また昔の話です。暗くてごめんなさい。
母方のおばあちゃんの家には、結構いきなりきたので、荷物がかなり前の家に残っていました。
お母さんと一緒に、父親のいない時にとりに行きました。
妹もいたような、いなかったような・・・
玄関で、父方のおばあさんがでてきて「元気でやってる?」って聞かれたので、目を合わせずに「うん」と答えました。
おじいさんはでてこなかったような気がします。あんなに小さい頃かわいがってくれたのに。
自分の部屋に行くと、部屋の真ん中に私の荷物がまとめられてました。
カーテンまで。私の好きな猫の柄のカーテン。なんだか悲しい気持ちでした。その後すぐ捨てたかな。
お母さんは台所で自分のものをまとめてました。その間ずっとおばあさんが監視してたそうです。
「××(お母さん)さん、そのタッパーももってくの?」
と聞かれたって、後で怒ってました。
私は『タッパー事件』って名づけました。人生のねたです。おかしい話ですよね。
10年以上も一緒に暮らした嫁に、タッパーのひとつやふたつ、なんで快く「なんでももっていって」って言ってくれないんだろう。
おばあさんもおじいさんも私たちを捨てたんだなってよーくわかりました。
荷物をまとめて、出て行くとき、何にも言われませんでした。
もしかしたら自分の息子を守るために何も言えなかったのかもしれません。
でもそんなの中学生の私にはわかりませんでした。
生まれてきてから一緒にすごしてきた身内でさえ裏切る。だから、どんな人がいつ裏切ってもおかしくない。
家をでてきてから、お母さんが「自分の孫が苦労してると思ったら、おこずかいくらいくれてもいいのにね!!」ってキレてました。
私はお金はほしくなかった。でも、なんだか悲しかったし、むなしかった。
涙なんて出なかった。お母さんと一緒におばあさんの悪口言うしかなかった。
本当に腹がたったし、もうなんの関係もない、ただのよそのおばあさんとおじいさんになりました。
数年後、おじいさんが亡くなったことを聞いた時も何も感じませんでした。
他人よりも遠いおじいさんの死。悲しくもなんともなかった。冷たいかもしれませんが、本当です。
だいたいおじいさんが飲んだくれの頼りない男だったせいで、おばあさんがひとりっこの息子に執着し過ぎて、マザコン男になったんです。私にとって、マザコンは恐怖の言葉です。
おばあさんも継母に育てられ、何人も異母兄弟がいて複雑な家庭で育ってました。
おじいさんの兄弟は何人もいましたが、たくさん亡くなって、自殺した人もいたそうです。
みんなみんな闇が深すぎて、どんどん濃くなってしまいました。
生物濃縮です。私の闇は2世代分です。この闇はどこに行くんでしょう。
私はここで食い止めたい。もし、子どもができても、この闇を絶対に引き継がせたくありません。