諦観 ~そして伝説へ 最終章~ | メロンパンブログ

諦観 ~そして伝説へ 最終章~

ここからは俺がバスを降り立ってからの伝説。
前の記事を読んでない方は、お手数ですがこちらから先にお読みください。





さて、運転手さんの苦労も虚しく、俺は一人長野の地へと降り立った。
その時、運転手さんがそっと肩を叩いてくれたことに俺は感謝すると共に、激しい自己嫌悪へと陥った。

俺のせいで大勢の人に迷惑をかけてしまった。
俺がもっと早くお願いしていればこんなことにはならなかったのに。

悔やんでも悔やみきれない思い。

人は誰しも永遠の子。
永遠をさまよい、永遠に埋もれていく。
そしてまた俺も、永遠の後悔と自責の念に悩んでいくのだろう。


いっそ、このまま置いてってくれればいいのに。


本気でそう思った。
生きて恥にまみれるよりも、死んでうんこにまみれる方を選びたかった。

うんこ処理もろくすっぽで、そんなことを考えていた時であった。


俺は俺の内に潜んでいたスタンドを見つけたんだ。
そして彼はこう言ったんだ。







どうでもいいじゃん


その一言は俺を覚醒させるに十分すぎる一言だった。


そうだ、どうでもいいんだ。
俺がうんこ漏らしたことも『どうでもいい』の一言で全て片がつく。

そう思うと急に気持ちが楽になった。
いや、楽になったとかを通り越して、ハイになった。

そしてハイになった俺は、またしても不可解な行動を起こす。


俺「あ、もしもし、俺だよ俺!」

シン「は?何やってんだよ? なんで電話なんかしてきてんだ?」

俺「あ~、わりぃわりぃ。」

シン「わりぃ、じゃねーよ。 ってかお前どうなったんだよ?」

俺「あ、俺? 俺ね、ダメだったみたいだわ! アハハー。」

シン「ダメ?ダメってなんだよ!? なんで笑ってんだよ!」

俺「なんか分かんないけど、俺、漏らしちゃったんだ!」

シン「も、漏らした!? マジかよ・・」

俺「マジマジ! これから掃除するからもうちょい待っててね!」



ウンコ漏らした報告。



今思い返せば、何故あのような行動を取ったのか不思議でならない。
が、あの時の俺は間違いなく生涯もっともナチュラル・ハイだった。



さて、近況報告も終わり、俺はいよいよ処置に移っていく。
が、オペの道具として使えそうなのはポケットティッシュ数個とウェットティッシュ数個。もちろんこれだけでは到底足りなかった。

どうする、どうする俺?

と、再びヤツが現れた。








どうでもいいじゃん


そう、どうでもいいんだ。
別に何で拭こうがどうでもいいんだ。

思うが先か起こすが先か。
俺は自分が来ていたTシャツを脱いだ。そして拭いた。


想像して欲しい。

男が冬にTシャツを脱ぐということは、その上に着ていた一切の上着を脱がなければならないということを。
そして男は今、極寒の長野の地に一人たたずみ、ケツを拭いているということを。

そう、





全裸なのだ。


寒くはない。寒くはなかった。

俺は諦観の境地へといざなわれていたから。

しかし、そんな俺を一気にリアルワールドに引き戻す事件が。





ブロロロロ・・・



!?



バイクの音!!

お釈迦様!バイクの音が聞こえるよ!!


さすがにこうなっては『どうでもいい』など言ってられない。
なにせ俺は全裸なのだ。
しかもウンコ拭いてるのだ。

逃げなきゃ、早くここから逃げ出さなきゃ!
慌ててその場を去ろうとする俺。
しかし人間慌ててもいいことなど一つもない。






バタッ・・・・



ズボンが引っかかり、その場に前のめりに倒れる俺。

ケツには今しがたウンコを拭いていたティシューが。

そしてその横を通り過ぎるバイク。



死にたい。



究極のポジティブ野郎が人生で本気で死を望んだ瞬間。

その瞬間、お釈迦様が呪文を唱えた。


リテ・ラトバリタ・ウルス・アリアロス・バル・ネトリール


するとどうしたことだろうか。
俺の目の前に信じられない光景が飛び込んできた。




天空の城へと続く道


お釈迦様は俺を天空の城へと案内してくれたのだ。

俺は泣いた、ただただ泣いた。

こんな俺でも導いてくれるのかと。



だが、ひとしきり泣いてすっきりした俺にとある疑問が生じでた。

お釈迦様の頭にあるアレのことである。







ウンコみたい


おまえか! 全てはおまえのせいだったのか!!

天空の城の住人のお釈迦様はみなウンコを抱えて生活していたとは!

気付いた時には何もかもが手遅れだった。
残ったのは、無残なティッシュの残骸と、ほのかに香るウェットティッシュとウンコが混ざった何ともいえないスメルのみ。


そしてバスに戻った俺は言ったんだ。





「すげー責任感じるよ」







すげー責任感じるよ。


すげー責任感じるよ。









どうでもいいよ


ケイ