私がうつ病で苦しんでいたときは、
本の中に助けや共感を求めることが多くありました。

今となっては、それが本当に前向きで具体的な解決策になっていたのか?と
疑問に思うことはあります。

しかし、その当時は、わらをもつかむ思いで、
自分の精神のよりどころを探していました。

そして、そのような本に出会ったときには、
自分の魂も救われるようでした。

10年ほど前に出会った本を紹介します。

吉本ばなな 「体は全部知っている」文春文庫

体は全部知っている (文春文庫)/文藝春秋

¥497
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この本の内容は、あまり印象にないのですが、
あとがきに書かれていた、吉本ばなな氏の次の言葉に
共感を持ちました。


「文庫版あとがき」より


「ある時、自分の姿勢の悪さや、便の状態や、水分の摂り方、頭の熱さ、足の冷たさな
ど、体の状態があまりにも悪いので愕然としました。もちろん酒の飲み過ぎと仕事のし
過ぎ、したくないことのし過ぎ、ヒールの靴、化繊の服、何もかもをもう感じなくなる
ほどの状態でした。

 そして、もちろん倒れました。しかも今まで気力でおぎなっていたのに、どうにもな
らず、ばたんばたんと何回も倒れ、悲しくないのに涙が止まらない、そんな感じでした。
体がストライキに入ったわけです。

 まず食べ物を変え、生活を少しだけ変え、外反母趾に負担のかからない靴にし、よく
歩くようにし、酒を減らし、ストレスを減らし、自分のことを自分で守るようにしまし
た。肌もきれいにし、まぶたの震えもなおしました。ついでに脱毛までしたりして、そ
れはもう長い道のりでした。とにかくがんばりました。たとえ人に嫌われてもおかまい
なくです。

 その大改造の結果、三十八にもなったのに、大学生の時よりもずっと快調になりまし
た。」



ころを読むと、吉本ばなな氏も「うつ状態」だったんだなと思いました。

私も吉本氏と同じ感覚になり、
「人に嫌われても良い」から自分を大切に、自分を許そうと努めました。







この本に載っている、黒いアゲハの絵が、私を癒してくれました。