決めた。
もうおとなしくしていよう。
下手に動いちゃだめ。
みんなを、誰かを、呑みに誘っちゃだめ。
誰かさんに誘われるのを期待しちゃだめ。
あくまで仕事だけする。
ただ黙々と、ロボットのように、与えられた仕事を延々とするだけにする。
自分だけ誘われなくても悲しんじゃだめ。
昔はそれでも平気だったじゃないか。
震災前、一人暮らしの時は、呑みに行くなんてめったにしなかったじゃないか。
それでも満足してたじゃないか。
たとえスキーに誘われなくてもひがんじゃだめ。
それは仕方のないことだから。
この先もそういうことが多々起きるだろうけど、いちいち気にしちゃだめ。
気にすれば気にするほど病気は悪化すると思うので、自分はできるだけみんなと距離を置くこと。
深入りしちゃだめ。
いくら楽しそうにしててもうらやましがっちゃだめ。
ひたすら一人をつらぬけ。
ひたすら仕事だけしてろ。
感情を捨てろ。
自分はもう、終わった人間だと考えろ
自分は震災の時に実は死んでいるんだ。今はきっとおまけの人生なんだ。
それがきっと、なにもいいことが起きない理由なんだ。
もう頑張ったって何も意味はないぞ。
何かを期待しても無駄だ。
なにもしなくていい。
なにもしなくていい。
ただ仕事だけをこなせ。淡々と。
余計なことをしゃべるな。嫌われるぞ。
おとなしく、目立たず、影をうすく。
じーっとしてろ。
誰かさんに期待するのはもうやめろ。今まで一度として、期待にこたえた行動をされたことがあったか?ないだろう。
とにかく静かにしていよう。
俺みたいな人間は、自分から動かなくちゃ決して、楽しい出来事や、楽しいイベントや、楽しい呑み会など勝手に起こったりはしない。かわいい女子なら別だが、こんなおっさんだとほんとに何一つ起きないんだ。
静かにしようとしたら、ほんとに十年も二十年も何も起きずただ時間だけがすぎていく。
それでも仕方ないじゃないか。
誰も助けてはくれないんだから。
ひとりでたえるしかないじゃないか。
どんなに辛くても悲しくても苦しくても羨ましくても妬ましくても寂しくても淋しくても………。
たえてくれ。こらえてくれ。俺の精神。
おとなしくしていれば、きっといつか、携帯に奴から呑みに誘う電話が来るさ。他の人ではなく、奴から。
それですべてが救われるんだが…。