司や同僚との関係性を原因に抑うつを発症していた彼が、さらに上司の強い監視下で働くこととなり、そのストレスに耐えられなくなってきたのでしょう。カウンセリングを受けたいという気持ちよりも、現状から逃れたいという気持ちの方が大きかったそうです。カウンセリングを受ければ、その状況から抜け出せるものと期待していた様子でした。


しかし、うつ病も進行していたのか、「カウンセリングを受けよう」という意欲すら出てこなかったらしく、病状を心配した奥さんと家族数人で、無理矢理連れて行くことになったそうです。


この頃には強いストレスのため、頭痛、嘔吐、食欲不振、集中力の低下などの症状も出現し、食事はほとんど摂れていなかったようです。家族がカウンセリングを受けさせたいと思った決定的な出来事は、彼がトイレで吐いた胃液の中に、抗うつ剤が溶けずにそのまま出てきてことです。これではいくら薬を飲んでも効くわけがないと思い、カウンセリングによる治療を考えたそうです。


何度も検討していたカウンセリングに、なかなか踏み切れず、嘔吐物の中に抗うつ剤が残っていたのを見て、ようやくカウンセリングによる治療に踏み切ったのですが、まず最初に起こす行動は、上司の徹底的な監視状態から逃れることです。


さっそく上司の上司に相談し、現状を改善してほしいと伝えることになりました。この行動は直属上司のメンツをつぶすことになるため、彼にはなかなかできなかった行動です。カウンセリングでも、上司からの報復行為が怖くてできないと悩んでいました。しかしカウンセリングの中で彼が気付き出したことは、報復行為にビビって何もしなかったことが、今の状況を生んでいるということでした。


カウンセリングで報復行為を恐れる一番の理由を導き出したところ、その報復行為に対してどう対処して良いか分からないという漠然とした不安でした。



カウンセリングで「うつ病」を克服し、自分で問題を解決した事例を紹介します。

20代後半の専門職に就く男性で、勤務先の人間関係に悩んでいたものの、誰にも相談できず体調を崩していました。カウンセリングを受ける人は、精神的に弱い人だと思っていたらしく、自分にカウンセリングは必要ないと考えていたようです。


眠れない毎日が続き、お腹がゆるくなったことから、一日に4~5回はトイレに行くようになったそうです。後にカウンセリングを受け、当時の自分は異常だったと認識しましたが、カウンセリングを受けるまでは、当時の状況を異常だと思わなかったようです。


繰り返す下痢に悩まされ、肛門裂傷により痔出血をきたし、出血が止まらないことから、消化器内科を受診しました。大腸の内視鏡検査を受けるものの、痔核以外に異常を認めず、諸々の症状から、医師よりカウンセリングを受けることや、心療内科を受診するよう勧められたそうです。


後のカウンセリングで話してくれたことですが、自身の精神面に問題があると指摘され、気持ちが安らいだそうです。心療内科を受診したり、カウンセリングを受けるような人は、自分よりもっと大きくてツライ問題を抱えていると想像していたため、自分はそれに該当しないと決めつけていたとのこと。


医師の勧めにより、まずは心療内科を受診したのですが、軽度の抑うつ状態と診断され、抗うつ剤と睡眠薬を処方されたそうです。カウンセリングについては特に必要とする状態ではなかったため、当初の治療には組み込まれず、薬でコントロールすることとなりました。


自身の健康状態について上司に報告したところ、診断書の提出を求められ、就労上問題ないか業務を監視されることとなりました。カウンセリングを受けたいと思うようになったのは、この頃だそうです。上司が出向先にも同行し、全ての業務を後ろから見ている状況に、強いストレスを感じるようになり、退職を考えたようです。


まだカウンセリングを受けていなかった当時の彼は、自分が何か行動を起こす度に、周囲が自分にとってツラクなるような行為を仕向けてくると感じていたらしく、そこから抜け出せないでいる自分を卑下するような状態でした。


