前回
大事なことを書き忘れていました。
文字の彫りの深さです。
全くタイトルに書いてあるのに忘れるとは・・・
早速ですが、
手元にあった数字群から
とりあえず【1】のみピックアップしてみました。
![イメージ 1](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/37/ba/j/o1024076814646152848.jpg?caw=800)
如何でしょうか、
種類によってさまざまな彫りの深さがあります。
倒して並べてみると
こんな感じです。
![イメージ 2](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/a4/d0/j/o1024076814646152849.jpg?caw=800)
一枡5mm四方ですので、
一番右側は2.5ほどの深さがあります。
対して左端の字面は、
1mmに満たない彫りの深さです。
元々活版印刷用の活字ですので、
紙にプリントする際、
特に彫りの深さは関係しないよう思われがちです。
ところが、
たとえば大きいサイズの活字をイニシャルとして
ポツンと印刷するようなケースの場合、
更には
対象用紙が厚手の柔ら目の紙だった場合など、
字面の角がついてしまうことも想定されます。
それでは
倒した活字を起こします。
![イメージ 3](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/b6/76/j/o1024076814646152851.jpg?caw=800)
ここで問題となるのは
左端の活字です。
とりあえず
左から2番目のものと
ヌメ革に押し比べてみましょう。
Cクランプを使いますが、
要領は刻印方法の記事をご覧下さい。
左側の数字の周りの凹みが角付きです。
![イメージ 4](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/13/1e/j/o1024076814646152854.jpg?caw=800)
バラ押しですと、
活字が強く革に食い込み、
彫りが浅いものは、当然角が付きます。
次は、プレスする際に
水平方向から革を覗き込み
角付きの寸前でプレスを止めてみます。
結局、面倒なのでそのまま手で押しちゃいました。
![イメージ 5](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/53/cb/j/o1024076814646152857.jpg?caw=800)
どうでしょうか。
右側と比べて刻印が少し浅くはなりますが、
角は付いておりません。
ちなみに、
通常、活字は数文字まとめて
単語や文字列を組んで用いることが多いですが、
バラ押しの場合より
角付き率は少なくなります。
結果的に
文字の彫りが浅いものでも、
横から覗き込んで
角付きの寸前でプレスを止めれば
角を付けずに刻印することは可能だということです。
ただ、
初心者の場合は、
彫りの深さが通常以上のものをお求めになり
活字が革に食い込む感覚や
角付きの寸前でプレスを止めるコツを身に付けてから
浅めのものに挑戦してみたほうが宜しいのかもしれません。
ここで
浅め、通常、深彫りの基準となる数値を記載しておきます。
・浅彫り・浅め・・・・・・・・・・・・・1mm未満
・通常・・・・・・・・・・・・・・・・1mm
・深彫り・・・・・・・・・・・・1mm超(1.2mm~1.5mmが一般的に多いサイズ)
・特深・・・・・・・・・・・・2mm以上
※特にこうした基準がある訳ではありません。当方が経験に基づいて、革への刻 印として用いた場合の基準として大別したものです。
角付きの心配があるのは、
上記で言いますと
【浅め】の深さのものです。
従いまして
【通常】以上のものをお求め頂ければ
それほど角付きに神経質になることはないかと思います。
(※30pt以上の活字サイズが大きなものはこの限りではありません。)
まとめますと
初めての方は
1mm以上の彫りの深さのある活字
をお求め頂ければ大丈夫だと思います。
おまけです。
こちらは浅彫り12ptのBridalScriptです。
![イメージ 6](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/1f/f8/j/o1024076814646152860.jpg?caw=800)
が
ひとまとめで押し
かつ
角が付くであろう寸前で止めることで
このようにはっきり、かつ角付きなく刻印出来ております。
![イメージ 7](https://stat.ameba.jp/user_images/20191122/08/utsumaru/ed/1b/j/o1024076814646152861.jpg?caw=800)
浅彫りの活字でも
極細タイプですので
角付きの寸前でプレスを止めても、
しっかりと刻印出来ています。
浅めの彫りの深さの活字でも
こうした細身の書体を選ばれるのも宜しいかと思います。
尚
・罫線やボーダー系の活字をお持ちの方は
文字列の上下にラインを配置して頂ければ、
角付きの心配なく
深くプレスすることが可能です。
また
・ヤスリで角が当たる部分を削ってしまうのも1方法です。
軟質金属の活字は意外と簡単に削れますので。
お試し下さい!
![イチョウ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/156.png)
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