オッシュ     まぁ、今から言ってもしょうがないことだらけだけど、この間の小学校のときのイジメのフラッシュバックのことは、オッシュも参ったね。

 

30年近くもまえのトラウマが、ウツの根っこにあったのか、と。しかも、そのイジメの問題をオッシュが気がつかなかったということもあったし。

 

もちろん、マッシュが小さい頃に大病をわずらって、ときどき学校を休むこともあったから、無理して学校に行かせることもないと思ってたけど、現実はそんな問題じゃなかったわけで。

 

マッシュ     でも、さすがに、今、あの小学校の頃の自分にもどったとしても、どうやってイジメと闘えばよかったかってことは、わかんないね(笑)。

 

今だったら、オッシュは保護者として、どうしてる?

 

オッシュ     それは、2通りの考え方があってね。まず、最初の考え方は、「あのときのオッシュだったら」ということ。2つめは、「今のオッシュだったら」ということだ。

 

まず、前者からだ。今、あの頃のオッシュが、イジメの話を聞いてたら、学校にすっ飛んで行って、あの担任に詰め寄るだろうね。あの頃は、オッシュも血気盛んだったから(笑)。

 

でもな、この間、オッシュの高校時代の友だちに話、聞いたの。管理職にもならないで、小学校の教員、貫いたひとなんだけどね、かれが言うに、担任には2種類あるって。

 

まず、親が文句言ってきたときに、受けとめられるタイプと、受けとめられないタイプね。あのときのマッシュの担任、あのチャラチャラした感じの。あの担任は後者だろうね。

 

文句を言ってくる親をどう受けとめるかっていうとね、前者のタイプだと、「あぁ、あんな親に育てられてるこの子は可哀想だな」って、子どもにさらに寄りそうようになる。

 

だけど、後者のタイプだとね、「あぁ、あんな親に育てられてるから、この子はこうなんだ。困ったもんだ」って、さらにその子から気持ちが離れてくっていうんだね。

 

どっちにしても、あのときのオッシュのまんま、学校に怒鳴り込んだら、間違いなく、「あんな親」だ(笑)。オッシュがどう思われようと構わないけど、結果としてマッシュの立場がさらに悪くなる、というわけだ。

 

「モンスター・ペアレント」って言われちゃうひとに共通する「戦略ミス」だろうな(笑)。

 

じゃぁ、この間、話題になった、専門学校の場合のように、担任より立場の上の人間に詰め寄ればいいかっていうと、そうはいかない。

 

後でその人間が、下の立場の担任に、どう言うか、わからないから。下手な言い方をされると、担任がヘソを曲げて、これまた、マッシュの立場がさらに悪くなるかも知れない。

 

マッシュ    なるほど。じゃぁ、「今のオッシュ」だったら、どう動くの?

 

オッシュ    うん、今、言ったようなことを考えると、いちばん良い方法は、スクールカウンセラーに相談することなんだって。

 

担任に、自分の子が学校休みがちなんで、どうしたらいいか、困ってるって、あくまでも親の悩みとして、相談したいって言えば、担任としては、自分の責任とは思っていないから、どうぞ、どうぞ、とカウンセラーにつないでくれるはずだっていうんだね。

 

そうやって、カウンセラーとつながって、あの担任が学校のなかでどういうふうに評価されてるのか、とか、学年主任とか、教頭とか、校長とか、どこまで問題をつかんでいるのか、とか、少しずつ見当をつけていく。

 

そのうえで、誰がほんとに責任ある対応ができるのか、それを見きわめることが大事みたいだね。ふつうのカウンセラーは、親や子どもの立場がさらに悪くなるような動き方はしないように訓練されてるから、まずはカウセラーに「味方」につけることらしいね。

 

マッシュ    なるほどねぇ。

 

オッシュ    そのうで、この学校、どこをとってみても、どうしょうもない、と思ったら・・。

 

マッシュ    思ったら?

 

オッシュ    どの学級にも、保護者代表ってひとがいる。たいてい、学年最初の保護者会で保護者の互選で選ばれるんだけどね。その保護者代表が集って、そのなかから保護者会の役員が選ばれる。会長とか副会長とか、広報担当とか。いわゆるPTA役員だな。

 

だから、まずは、学級の保護者代表に、「実は・・」って相談する。あ、その前に、イジメてるガキの親が保護者代表になってないかどうか、それを確かめなきゃいけない。もしそうだったら、最悪のやぶ蛇だ(笑)。

 

そんなふうにして、保護者の間で、事実が広まっていくと、これは学校側は怖い。1対1だと取り合わないでいられるけど、人数が集ると低姿勢にならざるを得ない。

 

マッシュ     ははぁ、さっきオッシュが、「あの頃の自分」じゃなく、「今の自分だったら」っていうふうに2つに分けた意味がわかったよ。

 

オッシュ     な? それも、ぜんぶ、スクールカウセラーと相談しながら進めるのさ。学校の内部に、自分の「味方」を確保したうえでのことってわけだ。

 

つまりね、「負けるケンカはしない」って言ったって、何も殴り合う、怒鳴り合うばかりがケンカじゃない。ニコニコしながらやれるケンカは、いくらでもあるってことらしいね(笑)。