2-8 ユダヤの歴史ーモーセからバビロン捕囚 | 梁山泊

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世は乱れ、民は苦しみ、日本も世界も荒れている。こんな時代に必要なこと、それは英雄豪傑が立ち上がること、そして絆を結び、友情を築き、個性と長所を発揮して、一致団結して弱点と短所を補い合って戦うこと。英雄豪傑を出でよ。

 〝宗教問題〟という人類に仕掛けられた時限爆弾を的確に読み解いていく時、我々は五千年の人類の歴史をさかのぼらなければなりません。


 今から約四千年昔、紀元前二千年に、イラクあたりの土地に、ユダヤ人の先祖にアブラハムという人物がいました。


 そのアブラハムはイシュマエルとイサクを生みました。


 さらにイサクはヤコブを生み、このヤコブは別名は「イスラエル」と言いいます。


 このヤコブ・イスラエルには12人の息子が生まれ、この12人が「イスラエル12支族」です。


 その後、12のうち10の士族が失われました。日本人はその失われたユダヤの士族(しぞく)であるという説もあります。我々もユダヤ人かもしれないわけです。


 そして今から約三千二百年前、エジプトに移り住んでいたユダヤ人たちは、その人数の多さからエジプト人たちから脅威に見なされて、奴隷の身分に落とされました。


 かつてはユダヤ人が奴隷だったのです。


 そして当時のエジプトの王のファラオは、「奴隷が増えすぎたので、ユダヤの男児を殺せ」とまで命令を出しました。


 そんな中、モーゼという方がユダヤ人として、奴隷の子として生まれます。


 そして我が子を殺さねばならない母親は、断腸の思いでモーゼを葦舟に乗せて川に流すのです。


 しかし幸いにも、川下にいたファラオの王女がモーセを拾い、王宮で貴族として育てていきます。


 学問や武術を学び、成長を遂げたモーセは、実は自分が奴隷の子である事実を知ります。


 そして彼はやがて、燃える柴の中から神から語り掛けられて、奴隷であるユダヤ・イスラエルの民を開放し、「カナンの地」、〝約束の地〟、現在のパレスチナへと導いていくように神命を受けたのです。


 こうしてモーセは、〝霊界より神の言葉を預かる者〟、つまり預言者として活動を開始して、ユダヤ・イスラエルの民は、出エジプトを果たすわけです。


 エジプトから去っていくユダヤ人に対して、ファラオは軍勢を差し向けましたが、しかしモーセが〝海を割く〟という奇跡を起こして、ユダヤ人たちはエジプト脱出することができたのです。


 その後、モーセによって神との間に契約が結ばれ、十の戒めをはじめとする律法が授けられました。


 これが『モーセの十戒』であり、『モーセ五書』(トーラー)です。


 モーセは厳しい旅の途中で亡くなってしまいますが、現在のイスラエルにたどり着いたユダヤ人たちは、「自分たちは神に選ばれた民」という考えのもとに、その土地を奪って古代イスラエルを建国しました。


 そしてダビデやソロモンによって、彼らは繁栄の時代を築きました。しかし紀元前597年、今から約二千六百年前に、またもユダヤ人たちは殺害され、捕まって囚われてしまい、バビロニアへと拉致されて働かされました。


 これを『バビロン捕囚』と云います。


 やがてイスラエルに帰ることを許されたユダヤ人たちですが、しかし今度はローマ帝国の支配下に置かれることになります。またも彼らは植民地の民へと身分を落としたわけです。