2006年9月27日 ――偏頭痛 | 禁煙猿

2006年9月27日 ――偏頭痛



季節の変わり目のせいか、はたまた低気圧のせいか——ここ最近雨が続いているのだが、今日はとりわけしけた日だ——、眼ががんがんする。そう俺は 偏頭痛もちなのである。眼ががんがんでおもいだしたが、眼癌(がんがん)という呼び方はふつうしない。眼球それ自体ががん化することがないからだと言われ ているが、眼球に癌が転移することはあるわけで、そうそれはすればガンガンである。正確にはちょっとちがうかもしれないが、まあいいのだ。ガンガン或は眼 癌などといわないのは、たぶんあほみたいだからだろう。シリアスにならないだろうから。

チョコレートは偏頭痛を誘発するのである。油断してTOPSのチョコレートケーキをばくばく食べたのが災いしたらしい。または、ここのところ疲れていたため体が警告しているのか。いずれにせよ、薬を飲んでおとなしくやりすごすしかないのである。

偏頭痛といえば、芥川龍之介の偏頭痛持ちであったのは有名である。晩年の作品である『歯車』に閃輝暗点(せんきあんてん)について書かれている。

一般には偏頭痛の予兆とされ、眼の奥で偏頭痛発作がはじまるまえに歯車のようなものがきらきらと見えることから閃輝暗点と呼ばれている。ちなみに 虫が飛んでいるように見えるのは網膜剥離、壁に虫が這っているように見えるのがアル中、宇宙から指令がくるのが、、、まあそれはいいとして。

閃輝暗点に続いて猛烈な頭痛がやってくるのである。俺の場合何故か決まって右側である。白髪も右側が多いし、前にやられたヘルペスも右だ。たぶん右側が好きなんだろうな、やつらは。
発作が始まると、あまりにも酷いと、光、匂いに敏感になってしまう。眼を開けていれば光が増幅され視界はサイケデリックにぐよんぐよん揺らいでく るし、まともに眼も開けていられない。いつもなんてことのない香りも増幅され鼻粘膜から脳へ槍を刺すかのごとく強烈にブロウする。こういう時に美人が心配 して介抱してくれたとしても、もしその美人が香水をつけているとか、煙草を吸っているとか、懐中電灯を持っているとか(は?)、こうした刺激があまりにも きつすぎて、美人に甘えることすら出来ないのである。ああ、なんて因果な病気なのだろう。くっそー、とおもわず口にだしてしまう秋の午後。芥川が「誰か私 の首を絞めて殺してくれないか」と書いた気持ちがわからんでもない。いや、彼が偏頭痛故にかいたかどうかはまったく知らないが。