カウンセリングを通じて心に余裕が出てくると、感じ方や考え方も変わってくるのですが、当時の彼は閉塞感に心がつぶされそうになっていたようです。

カウンセリングを受けるまでの経緯は人それぞれですが、うつ病でカウンセリングを受ける人の多くは、問題となる何らかの症状を改善したいというニーズを持っています。


カウンセリングを受ける前や、うつ病が見付かる前は、頭痛、吐き気、疲労感、倦怠感、下痢、便秘、不眠などの症状で悩んでいた人が多いらしく、精神状態の改善とあわせて、身体症状も改善します。カウンセリングでうつ病の精神状態が改善し、身体症状も改善してくると、目の前の問題が解決されたように錯覚してしまい、うつ病も治ったように思え、途中でカウンセリングをやめてしまう人もいます。そのまま幸せに暮らしてくれれば良いのですが、7~8割の人はうつ病を再発し、再度カウンセリングに通うことになるようです。


心療内科でうつ病の薬をもらっているものの、カウンセリングを受けたいと思う人の多くは、根本的な問題を解決できていないと感じて、カウンセラーを訪ねるようです。薬で症状をいくら改善しても、うつ病を発症させる原因が解決していなければ、いつ再発してもおかしくないわけです。そこでカウンセリングに期待して「問題を解決できる」とカウンセラーを訪ねるのですが、そんな簡単には解決できないようですね。

カウンセリングの効果が得られるには数ヶ月ほど期間を要するので、うつ病の原因となるような問題をすぐには解決できません。

「誰かが」問題を解決してくれるという依存的な考え方から、カウンセリングを通して「自分で」問題を解決できるようになることが、本当の根本的な解決につながります。


うつ病になる人の周囲には、それを誘発させる環境が存在します。その環境の中で「より良く生きる自分」を創り上げていく過程に、カウンセリングという支援が効果を発揮することでしょう。



カウンセリングを受けようと思うほどの「うつ病」って、どのくらいの症状なんだろう?

長い人生、死にたくなるほどの苦しみや悲しみは、誰でも一度や二度は経験していると思います。
カウンセリングを受けるほどではなくても、「うつ病」のような気分になることなんて、少なくても月に1回はあるかも?
ヒドイ人なら、毎週のようにあるかもしれません。「また明日から仕事か・・・」「もう休みが終わってしまった・・・」と落ち込んだ記憶はあるでしょ?
でも、そんなことでイチイチ「うつ病だろうか?」「カウンセリングでも受けようかな?」とは思わないワケですよね。

「体調が悪い」と言って、本当に病院を受診する人はいますけど、最初からカウンセリングという選択肢を選んだり、自分が「うつ病」ではないか?と疑う人は少ないと思います。よく「病識がない」という表現を使いますが、精神疾患を発症した人の初期段階は、自分が「病的な状態である」と、自身で認識できないようです。
カウンセリングを受ける人は、自分が「心理カウンセリングを必要としている」と認識しているので、進んでカウンセラーを訪問し、カウンセリングを受けることになります。もし、うつ病を発症していたとしても、自身の状況をハッキリと認識していなければ、初期の段階で「カウンセリングを受けよう」とは思わないわけです。

これらを考えると、カウンセリングを受ける「うつ病」とは、症状がヒドイとか、苦しみが大きい、という尺度で解釈するものではなく、治療の過程でどんな段階にあるか「カウンセリングが必要な段階にあるか」という視点で解釈されるのかもしれません。

うつ病が見付かるパターンとしては、最初に何らかの身体症状を認め、そこから病院を受診し、いろんな検査をしても原因を特定できず、医師や周囲から心療内科を勧められ、ようやく「うつ病だった」と診断されるケースが多いそうです。
うつ病と診断されることで治療が始まり、その治療過程でカウンセリングを必要とする人もいますが、カウンセリングを受けなくても回復する人もいますので、カウンセリングはうつ病治療に必ず必要なわけではないようです。

別なパターンとなりますが、精神診療科に通院すると保険診療となるので、うつ病であることを「勤務先にバレたくない」という思いから、最初からカウンセリングによる治療を選択する人もいます。カウンセリングは保険適応ではないので、すべて自費となりますが、こういった選択ができる人は、うつ病になる原因を何となく推測できていて、その問題や悩みをカウンセリングを通して解決していきたいという人が多いようです。

どんな治療が自分に相応しいのか・・・。
専門家に相談し、納得できる治療を受けることが、早期解決につながると思います。