青崎有吾さんの「図書館の殺人」を読みました
朝出勤した図書館の司書が、本で撲殺された大学生の死体を発見します(奇妙な凶器ですが、作者が「平成のエラリー・クイーン」と銘打たれていることから、「Yの悲劇」で用いられたマンドリンを意識してのものなのでしょうか?)
頭部付近に血だまりができており、血のダイイングメッセージが残されていました
また、1階に別の血液型の血痕が残されているものの、死体はありません
果たして夜の図書館で何が起きたのか?
前作でもそうでしたが、人間が簡単に気絶しすぎるところが気になりますし、「殺してしまったかもしれない」という場合に被害者の容態を確認しないというのはありえないでしょう
しかし、本作は、フーダニットの点で読者を大きく驚かせてくれます
構成上ホワイダニットが大きく犠牲にされてしまっていますが、その分お釣りがくるほどのデキでした
また、このシリーズは事件がいったん解決してからもうひとひねりあるのがお約束になっていますが、今回の「表紙すらみていないミステリの犯人を当てる」という趣向は素晴らしかった!
スタイリッシュな各章タイトルも評価できますし、前作ではちょっとバランスを欠いていたようにも思われる高校生たちの日常話も抑えめだったので、読みやすかったです
次作は「映画館の殺人」になるのでしょうか? 楽しみです!
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