うちの番組では毎回「私ラシックナンバー」として

ゲストの方にインスパイアされた一曲を選んでいるのですが、

それがもし絵であるなら私は間違いなくルノワールを選ぶと思う。


小学生の頃、初めて親に連れて行ってもらった美術館の企画展で

ルノワールを見て、幼いながらも衝撃を受けてその前から

動けなくなったのをよく覚えてる。


昨日はそんなルノワールと映画監督であるルノワールの息子の作品のコラボ企画展。

ルノワール+ルノワール展をBunkamuraに見に行ってきました。



息子ジャン・ルノワールの撮った映像が会場内にぽつぽつと映し出され、

フランス語のやさしい響きが流れる中で見るルノワールの絵は

いつもよりもロマンチックさが増していた。


オーギュスト・ルノワールの映像もあった。

筆を握った気のいいおじいさんがキャンバスに向かって

考えては描き、考えては描き、

時折こっちに目線を向けてニコッと笑いかける。


その笑顔を見て、彼の絵がこんなにもやさしい理由がわかった気がした。


ルノワールの絵を見ると、

太陽の光ってこんなに明るいんだって改めて気づく。

人はこんなにやさしい目をするんだってはっとする。

透きとおうような肌。髪の毛のハネ方一つに愛情を感じる。

ここには世界のいろんな幸福がぎゅっと凝縮されている気がする。

彼は光を求めてよく住むところを変えたのだという。


父ルノワールの絵の隣に、

その絵のストーリーを映像化した息子ルノワールの映画を

展示しているところもいくつかあった。

絵がそのまま動き出したような表情。

何も言われなければ、父ルノワールが作ったといっても

おかしくはないほど絵と同じ世界。

作者である父のことを誰よりも知っている息子だからこそなせる技。


「日曜画家の唯一の動機は描きたいという抑えがたい欲求であり、

描くことで得られる喜びである。」というのはルノワール自身の言葉。

大好きな家族を大好きな絵で描き続けたルノワール。


今になってやっとわかった。

15年前のあの時何もわからない小学生の心を虜にしてしまったのは

彼の絵に込められたたくさんの愛情だったのだということを。