トム・ミードさんの「死と奇術師(DEATH AND THE CONJUROR」(中山宥訳)を読みました
1936年のロンドンを舞台に密室連続殺人が起きます
探偵役は、元奇術師のジョセフ・スペクター
その他の登場人物も、いかにも英国ミステリ黄金期的な雰囲気に満ちています
日本で現在において横溝的な世界を描くようなものでしょうか
解決編が袋とじになっているのも意欲的
ただ、全体的に平板な印象でした
トリックも決して悪くはないのですが、それを1936年のロンドンでやる必然性をあまり感じられないためなのか、単に自分との相性がよくないためなのか、今ひとつ心が躍りません
今後シリーズ化することによって、探偵側か犯人側を深めていくなどすれば魅力が増すかもしれませんね