4-14 ファシズム化しているアメリカ | 梁山泊

梁山泊

世は乱れ、民は苦しみ、日本も世界も荒れている。こんな時代に必要なこと、それは英雄豪傑が立ち上がること、そして絆を結び、友情を築き、個性と長所を発揮して、一致団結して弱点と短所を補い合って戦うこと。英雄豪傑を出でよ。

 この9.11テロによって、アメリカ政府は一か月後の10月26日には、「アメリカ愛国者法」を可決しています。


 アメリカ愛国者法とは、テロを阻止するために、アメリカを団結させて強化する法律のことです。


 しかしスピード可決したために、テロの定義もプライバシー保護もあいまいにされ、FBIやCIAの捜査当局の権限ばかりが大幅に拡大されてしまったのです。


 この愛国法によって、アメリカ政府はテロに関連するとみられる外国人ならば、司法手続きを踏まずに拘束できるようになりました。しかも容疑者の電話や携帯電話の盗聴、Eメールの傍受まで認め、インターネットの通信記録、さらには医療情報や金融情報まで入手できるようにしたのです。


 つまり9.11テロによってスピード可決した愛国者法によって、個人情報の入手が裁判所の命令なしにできるようになったわけです。


 ロシアに亡命して『暴露』という本を出版しているアメリカ人の元NSA(国家安全保障局)職員のエドワード・スノーデンによれば、メールアドレスの最後に「.com」が付く世界中のメールは、必ず一度アメリカを経由しており、そしてNSAのスーパーコンピューターによって、それらの何十億件ものメールの内容が検索可能になっていると言うのです。


 科学の専門家によると、民間に知られている科学技術と、国家や軍隊が実際に使用している科学技術では、本当は十年以上の開きがあると言いますから、これは科学的に可能だそうです。


 またエドワード・スノーデンによれば、マイクロソフト、ヤフー、グーグル、フェイスブック、ユーチューブ、スカイプ、アップル、AOL、PaltalkなどがNSAに協力しており、アップルも新たに加わっているそうです。


 このおかげでNSAは、世界中の誰のパソコンでも、簡単に侵入可能であるそうです。もちろん大手IT企業は、このスノーデンの暴露を否定していますが・・・。


 アメリカは今、この愛国者法によって監視社会となり、ファシズム(全体主義)化しているわけです。


 ジョージ・オーウェルという作家の名作に、『1984』という独裁政府による徹底した監視社会を描いた小説があります。


 この作品の中では、全体主義の個人の権限がまったく無い架空のファシズム国家が登場し、そしてその独裁者のことを「ビック・ブラザー」と言います。この独裁者ビッグ・ブラザーは、住民を完全な監視下に置いたのです。


 そして今、アメリカ国内で目覚めはじめた国民たちは、自分たちの政府を「ビッグブラザー」と称して、デモ抗議を行っているのです。


 プラカードには「大量監視をやめろ!」、「我々を監視するな!」、「ビッグブラザーを追い出せ!」、「スノーデンありがとう」と書かれていました。




 ファシズム化するアメリカ、そしてそれに抗いはじめているアメリカ国民、アメリカの人々は今、たしかに目覚めはじめております。


 しかしこれらの報道が日本でまったくされない事実を見ても分かるように、アメリカに隷属している日本の報道も、実はかなり腐り果てているのです。


 日本には青森県の三沢基地に、軍事目的の通信傍受システムの「エシュロン」があります。また沖縄県読谷村楚辺(よみたんそんそべ)にも「像の檻」と呼ばれている怪しいアンテナがあり、これも通信傍受の機械と云われています。



 日本の北と南に、こんな巨大なアンテナがあるわけです。


 しかもこれらは、日本人が支払った税金のうち、米軍に支払われている「思いやり予算」と呼ばれる1881億円によって建設されたものです。


 世界中の人々を監視下に置こうとするアメリカも恐ろしいのですが、しかし自分たちへの盗聴器を、自分たちの税金で作る日本国民も負けじと恐ろしいのです。