ジュスティーヌ・トリエ監督の「落下の解剖学」をみてきました
「ボーはおそれている」を観たときの予告編が面白そうだったからです
フランスの雪山にある山荘の玄関脇で、その山荘に住む男が頭に大きなケガを負って死んでいるのが見つかります
発見者は亡くなった男の11歳になる息子で、4歳の時の交通事故のせいで視覚に障害があります
亡くなっていた父は、息子の障害のきっかけを作ってしまったこと、作家としてやっていきたかったのに書けなくなってしまったこと、息子の治療費に行き詰まってロンドンから転居してきたものの家計が好転しないことなどに悩んでいた様子
人気作家となりつつあった妻との関係も悪化していたようで、男の死は妻によるものなのか、それとも自殺なのかが法廷で争われることになります
事故前日の夫婦喧嘩は夫が録音しており、妻を窮地に立たせますが、その回想シーンはみているものの心をえぐります
特に職業柄、深く「ああ・・・」となりました
最後の殴打音と夫がうめき声をあげる部分までは回想シーンで描かないところが巧みです
法廷でのクライマックスは、仏製「最後の一句」という感じでしょうか(実際には、参審員の耳にたこができるくらい聞かされているはずの「利益原則」の結果なのでしょうけども)
ラストについては「犬にはわかっているのだ」というオチと判断しました
先週の「ボーはおそれている」が3時間、本作品が2時間30分という長さでしたので、これは映画館で一気に観ないと集中力が持たないですね
↓スレッズの方もよろしくお願いします