ゴールデンウィーク風に流れて塵界へ  森器

屈折の日々を思へり昭和の日

夏隣命惜しめと土鳩鳴く

団子花腹に力の入らぬ日

鯉幟旧家の庭を支配せる

憲法記念日レコード盤に疵多し


夢に眼の美しき人現れし目覚めの朝に芍薬咲けり

愛すべき理想の人を今頃に知りて初老のうつつを生きる

手に入るる術なき石の光にて瞼の裏に熱きものあり



。。。。。。。。。。。

 

先月末より、兄妹ともに胃腸の調子を崩し、せっかくのゴールデンウィークを寝て過ごす羽目になっていましたが、やっと昨日あたりからほぼ回復したのではないか、という状態になりました。ただ、まだ、私も妹もおそるおそる食べ物を摂取している感じで、がっつり食べるというところまでには至っていません。

昨日は、好天でしたので、溜まった洗濯物を片付けました。心地よい風が吹いて、体調の割には洗濯も苦になりませんでした。まさに風薫る五月がやってきたんだなあと思いました。柿若葉の瑞々しい美しさが目に痛いほどです。

わが家の庭に一本だけある芍薬の花が咲きました。今年の花は色艶もよく、しんと心に沁みるところがあります。本当は、芍薬の俳句を五句用意したかったのですが、美し過ぎる花を句にするのはとても難しいので、今年は俳句にはしないことにしました。

おそらく来週の火曜日には、石田波郷『酒中花』の読解を再開できるかと思います。その際はまた宜しくお願い致します。

拙作、拙文をお読みくださり
ありがとうございました。