Stair way to heaven
この大空に翼を広げ飛んでいきたいよ。悲しみのない自由な空へ、翼はためかせ、行きたい…
季節はまさに受験シーズン真っ只中。テレビでは受験生の姿が数多く映し出されている。
この時期になると、毎年オレは思い出すんだ。
高3の冬、受験を間近に控えたオレはケイと一緒に予備校の冬季講習に通っていた。
その日の授業は、代○木ゼミナールでも常にトップ人気である西きょ○じという男の英語「はばたき加速度V」、その年の最終授業だった。
オレ達は人気講師信者でもなんでもなかったのだが、授業を選ぶ時に、人気講師ならいいんじゃね?というダメな生徒のお手本のような生徒であった。そのため授業に対する意欲は薄く、しょっちゅうゲーセンでさぼっていた。しかし、この日は最終授業ということもあり、今までさぼってたもとを取るという、非常に意味の無い発想から「最終日ぐらい一番前で受けんべ?」という言動、そして行動へと移ったのである。
そして、生涯もっとも長い90分が始まった。
正直、着席して10分ぐらいで腹の異変には気づいていた。
普段さぼってばかりいた授業、しかもその最終授業で最前列という状況に置かれたオレの腹は、普段とは違う空気を敏感に感じ取ったのだろう。
20分経過。早くも額に脂汗が滲み始めた。すでに界王拳は発動させている。しかしそれは悲劇の序章でしかなかった。
40分経過。ペンを握る手が汗ですべる。だが、今まで数々の激闘を演じてきたオレとヤツ(腹痛)の間には奇妙な友情が生まれつつあった。
「お前の耐久力にゃ、いつも驚かされるぜ…。」戦いの後、そう言ってきたヤツに、オレは握手を差し伸べたものだった。
ヤツはいつもオレを苦しめてきたが、小2の惨劇以来、常にギリギリのところでオレに勝ちを譲ってきた。
オレが死んだらヤツも死ぬ。そこに「共存共栄」という図式が成立していたのである。
45分。おり返し地点に入った。その瞬間、少し楽になった気がした。残り45分、どうにか乗りきれるかもしれない。
60分。再びヤツが出力を上げる。オレは界王拳2倍を発動した。肛門に力がこもる。腋がべたついてきた。
70分。あと20分!あと20分で解放される!
そう思った矢先である。教室の熱気による蒸し暑さを鎮める為に「エアコン」という原子爆弾が投下された。
汗で濡れた背中に冷気がふきつける。
3倍!3倍だすよママ!
面白いぐらいにお腹が冷えるよママ!
火に油。腹痛に冷房。
残りあと10分。こうなったらもう根競べである。オレとヤツ、どっちが先に折れるかの世界だ。
およそ人間とは思えない表情を浮かべるオレ。教室の中の誰よりも、オレはマジだった。
ついに相方がオレの異変に気づいた。
何かオレに言っていた気がするがこっちはそれどころじゃない。
オレは気を紛らわせるため、体のあちこちをつねりまくった。
ついに授業終了予定時間になった。解放を確信したその時、講師の西が口を開いた。
「みんな最後に話をしてもいいか?15分ぐらい。」
よ、よ、よ

サドンデス決定!
そして4倍発動!
リミッターはレッドゾーンを振りきった。脳下垂体からエンドルフィンが大量に分泌する。
西が最後のメッセージを生徒に送っている。中には泣いてるヤツもいた。
オレもその一人だ。
西「みんな最後までよくがんばった。」
がんばったよ!ほんとにがんばった!だから早く終われ!ぶっ殺すぞ!
西「助走は充分だ。もう、君達は、はばたけるんだよ。」
先生、はばたいてもよかですか?
は、は、はば、た、い
プリッ…
「地上の星」
唄、中島みゆき

風の中の昴 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく

草原のペガサス 街角のヴィーナス みんな何処へ行った 見守られることもなく

地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかりみてる
つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を
つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう


