2019年3月21日(木)~24日(日)、劇団うつろろが「生きてたり、死んでたり」を上演します。
脚本・演出の越智が「最高傑作」と豪語するこの作品。出演するのも個性豊かな役者ばかり。ぜひ多くの人にその魅力を伝えたい…。そこで特別企画として、インタビューをお届け。演じるキャラクターや作品の見どころについて聞いてみました。
(第16回杉並演劇祭 参加作品)
2019/3/21〜24 @遊空間がざびぃ
行方不明だった母の葬式に集まった兄と妹と弟。遠くに灯台が見える田舎町、彼女は良い家族に恵まれて亡くなったようだ。みんなで彼女の思い出話に花を咲かせる…が、どこか話が合わない。あれ、この人どんな人だったっけ?
側に眠る母は、明日燃えてなくなります。その前に本当の母を探さないと。バラバラな記憶から浮かび上がっていく隠されていた過去。すべての存在が、虚ろになっていくー。
山下 智代
中学より演劇活動をスタート。大学卒業後に、一般企業に就職。1度は演劇の道から離れるも、その情熱を捨てきれず、文学座養成所へ。その後、フリーでさまざまな劇団の公演に出演。自身でも演劇ユニット「犬猫会」を立ち上げ、脚本を手がける。役者や脚本という枠に縛られず、自身の演劇表現の形を模索する。
(Twitter:@tmy_yama)
「自分とは全くかけ離れた人」だからおもしろい。
ー今回、主役である「サオリ」を演じられますが、どんなキャラクターですか?
正直、私もまだよくわかってないんですよね(笑)。
というのも、周りの人はいっぱい語ってくれるんです、自分のことを。だから、“母”の葬式に来た3兄弟の姉で、苦しい過去を背負っていて…みたいな表面的な情報はすごくたくさんわかる。でも、サオリ自身はなにも語らないんですよね。
なにを思ってその言葉を話すのか、なんでそんな行動をとるのか。脚本に書いてある以上の膨大な人生を想像しないと演じられない。
「こういう人なのか!」とわかったと思ったら違ってて、またわかったと思ったら違ってて…を繰り返してます。
ー演じるのは難しい?
難しいですね。
自分から本当に遠く離れた人間だと思ってるんです。表に出る言葉とその裏側の言葉の違いがすごく大きくて。私自身はそんなに裏表がないんですよ、本当に(笑)
セリフ一つ発するだけでも、いろんな感情や意図が入り混じっている。言葉一つとっても、行動一つとっても理解できないことだらけなんですよ。でも、自分とかけ離れているからこそ魅力的にも見えるんですよね。
今、こんな感情があったんだとか、こんな価値観があったんだとか、新しい出会いばかり。それが本当に楽しいです。
そもそも、他人を完璧に理解するのって無理なんですよね。でも一番の理解者にはなってあげられる。そうしてできあがったサオリを、お客さんにも好きになってもらえれば本当に素敵ですよね。
考えや価値観のカケラが、一枚の絵に。
ー作品の見どころは何でしょう?
実は、出ているどの人も、絶対的に「わかる!」って人がいないと思っていて。みんなどこか行き過ぎてたり、逆に欠落してたり。ただ、「ここはすごくわかる!」という部分がそれぞれにあるんですよね。
そうした考え方や価値観が、舞台のいたるところにカケラのように転がっている。そのカケラを拾い集めていくと、観終わった後に、コラージュのように一枚の絵になっているんじゃないかって思うんです。その絵も観ている人それぞれで多分違うんだろうなって。それはすごくおもしろいと思います。
ー最後にメッセージをお願いします。
サオリって、この物語の中では一番不明な人なんじゃないかなぁと思っていて、だからこそ想像の余地がたくさんあると思っています。
「あの人はなんだったんだ、なにを考えてたんだ」って、観終わった後にちょっとでも心に残るといいな。絶対的な答えは多分なくて、だからこそいろんなサオリが存在できるんじゃないかと思うんです。
あ、あと今回は普段の山下にはない儚さ要素高めでやってますので、どうぞよろしくお願いします。
劇団うつろろ「生きてたり、死んでたり」
(第16回杉並演劇祭 参加作品)
2019/3/21〜24 @遊空間がざびぃ
行方不明だった母の葬式に集まった兄と妹と弟。遠くに灯台が見える田舎町、彼女は良い家族に恵まれて亡くなったようだ。みんなで彼女の思い出話に花を咲かせる…が、どこか話が合わない。あれ、この人どんな人だったっけ?
側に眠る母は、明日燃えてなくなります。その前に本当の母を探さないと。バラバラな記憶から浮かび上がっていく隠されていた過去。すべての存在が、虚ろになっていくー。