地上の星。ここに在り。
シン
季節はまさに受験シーズン真っ只中。テレビでは受験生の姿が数多く映し出されている。
この時期になると、毎年オレは思い出すんだ。
あの日の悪夢を。
高3の冬、受験を間近に控えたオレはケイと一緒に予備校の冬季講習に通っていた。
その日の授業は、代○木ゼミナールでも常にトップ人気である西きょ○じという男の英語「はばたき加速度V」、その年の最終授業だった。
オレ達は人気講師信者でもなんでもなかったのだが、授業を選ぶ時に、人気講師ならいいんじゃね?というダメな生徒のお手本のような生徒であった。そのため授業に対する意欲は薄く、しょっちゅうゲーセンでさぼっていた。しかし、この日は最終授業ということもあり、今までさぼってたもとを取るという、非常に意味の無い発想から「最終日ぐらい一番前で受けんべ?」という言動、そして行動へと移ったのである。
そして、生涯もっとも長い90分が始まった。
正直、着席して10分ぐらいで腹の異変には気づいていた。
普段さぼってばかりいた授業、しかもその最終授業で最前列という状況に置かれたオレの腹は、普段とは違う空気を敏感に感じ取ったのだろう。
20分経過。早くも額に脂汗が滲み始めた。すでに界王拳は発動させている。しかしそれは悲劇の序章でしかなかった。
40分経過。ペンを握る手が汗ですべる。だが、今まで数々の激闘を演じてきたオレとヤツ(腹痛)の間には奇妙な友情が生まれつつあった。
「お前の耐久力にゃ、いつも驚かされるぜ…。」戦いの後、そう言ってきたヤツに、オレは握手を差し伸べたものだった。
ヤツはいつもオレを苦しめてきたが、小2の惨劇以来、常にギリギリのところでオレに勝ちを譲ってきた。
オレが死んだらヤツも死ぬ。そこに「共存共栄」という図式が成立していたのである。
45分。おり返し地点に入った。その瞬間、少し楽になった気がした。残り45分、どうにか乗りきれるかもしれない。
60分。再びヤツが出力を上げる。オレは界王拳2倍を発動した。肛門に力がこもる。腋がべたついてきた。
70分。あと20分!あと20分で解放される!
そう思った矢先である。教室の熱気による蒸し暑さを鎮める為に「エアコン」という原子爆弾が投下された。
汗で濡れた背中に冷気がふきつける。
3倍!3倍だすよママ!
面白いぐらいにお腹が冷えるよママ!
火に油。腹痛に冷房。
残りあと10分。こうなったらもう根競べである。オレとヤツ、どっちが先に折れるかの世界だ。
およそ人間とは思えない表情を浮かべるオレ。教室の中の誰よりも、オレはマジだった。
ついに相方がオレの異変に気づいた。
何かオレに言っていた気がするがこっちはそれどころじゃない。
オレは気を紛らわせるため、体のあちこちをつねりまくった。
ついに授業終了予定時間になった。解放を確信したその時、講師の西が口を開いた。
「みんな最後に話をしてもいいか?15分ぐらい。」
よ、よ、よ

サドンデス決定!
そして4倍発動!
リミッターはレッドゾーンを振りきった。脳下垂体からエンドルフィンが大量に分泌する。
西が最後のメッセージを生徒に送っている。中には泣いてるヤツもいた。
オレもその一人だ。
西「みんな最後までよくがんばった。」
がんばったよ!ほんとにがんばった!だから早く終われ!ぶっ殺すぞ!
西「助走は充分だ。もう、君達は、はばたけるんだよ。」
先生、はばたいてもよかですか?
は、は、はば、た、い
プリッ…
唄、中島みゆき

風の中の昴 砂の中の銀河 みんな何処へ行った 見送られることもなく

草原のペガサス 街角のヴィーナス みんな何処へ行った 見守られることもなく

地上にある星を誰も覚えていない 人は空ばかりみてる
つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を
つばめよ地上の星は今 何処にあるのだろう


地上の星。ここに在り。
シン